Canon EOS Kiss M
今回のKasyapaでは、CanonのEOS Kissシリーズ初のミラーレス機『Canon EOS Kiss M』をご紹介いたします。
Kissのミラーレス機ということで発表当初からかなり注目を集めていたことが記憶に新しいですが、CP+2018のCanonブースでは一番の目玉として大々的に取り上げられたり、最近ではテレビCMにも力を入れていたりとCanonのEOS Kiss Mに対する並々ならぬ熱量が伺えます。
軽量・小型Kissと謳われていたEOS Kiss X9よりも一回り程小さく、サイズ的にはEOS M5とほぼ同じ。むしろ上部のダイヤルがEOS M5よりも少ないぶん、だいぶすっきりとした印象を受けます。また、メニュー画面は「やさしい」と「標準」のどちらかを選択することが出来るため、カメラ初心者だけでなくサブ機としてコンパクトなカメラを持ちたい上・中級者にも配慮された設計であるところにこだわりを感じました。
冒頭の写真は、夕日をバックにした満開の八重桜を捉えた1枚です。この日はとても天気が良く雲一つない青空だったので、主題となる八重桜がより一層際立ちました。
エントリー向けのカメラのため操作系はいたってシンプル。しかしエントリー機にありがちな「えっ、このダイヤル無いの?」といった煩わしさは無く、必要最低限のダイヤルが効果的に配置されていて非常に使いやすかったです。
今までのKissシリーズはEFマウントでしたが、EOS Kiss Mでミラーレスになったことで対応マウントがEF-Mマウントへと変わりました。
EFレンズが直接装着出来ないというと一見デメリットのようにも感じてしまいますが、別売のアダプター『EF-EOS M』を取り付ければEFレンズ、EF-Sレンズを装着することが可能です。しかもこのアダプターの価格は10,000円以下とリーズナブル。逆にEFマウントのカメラにEF-Mレンズを付けることは出来ないので、従来のEOS Kissシリーズよりもレンズの選択の幅が広がったということになります。
(※価格は2018年4月現在のマップカメラでの価格です。)
今回の撮影では一番スタンダードなレンズキットである『EOS Kiss M EF-M15-45 IS STM レンズキット』を使用しましたが、重すぎず軽すぎず、ちょうど良いサイズ感でした。少し立ち止まってタッチシャッターでサッと写真を撮ることが出来るので、このような街中のスナップとの相性は抜群です。
EOS Kiss X9ではライブビュー時にしか適用されなかったデュアルピクセルCMOS AFですが、本機では新開発のエンジン「DIGIC 8」が搭載されたことによりファインダー時とライブビュー時の両方で適用されるようになりました。AFの精度・速度共にエントリー機とは思えぬ実力を備えています。
街を撮り歩いていると、とある神社にてユニークなおみくじを見つけました。見た目の通り「鳥みくじ」と言うそうです。紐に並んで括りつけられている姿がとても可愛らしく、私以外にも写真を撮っている方が何人も居ました。
この鳥の目にはさすがに反応しませんが、本機には瞳AF機能が搭載されているため、動き回るお子さんをはじめとするポートレート撮影で活躍してくれること間違いなしです。
今年の春は桜の時期に雨風がほとんどなく、長い間美しい桜を楽しむことができました。八重桜の優しいピンク色が青い空に良く映えます。本機の写し出す色合いはあっさりとしているため、少し現像で彩度を調整しました。
今回カメラ内のフィルター機能は使用しませんでしたが、オートモードで撮影をした場合、クリエイティブアシストモードへダイレクトにアクセスできるアイコンが画面右下に表示されます。カメラ初心者だとなかなかうまく設定できない「ボケ具合」や「色合い」などを撮影者の撮りたいイメージに合わせてカメラ側が設定を決めてくれる画期的な機能です。ぜひ試してみてください。
『PowerShot G7 X Mark II』で搭載されていた「デュアルセンシングIS」をレンズ交換式カメラで初搭載した本機。また、対応レンズを装着した状態で動画を撮影した際には「コンビネーションIS」が機能し、より強力な手ブレ補正の恩恵を受けることが出来ます。カメラ初心者にとってありがちなブレ写真・動画の量産をしっかりと防いでくれる、充実の手ブレ補正機能が嬉しいです。
普段フルサイズ一眼レフやフルサイズミラーレスを主に使用しているので、たまにエントリー機やコンパクトカメラを使用するとあまりの軽さに感動します。しかも、これだけ軽くて小さくてもしっかりと作品を撮れるだけのポテンシャルを持っているのですから頭が上がりません。
少し休憩しようとカフェに入ったところで、店員さんに「素敵なカメラですね」とお褒めの言葉をいただきました。そうでしょう!と食い気味で返したくなるくらい、性能のみならず見た目にも拘っているカメラなのです。
最近だんだんと日が長くなってきたのを肌で感じます。これからゴールデンウィーク、夏休みと楽しいこと尽くめ。行楽シーズンや旅行にはこれ以上ないくらいに最適なカメラなので、ぜひこのカメラでたくさんの思い出を残していただきたいです。
常にバッグに忍ばせておきたくなるカメラ
『Canon EOS Kiss M』いかがでしたでしょうか。
今回私が使用したカメラのボディカラーはホワイト。シンプルかつ洗練された見た目で、持っているだけで楽しい気持ちになりました。ストラップやケースなどでドレスアップしても楽しそうです。
また、本機は静止画のみならず動画性能においてもEOS Kiss X9から飛躍的な進化を遂げています。4K動画や進化したタイムラプス動画など、本格的な動画撮影を手軽に楽しむことが出来るようになりました。
EOS Kiss Mの登場と人気ぶりから、今後さらにEF-Mマウントが充実していくことが容易に想像できます。レンズラインナップも増えていくでしょうし、気の早い話ですがEOS Kiss Mシリーズの今後の展開も非常に気になるところです。
Photo by MAP CAMERA Staff