SONYCyber-shot DSC-RX100M7
躍進するα7シリーズと並行して、RXシリーズも代を重ねるごとにファンが増えているカメラです。従来のコンパクトカメラのサイズを維持しながらも、その性能は最新のミラーレス機並み。鮮明な内蔵EVFを覗き込みながらシャッターを切れば、1インチセンサーとは思えない高画質とレスポンスの良いAF性能に誰しもが驚くはずです。そのRXシリーズも本モデルでついに7代目。レンズや外装、EVFなどのハード面は『RX100M6』から踏襲しつつも、AFシステムやプロセッサーなどのソフト面をなんとフラッグシップ機『α9』と同スペックに進化させてきました。今回のKasyapaは『SONY Cyber-shot RX100M7』のご紹介いたします。
秒間20コマ連写性能やブラックアウトフリー撮影、動物瞳AFまで搭載し、これ以上何を詰め込むのかという性能を持ったRX100M7。まずは波に向かうサーファーの眼前に広がる青い空と海の1コマから。1型センサーは今やコンパクトカメラの主流になりつつありますが、ワンクラス上のセンサーサイズで撮りましたと言っても誰も疑わない描写力です。
朝から海辺に行って撮影をして小腹が空きました。ちょっと休憩にと立ち寄った古民家カフェでの一枚です。
普段一眼カメラをぶら下げて出かける筆者は、大きなカメラを店内で構えることに躊躇してしまってテーブルフォトを撮る機会がほとんどありませんでした。しかし今回は座ったついでにポケットから取り出したカメラでスッと撮影。この気軽さと気楽さはとても魅力的です。
コップの水滴が綺麗だったので接写性能とボケを確かめてみたくて撮ってみました。とろけるようなボケまではいきませんが、中望遠域でやや絞った状態でも主題を引き立たせる良い写りです。
待受画像にすると幸運が訪れるという噂の良縁地蔵さま。みなさんが近付いて写真を撮る中、一人お地蔵さんから遠のいて撮影しました。ほぼ足元からの撮影ですが、ファインダーに囚われない撮影方法はミニマムなカメラだけの最大なメリットです。構図の自由さが今までとは違う発想の手助けになります。
コンパクトを超える画質と性能
折角200mmまで伸ばせるのですから、やはり望遠域を使って撮りたくなります。草むらのほうに歩いていったネコを見つけ、追いかけてみました。もうだいぶ茂みの奥に入ってしまっていましたが200mmのおかげもあり、微妙な表情でこちらを見た瞬間の一枚が撮れました。周りからみたら茂みを撮ってるだけにしか見えないかもしれません。そしてRX100M7には動物瞳AFも搭載されていますから、撮影時の設定は全てカメラまかせ。撮影者が撮りたい被写体を瞬時に捉えてくれます。この被写体を捉える能力がとても優秀で夢中でシャッターを切っていました。
その時、その瞬間の最適な画角というのは常に変わります。24mmと28mm,もしくは200mmだったり135mmだったり。さらには、しゃがんで足元から撮影したり、頭上から片手で撮影したり。これだけの自由度をもって撮影出来るのはコンパクトカメラだけの利点でしょう。撮っている、という感覚も一眼に較べれば気楽で、フットワークの軽さもコンパクトカメラならではです。
逆光時に大活躍したのがEVF。当初このカメラでEVFを使う機会はないと思っていたのですが眩しくてモニターでは構図を確認することが難しいシーンが何度もあり、このEVFに助けられました。ワンプッシュで起動、さらに電源OFF時もEVFをしまうことで完了します。この動作の手軽さは本当に素晴らしいです。
波打ち際で楽しむ人の姿も200mmの望遠で切り取るとドラマチックです。
今回の記事ではご紹介に漏れましたが、波に乗るサーファーや波しぶき、海で遊ぶいろんなシーンを撮る事が出来ました。また、描写性能以外で驚いたのはバッテリーの持ちの良さです。飛行機モードなど節電対策をしつつフル充電したバッテリー1つで撮影に臨んだのですが、300枚以上の撮影が可能でした。
RX100がたどり着いた新境地
より便利に、より使いやすく、より高性能に。“高級コンデジ”と呼ばれて括られたりもしますが、RX100M7を使用して感じたのは純粋なカメラとしての完成度の高さです。一眼カメラなど高性能になればなるほど必然と大型化していく傾向がありますが、RX100M7でソニーが目指したのはこのボディサイズでどこまでやれるのかというこだわりではないでしょうか。限られたスペースに最新のテクノロジーを詰めこむ、開発には相当な苦労と技術者の熱意があったのだろうと伺えます。他には真似できない、世界をリードするソニーだからこそ実現できた一台だと感じました。
RX100M7たどり着いたコンパクトカメラの新境地。ぜひ一度体験していただきたいものです。
Photo by MAP CAMERA Staff