シグマの『Contemporary F1.4 DC DN』シリーズは、これまで「ソニーE用」、「マイクロフォーサーズ用」、「キヤノンEF-M用」の3種類のマウントに対応していましたが、この度「ライカSL/TL用」が加わりました。16mm、30mm、56mmというラインナップのうち、当記事では56mmをピックアップ。「ライカSL/TL用」のマウントは様々なカメラに採用されているので、今回は『SIGMA fp』、『Panasonic LUMIX DC-S1』、『Leica CL』の3つのボディに付けて撮影しました。
SIGMA Contemporary 56mm F1.4 DC DN
+ SIGMA fp
街路樹の向こう側にある建物が素敵で目に留まります。他の建物と何が違うのかと考えたところ、金属と共に檜の角材がふんだんに使われていることに気付きます。なんともぬくもりのある見た目に心が温かくなります。木は燃えやすいことからこのように外観に使用することはあまりないのですが、この建物では燃えにくい処理をした木材を使うなどしているそうです。
「WELCOME」という文字を見て、ここがかつて使われていた水門だと気付きました。よく見ると周囲も電飾で飾られていて、晴れの日の夜はきっと生き生きと輝くのでしょう。『SIGMA fp』はアスペクト比が7種類から選択出来るのですが、今回の写真は全てシネスコープに近い21:9で撮影しています。一枚一枚にストーリーが宿るようで、とてもお気に入りです。
雑草であっても、雨降る中ではたくさんの水の玉をまとい、とても美しくなるものです。風に揺れては水の粒たちがまとまって落ち、まるでキラキラという音が聞こえてくるかのようです。
SIGMA Contemporary 56mm F1.4 DC DN
+ Panasonic LUMIX DC-S1R
ボディは有効画素数4730万画素を誇る『LUMIX DC-S1R』を使用しました。『SIGMA Contemporary 56mm F1.4 DC DN』を装着するとAPS-Cクロップが自動で行われますが、元々の高画素が故にクロップ後も高い描写力を見せてくれます。空に浮かぶように観覧車を写し取ると、何とも言えない夏の香りが漂ってきました。
遊園地に来ると様々な遊具に心躍るものです。絶叫系や急降下系など恐ろしい物もいくつかありますが、回転する類のアトラクションが苦手という方も多いはず。降りた後の地に足のつかない感覚、しかし外から見ている分には目まぐるしく色が交差していく様が美しく思えるのです。
高い逆行耐性を活かして、太陽を背景に持ち込みシルエットを強調。フレアやゴーストにイメージを阻害されることはありません。
SIGMA Contemporary 56mm F1.4 DC DN
+ Leica CL
高架下、柱に寄り添うように子供用の自転車が停められていました。お母さんの後ろに隠れながら、少し顔を出してコチラの様子を伺っている少女のように見え、その愛らしさを撮ってみたくなったのです。『SIGMA Contemporary 56mm F1.4 DC DN』は金属との相性も良く感じます。ピント部の明瞭さが何より気持ち良いのです。
高架下での撮影です。フェンスが見えなくなるところまで近づくことで鉄橋の力強い武骨さに迫っています。絞り込むことで鉄骨の立体的に感じられるほど解像しています。
和傘には「番傘」や「蛇の目傘」「舞傘」などいくつか種類があるようですが、いずれも開いた姿が「末広がり」で縁起が良く、また降りかかる困難から身を守るという「厄除け」の意味もある為に庶民に普及したそうです。小さな滝を背景に浮かび上がるような赤い和傘。F1.4の絞り開放がもたらす柔らかなボケ味がより一層引き立てます。
中望遠を軽快に連れ歩く。
中望遠域の単焦点の紹介と身構えて撮影に出たのですが、撮り始めてすぐに予想を良い意味で裏切られました。バランスの良さと軽快さはクセになるほどで、とにかく取り回しが良く撮りたい画角に無理なく移行できます。また中望遠の圧縮効果とF1.4の明るさから得られる心地よいボケも相まってスナップ、ポートレート撮影の強い味方と言えるでしょう。ミラーレス機の高機能化に伴い、そのすべてを引き出すにはレンズも大口径、大型でなければいけないという固定概念を完全に破壊したContemporaryシリーズの登場は今後のミラーレスの未来をも示唆する物になりました。コアなユーザーが多く採用ボディもバラエティに富んだ「ライカSL/TLマウント」に対応したことでさらに注目を浴びることになるでしょう。
Photo by MAP CAMERA Staff