シグマの『Contemporary F1.4 DC DN』シリーズ、これまで「ソニーE用」、「マイクロフォーサーズ用」、「キヤノンEF-M用」の3種類のマウントに対応していましたが、この度「ライカSL/TL用」が加わりました。16mm、30mm、56mmというラインナップのうち、当記事では16mmをピックアップ。「ライカSL/TL用」のマウントは様々なカメラに採用されているので、今回は『SIGMA fp』、『Panasonic LUMIX DC-S1』、『Leica CL』の3つのボディに付けて撮影しました。
SIGMA Contemporary 16mm F1.4 DC DN
+ SIGMA fp
クロップして使うことで実際の画角は24mm。その場の雰囲気を丸ごと収めることができるのでスナップ用としては丁度いい画角です。また、今回『SIGMA fp』で撮影したものは「21:9」というマルチアスペクトを採用していますが、広角と非常に相性が良いと感じます。横に広がる世界にいる被写体がひときわ目立ってくれるアスペクトです。
クロップしていますが樹のディテールまでは損なわれません。拡大が必要な場合には不向きですが、webやSNSで見せるには必要十分な画素数です。
なんだかこの一枚を撮ってから無性に旅に出かけたくなりました。人間の視野より広い24mmという画角が見せてくれる世界は、自分の中で組み立てた世界をいとも簡単に飛び越えてしまいます。
陽光に照らされ、ひときわ輝く樹。よくよく見ると地面には光の道筋が。自然の中で生まれるいくつもの偶然の一瞬。こういうとき、広角を持っていて良かったと心から思います。
SIGMA Contemporary 16mm F1.4 DC DN
+ Panasonic LUMIX DC-S1
今回のPanasonicのボディは『LUMIX DC-S1』を使用しました。『LUMIX DC-S1』シリーズのフェザーシャッターは撮影のテンポを快適にしてくれます。あっと思った瞬間のフォーカスもファインダーを覗きつつタッチパッドAFでバッチリ。「この瞬間を撮りたい」という願いを叶えてくれました。
グラスを被写体にガラスに写り込んだ背景をふんだんに取り入れました。グラスの描写といい「クロップしている」と改めて言わなければわからないほど解像もしっかり出来ています。
垂れ幕の間にちょうど人が収まったので撮ってみました。この時は一歩一歩ずらしながら画を調整していくのですが、ぴったりハマった時がとても楽しいです。
少年のパンパンに詰め込まれたリュックがこれからの旅への期待を表しているようです。モノクロにした時の階調も素晴らしいもので、西日に照らされた影のシャドーの表現も絶妙です。
いくつもの反射が面白かった一枚。自分の意識外で起こっている出来事に気付くと広角の楽しさはググッと拡がります。この意外性も広角レンズならではです。
夕焼けの空。こういう景色に出会った時、広角レンズを持っていて本当に良かったと感じます。その日その場所にいた事、あとで写真を振り返った時にその時の事を思い出せるのです。
SIGMA Contemporary 16mm F1.4 DC DN
+ Leica CL
最短撮影距離は約25cm。寄ることにより解像の低下を危惧しましたが想像以上の解像力を見せてくれました。
ゴールシーンといえばサッカーで最も盛り上がる瞬間のひとつですが、そんな華やかさとは裏腹にこのゴールポストは静かに雨に濡れていました。ネットが張られていませんから、シュート練習もすることができません。ただじっとそこにある。そんな存在を、木を額縁に見立てて写真に収めました。
台湾の食べ物はなんでもおいしいので大好きです。スイーツ好きの筆者がこの日選んだデザートは、定番の愛玉子(オーギョーチー)。つるっとした食感にレモンの風味がさっぱりとしており、食後にピッタリです。
カラフルなうさぎたちが身を寄せ合っていました。少し色褪せたような落ち着いたカラーリングと、見るからに柔らかそうなフワフワの毛が、思わず連れて帰りたくなります。隣には車のおもちゃも。おしゃれな雑貨に囲まれて暮らしたいものです。
軽快に広角。
Contemporaryシリーズの三本の中では意外にもこの16mmが一番サイズが大きく、ボディとのフィーリングも『Panasonic LUMIX DC-S1』が意外にマッチしていた事など面白い発見がありました。ミラーレス機の高機能化に伴い、そのすべてを引き出すにはレンズも大口径、大型でなければいけないという固定概念を完全に破壊したContemporaryシリーズ。「ライカSL/TLマウント」に対応したシリーズ三本のご紹介、いかがでしたでしょうか。フルサイズ機のクロップ使用というのが実際どのレベルで写るのか、実用性があるのかどうか。今回の記事をご参考にしていただければ幸いです。
Photo by MAP CAMERA Staff