『SONY FE PZ 28-135mm F4 G OSS』4K実写レビュー
2021年02月23日
POWER ZOOM
35mmフルサイズに対応した電動ズームレンズ『SONY FE PZ 28-135mm F4 G OSS』。映像制作に特化した設計がされているレンズで、フォーカス中に画角が変化するブリージングという現象やズーム時の軸ズレを最小限に抑えてあります。また、非球面レンズや逆光に強いマルチコーティングも採用され、画面全体で優れた描写性能を発揮します。今回は、動画と写真両方でその写りをご紹介いたします。
撮影は4K/60p、クリエイティブルック「ST」、ピクチャープロファイルは「切」。編集はAdobe Premiere Proを使用しています。動画冒頭では電動ズームでの表現を入れてみました。MFでズームリングを手動で動かすよりも滑らかにズーミングされています。また、撮影は全てAF。特に、桜のカットでは画面中央の花にピントを合わせてズームアウトしましたが、ピントを外していないのがわかります。
4Kでの撮影は初めてだったからなのか、書き出した映像をPCモニターで見た時の繊細さには驚かされました。今回は人工物の多い動画に仕上げましたが、海や山など、大自然を高精細な4Kで撮ってみたいと思う撮影になりました。
今回の撮影機材
『FE PZ 28-135mm F4 G OSS』を『α7SIII』に装着するとかなり重そうな見た目になります。また、撮影時には四角いフードを付けていたのでもう一回りくらい大きく感じました。しかし、三脚座を除いたレンズ自体の重量は1215g。ボディや三脚座を取り付けても約2㎏と見た目よりは軽い印象です。
さて、ここからは動画撮影とは別に撮影した写真をご覧ください。最初の1枚は浜辺で元気そうに遊ぶ子供の姿。カメラの電源を入れて瞬時に撮影した1枚でしたが、ピントも合っており写真を撮るにしても十分なAF性能を持っているレンズでしょう。
散策をしているとあまり見かけたことのない植物を発見。線香花火の持ち手部分のようだと思いつつ、花に日が当たる角度を探しました。
この日は風が強く、日が差したり曇ったりを繰り返すような天気。そのため、薄明光線という現象を見ることもありました。また、動画撮影時には雲が虹色に見える彩雲という現象が。柔らかい光と立体感のある雲がしっかりと描写されています。
金属の手すりに反射した光。露出がマイナスになるように設定して撮影した1枚です。シャドウ部分から浮かび上がるような写真を撮ることができました。
そして、橋から海を見下ろすと一隻の船が。夕陽に向かって進むその姿はどこか寂しくも感じます。先程の手すりの写真では黒く潰す部分を作りましたが、この1枚では海が潰れないように撮影。波のディテールがしっかり描かれており、『α7SIII』の広いダイナミックレンジを実感できます。
台場からも見えていた東京のシンボル。吸い寄せられるようにその足元まで来てしまいました。夕陽に照らされた姿も非常に綺麗でしたが、日没後のライトアップではまた違う表情を見せてくれます。動画のラストシーンもそうですが、鉄骨の描写が繊細に写し出されているのがわかります。
クリエイターの強い味方
フォーカス・ズーム・絞りの3つの操作リングを搭載した『FE PZ 28-135mm F4 G OSS』。ワンオペレーションでの映像制作には強い味方となるズームレンズです。電動ズームの動きは滑らかで静か。動画撮影時はゆっくりズームイン、ズームアウトを行うことが可能です。手持ち撮影も可能な重量であるのも、作品の表現の幅を広げる良いポイントになるでしょう。また、シネマレンズのような風貌は「撮るぞ」という意識をより高めてくれます。本格的な映像制作はもちろん、ブイログなどでも『FE PZ 28-135mm F4 G OSS』でしか撮れない映像があるでしょう。こだわりの1本を撮りたい方にオススメのレンズです。
Photo by MAP CAMERA Staff