標準域から超望遠 600mmまで1本でカバーできる唯一無二のオールラウンダーレンズ『SIGMA Sports 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS』が2023年シグマ最初の新製品となります。あらゆるシーンを貪欲に求めるユーザーの夢を体現したかのようなレンズ『SIGMA Sports 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM』から 約4年弱の歳月を経て2,495gという軽量化を実現した待望の一本が登場しました。
最大7段の手振れ補正と最大撮影倍率1:2.4の望遠マクロ、新開発モーター「HLA」による高速AF、 マグネシウム、CFRP、TSCなどの材質を適所に配置し大幅な軽量化と堅牢性を実現させました。Lマウントにおいては『SIGMA TELE CONVERTER TC-1411 / TC-2011』にも対応しているので最長1200mmでの運用も可能とのこと。今回は『Leica SL2-S』に装着して撮影に挑みました!「持ち歩ける60-600mm」の可能性をぜひご覧ください。
焦点距離200mm時において最大撮影倍率1:2.4を達成し、望遠マクロとしても使える本レンズ。花粉を撮れるほど寄ることが出来ました。同時公開中の動画コンテンツでは椅子に座りながらカフェラテを撮ったカットもご紹介していますのでそちらもぜひご覧ください。正直、端から見たらかなり怪しい者だったかと思いますが…一時の恥を捨てればどんな写真も撮れるのがこのレンズです。そして「そんなことも出来る」のが私たちにとっては意外に大事なことなのだと思います。だって面白いですから。
「60-600mm」というスペックを街中散策メインに使ってみようと思い、スカイツリーが綺麗に見える商店街の端からギュギュッと圧縮してみました。テレ端ではツリーがはみ出る結果になってしまいましたが、この一直線にある電柱の圧縮具合がとても面白く撮れました。都内は電柱を地中化するプロジェクトなどもあるようなので、そのうちこういった景色も撮れなくなるのかもしれないと思うと少し寂しい気もします。
硬くもあり滑らかさもあり。メタリックな質感表現も見事ではないでしょうか。人や動物だけでなくモータースポーツや航空機撮影での活躍が期待されるレンズなのでいずれそのフィールドで撮影してみたいです。
ワイド端でも素晴らしい解像感で、朱と赤の質感や色味の違いがしっかり描写されています。こちらも同時公開された動画コンテンツで同じ立ち位置から撮影した60mmと600mmの焦点距離の幅の広さを写真で紹介しております。面白いくらい変わる画角の違い、10倍ズームの応用力の高さをぜひ見てみてください。
素晴らしい、そして楽しい。
『Leica SL2-S』のJPEG撮って出しの色味の良さもありますが、『SIGMA Sports 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS』の前ボケも自然で被写体と被写体を引き立てる背景ボケの分離、全体的に深みのあるトーンや光陰の感受性も素晴らしいの一言。10倍ズームが出来るレンズで単焦点に引けを取らない画質は衝撃的です。
日暮れ時のスポット光に惹かれて撮影。150mm付近でF11まで絞り込んで撮影してみましたが、線という線が全てピシッと解像されていてシグマらしいハリのある画になりました。
少し土手のほうに移動して夕暮れ時を撮りにいきました。一分あったかどうか分からない美しい夕陽の光をテレ端開放絞りで夢中になりながら撮影しました。シャープなピントと夕陽が溶ける背景ボケの両方の美しさにうっとりしてしまいます。
ここでも60mmで広く撮ったり600mmでこの数本ある電灯を圧縮してみたり、電灯の上に月を乗せてみたり。一本でできることが多くてワンシチュエーションを「こう撮ったらどうだ」「あれも撮ってみよう」と忙しくも楽しく撮影できました。とにかく一本であらゆる可能性を模索できるレンズです。
超望遠寄りの10倍ズームを扱うなら必要不可欠だと思っていた筋力トレーニングも2023年の60-600mmはそれを必要としません。一日中首からかけて撮影することが出来ました。レンズを持つとズシっとくる感覚は間違いなくありますが、全長がさほど長くないため重心もとても安定しています。
圧縮効果で店看板を一枚に。標準も超望遠もこなせるこのレンズはまさにあれもこれも撮れるオールラウンダーです。
標準も超望遠も
「超望遠で街中を歩くとどうなるだろう」という願望は以前から持っていましたが、少ない撮影機会の中では実際に超望遠レンズだけで街に出歩くというのはコストも心のハードルも高めで実現出来ていませんでした。今回軽量化された『SIGMA Sports 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS』ならその夢を叶えられるかもしれない、と街中散策を決行しましたが妄想通りの楽しい撮影が出来ました。
これから「あの地元の桜並木の道をこのレンズで表現したら」「いつものスナップに超望遠の要素を足したらどんな写真が撮れるだろう」という夢と希望が膨らむレンズでした。「Sports」ライン本来の使い方をする人にとって素晴らしい一本、そして筆者と同じような夢を描く方にとってもオススメしてしまっていいレンズだと思っています。いろんな方にぜひこの10倍ズームの可能性と楽しさを堪能していただけたらと思います。
Photo by MAP CAMERA Staff
今回『SONY α1』に組み合わせた『SIGMA Sports 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS E-Mount』の記事も公開しております。 ぜひこちらも併せてご覧ください。
828: 唯一無二の寄れる高倍率超望遠『SIGMA Sports 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS E-Mount』