好評を博した「70-180mm F/2.8 Di III VXD」の後継機で、クラス最小・最軽量となる第2世代『TAMRON 70-180mm F2.8 DiIII VC VXD G2 E-Mount』をご紹介します。機種名を見ると第2世代を表す「G2」のほかに「VC」の文字も増えましたが、これは手振れ補正機能搭載を意味します。近接撮影機能も向上し、旧モデルでは85cmまでしかAFで近づけなかったのが、30cmまで寄れるようになりました。この非常に短い最短撮影距離により、他にはない本レンズならではの表現ができるのです。リニアモーターフォーカス機構VXDは高速・高精度なAFを可能にし、静止画撮影はもちろんのこと動画撮影においても活躍が期待できます。本レンズはUSB Type-Cのコネクターポートを有し、TAMRON Lens Utilityを用いたカスタマイズが可能です。新たに搭載された「フォーカスリミッター」では、例えば動物園で手前の檻ではなく奥の動物がいるエリアだけにフォーカスを制限できたりするので、この機能を待っていた方も多いことでしょう。また従来どおりフォーカスリングに機能を割り当てたり、予め決めておいたピント位置へクリックひとつでフォーカスを移動させるなど、様々なカスタマイズが可能です。第2世代「G2」と呼ぶに相応しい力を持つ1本に仕上がりました。そんな本レンズを「SONY α7IV」につけて撮影してきました。フォトプレビューをどうぞご覧ください。
使用機材:SONY α7IV + TAMRON 70-180mm F2.8 DiIII VC VXD G2
大口径望遠レンズと言えばボケ味を試したくなるもの。光が美しい歩道にレンズを向けると、なめらかなボケ味を得ることができました。それでいてピントの合っている部分は鮮明に写っています。シアー素材の袖の質感までよく伝わってきました。
使用機材:SONY α7IV + TAMRON 70-180mm F2.8 DiIII VC VXD G2
綺麗な白い花が咲いていました。光が左上の方から当たり、花びらの中に影ができたり、少し離れた葉が少し暗く落ち込んでいます。本レンズは最短撮影距離がワイド端で30cm、望遠端で85cmとなっています。花を大きく写すにはワイド端を使います。30cmといってもレンズ自体の長さが15.65cmあるので、レンズの先と花はレンズ1個分の距離。かなり寄れます。
使用機材:SONY α7IV + TAMRON 70-180mm F2.8 DiIII VC VXD G2
イタリア料理屋さんと思しき窓に、たくさんのおしゃれなイラストがガラスに描かれていました。とてもお上手で鮮やかな色使いや細かい線が繊細。こんなお店で働けたら楽しく過ごせそうです。
使用機材:SONY α7IV + TAMRON 70-180mm F2.8 DiIII VC VXD G2
高い場所から地面を見ると、光の濃淡ができていました。この日向に人がいたらいいのに、と思いながら待っていたら、ついに通ってくれました。場所もここと思った場所ぴったりだったので、してやったりと頷きます。左の樹木の立体感、そこから伸びる影が綺麗です。
使用機材:SONY α7IV + TAMRON 70-180mm F2.8 DiIII VC VXD G2
使用機材:SONY α7IV + TAMRON 70-180mm F2.8 DiIII VC VXD G2
日が当たるビルを眺めていると突然電車が映り、急いでシャッターを切りました。窓が鏡のようにこちら側を映していたのです。映り込んでいる空の青さが綺麗なのを活かして、バランスを見ながら空を多めに、電車の面積が少なめになるよう配置しました。
使用機材:SONY α7IV + TAMRON 70-180mm F2.8 DiIII VC VXD G2
船の下の方に注目したことがなかったのですが、文字が付いていました。立体になっており、予想するにどのくらい水に沈んでいるかがわかるようになっているのだと思います。他の船も同様に数字などがありました。なんだか秘密を知ってしまったような気分になり、いくつもの船の数字を撮ってまわりました。
使用機材:SONY α7IV + TAMRON 70-180mm F2.8 DiIII VC VXD G2
車道を挟んだ向こう側の歩道でオバケすすきが揺れていました。穂の部分は逆光で燃えているよう。その輝きを収めることに夢中になっていましたが、あとで見返してみるとピントが合った中央付近の精細な描写があまりに見事。揺れているのを止めるようシャッタースピードを上げたのも功を奏して、シャープな描写です。
使用機材:SONY α7IV + TAMRON 70-180mm F2.8 DiIII VC VXD G2
写真を撮るのにお馴染みの場所で、いつもとは逆方向に目を向けたのは、日没後の空がとても綺麗だったから。石製の大判タイルが並ぶ地面にカメラをそっと置き、グラデーションを湛える空を主役に据えます。並木通りの樹木と街灯が手前から奥へと伸びていき、床面には上から下へ光が伸びています。ザラザラしたタイルなのに、圧縮とボケの効果でツルツルした大理石のようになりました。
第2世代に相応しい完成度
第1世代ユーザーとして第2世代に寄せる期待は大きかったのですが、裏切られることは決してありませんでした。特に新しく搭載された「フォーカスリミッター」が便利で、まさに痒い所に手が届くような機能でした。タムロン独自の手振れ補正機構がつき、簡易防滴構造・防汚コートもあることから、積極的に持ち出して撮影を楽しむことができるのです。ソニーのカメラに搭載されている「ファストハイブリッドAF」や「瞳AF」にも対応しているので、ボディ側の便利な機能を余すことなく発揮できるのも大きな魅力です。今回組み合わせた「α7IV」をはじめ、他の「α」とも相性抜群の一本です。ぜひお試しください。
Photo by MAP CAMERA Staff