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993:ハイエンド・ハイブリッド『Panasonic LUMIX S1RII』

993:ハイエンド・ハイブリッド『Panasonic LUMIX S1RII』

2025年04月15日

絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/160秒 / ISO:800 / 使用機材:Panasonic LUMIX S1RII DC-S1RM2 + LUMIX S PRO 50mm F1.4 S-X50

 

「Panasonic LUMIX S1R」発売から約6年。新開発イメージセンサーの搭載による高画素と高速連写、LUMIX初の8K動画記録を実現したハイブリッドカメラ『Panasonic LUMIX S1RII』が発表されました。前モデル「S1R」が約4730万画素だったのに対し本機『S1RII』は約4430万画素と画素数自体は抑えられていますが、これは「S1R」が低感度での描写性の評価は高いものの高感度時の改善を希望されていたことから、高感度においても自然で高精細な描写を実現するため、このようになったそうです。また「S1R」では三脚ハイレゾのみだったのに対し、新しいエンジンと、最高5軸8.0段による手ブレ補正機能の強化により今回「手持ちハイレゾ」で約1億7700万画素相当のハイレゾショットが撮れるように進化したというのが大きなポイントです。約40コマ/秒AF追従の高速連写/AF-Cメカシャッター連写10コマ/秒、像面位相差AFを搭載したハイブリッドAF技術を採用し、AF-Cや動画AFの追従性能の大幅な改善やAIによる「人物」顔瞳認識AFの精度向上など静止画撮影において多角的な進化を遂げています。

そしてハイブリッドカメラの名に違わぬ動画性能を搭載。圧倒的な描写力の8K30p動画や4K60p動画、ProRes RAWの内部記録、画角を変化させることなく電子手ブレ補正を発揮できる「クロップレス」モードや、今までは写真だけだった「粒状」機能が動画にも使えるようになりました。写真と動画の双方に対応するハイブリッドカメラ『S1RII』。LUMIX フルサイズシステムの「マスターレンズ」である「LUMIX S PRO 50mm F1.4」と標準ズーム「LUMIX S PRO 24-70mm F2.8」で撮影してまいりました。ぜひご覧ください。

というわけでまず始めに約1億7700万画素相当のハイレゾ撮影のカットをご覧ください。アップロードの関係で原寸(16288×10848)ではなく横幅7680ピクセルに縮小していますが、布の質感が細部まで鮮明に描写されていますのでぜひ写真をクリックして拡大してみてください。今まではRAW画像のみでしたが本機からはJPEGも同時に記録できるようになりました。ちなみに原寸ではJPEGのデータでも126MBもありました。

 

絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/80秒 / ISO:125 / 使用機材:Panasonic LUMIX S1RII DC-S1RM2 + LUMIX S PRO 50mm F1.4 S-X50

 

後継者育成のために用意されているという織り機が一列に並んだ織場。ちょうど誰もいない日に訪れることが出来ました。実はこのカットも手持ちハイレゾ撮影です。戸棚奥に置いてある物の文字の一部まで読み取れるほどの高解像力。バランスを崩して少しブラしてしまった場合などは撮影終了後の処理中に失敗しましたというエラーメッセージが出てきます。ただ、今回の撮影のなかでも自分が動いてしまったな、と感じたとき以外では失敗することはほぼありませんでした。ただ撮影後の処理時間は数十秒かかるので、連続して撮影をしたい場合などは控えたほうがいいかもしれません。誤って撮ってしまってもQボタンで中止もできますのでご安心ください。

 

絞り:F1.4 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:80 / 使用機材:Panasonic LUMIX S1RII DC-S1RM2 + LUMIX S PRO 50mm F1.4 S-X50

 

常用感度がISO80~51200になったため、低感度のISO80で撮影してみました。こちらはハイレゾを使わずに撮影したものですが、約4,430万画素が十分に高画素で、精細な描写をすることが分かります。

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:80 / 使用機材:Panasonic LUMIX S1RII DC-S1RM2 + LUMIX S PRO 50mm F1.4 S-X50

 

少しくどいかもしれませんが、こちらもハイレゾ撮影です。被写界深度も浅く解像力を求める画としては少々わかりにくいかもしれませんが、糸の一本一本の張り具合や巻き込み、細かな毛羽立ちまで見える解像力の高さはさすがです。そして毛糸のそれぞれの色味の違いを丁寧に描写してくれています。

 

焦点距離:58mm / 絞り:F8 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:80 / 使用機材:Panasonic LUMIX S1RII DC-S1RM2 + LUMIX S PRO 24-70mm F2.8 S-E2470

 

LUMIXのカメラとして初めてCapture Oneのテザー撮影に対応したとのこと。スタジオなどのワークフローにも組み込みやすくなるので嬉しいポイントです。ソフト内でRAWデータの処理も可能になっていたので、この一枚のみシャドウ部を持ち上げたりしてデータ量を見てみたのですが、桜の木がしっかりと立体感をもって浮かび上がってきたことに驚きました。

 

焦点距離:59mm / 絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/320秒 / ISO:100 / 使用機材:Panasonic LUMIX S1RII DC-S1RM2 + LUMIX S PRO 24-70mm F2.8 S-E2470

 

 

焦点距離:24mm / 絞り:F8 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:80 / 使用機材:Panasonic LUMIX S1RII DC-S1RM2 + LUMIX S PRO 24-70mm F2.8 S-E2470

 

深い黒と白のコントラストが特徴的な「LEICAモノクローム」が追加されました。手前側の線路から奥の山脈までよく写っています。

 

焦点距離:63mm / 絞り:F3.2 / シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:800 / 使用機材:Panasonic LUMIX S1RII DC-S1RM2 + LUMIX S PRO 24-70mm F2.8 S-E2470

 

先刻まで餌をあげていた方がいた影響で筆者がこの位置に立つと自然と寄ってきました。水面から浮き出てくるときの水の揺れ方がとてもリアルです。低感度域とはいえISO感度800でこのノイズ感のなさは見事なものです。光を浴びた手前の金色の鯉のハイライトはやや白飛びしていますが、嫌な印象が少ないのも良きです。

 

絞り:F5 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:80 / 使用機材:Panasonic LUMIX S1RII DC-S1RM2 + LUMIX S PRO 50mm F1.4 S-X50

 

このカットも手持ちハイレゾショットです。通常の撮影より処理に時間がかかることだけが欠点と言えますが、筆者が実際に撮っている通り、結構な頻度でハイレゾ撮影がしたくなります。

 

焦点距離:70mm / 絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:80 / 使用機材:Panasonic LUMIX S1RII DC-S1RM2 + LUMIX S PRO 24-70mm F2.8 S-E2470

 

僅かな時間に射し込んだ陽の光、葉っぱの輪郭線、水面の透明感とその奥に生える緑苔。光と影を忠実に汲み取るからこその描写だと思います。ただただ素晴らしいの一言です。

 

絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/320秒 / ISO:800 / 使用機材:Panasonic LUMIX S1RII DC-S1RM2 + LUMIX S PRO 50mm F1.4 S-X50

 

今回の撮影で最後に紹介する手持ちハイレゾ撮影です。(と言いつつもこの後も数カット、ハイレゾ撮影で記録しました)あえて、もう一つ問題を挙げるならバッテリーの減りが早くなることでしょうか。モバイルバッテリーを持っていたおかげで事なきを得ましたが、一日持たなくなってしまうくらい消費しますのでお気をつけください。

 

焦点距離:24mm / 絞り:F4 / シャッタースピード:1/320秒 / ISO:200 / 使用機材:Panasonic LUMIX S1RII DC-S1RM2 + LUMIX S PRO 24-70mm F2.8 S-E2470

 

初めて向かう場所というのは何歳になってもドキドキします。電車に揺られながら、目の前にある二つの車窓が夕暮れ時の光で変わっていく様子を見ながら、最もキレイだと思った瞬間を撮影しました。左の窓と右のブラインドの光の「透け感の違い」がとてもよく再現されています。今日の旅もいよいよ終盤。それでは最後のスポットに向かうことにします。

 

焦点距離:24mm / 絞り:F7.1 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:80 / 使用機材:Panasonic LUMIX S1RII DC-S1RM2 + LUMIX S PRO 24-70mm F2.8 S-E2470

 

 

焦点距離:70mm / 絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/640秒 / ISO:80 / 使用機材:Panasonic LUMIX S1RII DC-S1RM2 + LUMIX S PRO 24-70mm F2.8 S-E2470

 

『S1RII』には約576万ドット有機EL(OLED)のファインダーが搭載されています。ファインダーを最初に覗いたときからキレイかもしれない、と感じてはいたのですが夕暮れ間近の柔らかい光が入り込んでくる時間帯になって、改めてその綺麗さに感動しました。「LUMIX S PRO 24-70mm F2.8」のテレ端のボケの美しさ、ピント面のシャープさは被写体の魅力を最大限引き出してくれます。

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/3200秒 / ISO:80 / 使用機材:Panasonic LUMIX S1RII DC-S1RM2 + LUMIX S PRO 50mm F1.4 S-X50

 

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/3200秒 / ISO:80 / 使用機材:Panasonic LUMIX S1RII DC-S1RM2 + LUMIX S PRO 50mm F1.4 S-X50

 

「S1R」の後継機が登場したら必ず合わせてみたいと思っていたのがこの「LUMIX S PRO 50mm F1.4」です。ハイレゾモードにも見合う高解像力やボケの綺麗さやフレアさえ美しく感じさせる、LUMIXのマスターレンズとしてふさわしい性能を持つ一本です。

 

絞り:F1.4 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:3200 / 使用機材:Panasonic LUMIX S1RII DC-S1RM2 + LUMIX S PRO 50mm F1.4 S-X50

 

 



 

ハイエンド・ハイブリッド

Sシリーズ高画素機モデル待望の後継機。画素数が大きくなると思っていた中で、据え置きという答えが出たときは正直に言って驚きました。ですが現S1Rユーザーの声の反映、開発者たちの妥協のない開発への想いなど、なぜそうなったのかという答えを聞いて得心がいきました。「S1R」の高画素機としての性能は十分であり、手持ちハイレゾの実現や高感度撮影時の不満を解消することで、より高い満足度を得ることが出来るようにしたというこの答えは最適解だったのではないかと思います。連写性能や強力な手ブレ補正、32bitフロート形式の音声収録や広いダイナミックレンジを持つLogガンマカーブでの8K動画記録など、多分野で活躍するクリエイターを支える『S1RII』。新たな表現の可能性を、ぜひこのカメラと共に見つけてみてください。

Photo by MAP CAMERA Staff

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