739: 幅広い作品制作に。『SONY FE 70-200mm F2.8 GM OSS II』
2021年11月28日
ソニーの望遠レンズ『FE 70-200mm F2.8 GM OSS II』が発売されました。前モデルの発売から5年以上経ち、その間に名だたるボディたちが登場しました。新レンズはそれらにも最適化された一本です。Gマスターレンズならではの精細な解像力、美しいボケ味、優秀なAF性能は進化し、そして重量は3割ほど軽量化されました。従来のレンズと見た目が似ていることから、いつもどおりの重さのつもりで持ち上げると軽さに驚いてしまいます。スポーツや動物といった動体をはじめ、ポートレートや風景など、幅広い撮影に対応し創造意欲を掻き立ててくれます。そんな『FE 70-200mm F2.8 GM OSS II』を携えていろいろな撮影を行ってきました。どうぞご覧ください。
もみじが色づき、美しい暖色のグラデーションとなっています。まだ緑の葉もあるものの落ち葉の絨毯もカラフルに、回廊の奥へ向かって色が渦巻く様は圧巻です。
「富士山撮影運」がなくいつも雲がかかった富士山に縁がある筆者。しかしこの日は生まれて初めて雲がかからない瞬間を見ることができました! もしかしたら晴れ男ならぬ「晴れレンズ」なのでしょうか。せっかくなので積もり始めた山頂の雪景色を切り取ります。雪の中にはよく見ると道があり、もしこれが登山可能期間であれば歩いている人が見て取れたでしょう。
飛び出してきたリスをAPS-Cクロップで思い切りアップで撮りました。もしよろしければ写真をクリックして拡大してみてください。リスの目は一見真っ黒に塗りつぶされているようですが、こうして見てみると瞳孔と虹彩があるのがわかります。
ミューレンベルギアというちょっぴり不思議な植物が、湖畔の風に吹かれ大きく揺れていました。それはまるで赤い雲のようで、ふわふわと幻想的な景色を作り出していました。
ホットチョコレートを注文します。夏目漱石の『それから』に出てくるチョコレートをイメージした一杯とのこと。当レンズは望遠にもかかわらず40cmまで寄れるので、なんとテーブルフォトまで撮れてしまうのです。椅子に座ったままこのように撮影するほか、立ち上がって俯瞰で撮ることも可能です。このレンズの汎用性の高さに驚きます。
かわいらしい街へやって来ました。荷車に花を山盛りに乗せたピンクのバイクが停まっています。陽が落ち電気が灯りはじめるこの時間帯は、パステルカラーの建物が闇に沈んでしまうことなくよい雰囲気で撮影することができました。
望遠レンズらしく街灯を図形的に切り取ります。電線で作られた奥行きと、それぞれ大きさの異なる玉ボケが美しい一枚です。
幾重にもかさなるたっぷりとした玉ボケ。中央付近は正円で周辺部はレモン型と、画面内の位置によって形が異なるのが面白いです。
幅広い作品制作に。
当レンズのトピックはいろいろとありますが、中でも最も大きなひとつがAFの高速化です。前モデルでも早かったAFがさらに素早くなったことで、より格上の高グレード機を使用しているような感覚がありました。値で示すと「最大4倍」とのこと。それにより動体撮影も難なく可能とし、一方で最短撮影距離の短さをもってテーブルフォトや望遠マクロも得意としています。まさに撮影の幅がグンと広がったと言えるでしょう。これがソニーの新基準レンズ。ぜひお試しください。
Photo by MAP CAMERA Staff