本日はキヤノンから発売された標準ズームレンズ『RF28-70mm F2.8 IS STM』をご紹介いたします。F2.8通しの大口径標準ズームレンズながら質量約495gと携帯性に優れた小型・軽量設計。『RF28-70mm F2.8 IS STM』に搭載された新ISユニットは、ISを構成する一つ一つの部品の重心を正確に計算して、その配置を最適化することでメカ的な機構を減らし本レンズの小型・軽量化を実現させているとのこと。5.5段(最大で7.5段)のレンズ内光学式手ブレ補正機構を搭載。「UDレンズ」を最前面に配置する構成を採用する12群15枚の最適な光学設計により「L」レンズに迫る高画質な写りも実現させています。広角端をやや狭めることでズーム全域F2.8の明るさを手に入れられる本レンズ。ズームレンズを選ぶ際の新しい選択肢を与えてくれる存在となるのか。「EOS R6 Mark II」に組み合わせて撮影してまいりました。ぜひご覧ください。
通い慣れた場所はもちろん、旅行に持ち出すのにズームレンズという選択肢は最適解。曼珠沙華が咲いているという知らせを聞き足を運んでみました。圧巻の風景に思わず目が花ばかりに向いてしまっていたので、帰り道にパシャリと撮影した一枚です。やや絞っているとはいえ広角端から隅までスッキリ写ります。
最短撮影距離は広角端でマニュアルフォーカス時0.24m、オートフォーカス時0.27mとなります。レンズ内手ブレ補正5.5段に「EOS R6 Mark II」との組み合わせであれば協調制御で最大7.5段分の補正を実現しており、ファインダーで覗いているときにその効果をすぐ実感することが出来ます。
広角端開放絞りで頭一つ飛び出ていた花を狙って撮影。ちょっとだけ意地悪く背景に赤の同色が乗るような感じに撮り、立体感が出るのかを見てみました。立体感はもちろんピント面もしっかりと解像しており、開放絞りのボケは想像していた以上に綺麗でした。
窓から射し込む光が綺麗だったので、あれこれズームで写る範囲を調整しながら撮りました。小型軽量F2.8通しのズームレンズというのが強みですが、とても良く写るレンズです。壁に映る影の絶妙なニュアンス。光をとても忠実に描いてくれます。
望遠端70mmでの開放絞りのカット。シダの葉脈を精細に描きます。ファーストカットで紹介しようかと思っていたくらいよく写っていました。『RF28-70mm F2.8 IS STM』の描写性能がよく分かる一枚です。
中間域でも安定した画質です。建造物やガラス面に反射する硬い光など様々な質感をしっかりと描写してくれています。
かなり暗い環境下での撮影でしたがオートフォーカスが狙い通りのタイミングでしっかりと合ってくれました。STM(ステッピングモーター)のオートフォーカスは静かでスナップ撮影に最適です。
真逆光での撮影。ゴーストは発生しましたが、嫌な感じがしないというか上品なゴーストです。そして今回の撮影ではレンズフード(別売り)は未装着のままの撮影。それでいてこのくらいしか出ないのなら、むしろ良く抑えられている、という印象です。
F値が明るいおかげで夜間の撮影でもISO感度を上げすぎることなく撮影できるのが嬉しいです。年々、カメラの性能が向上し高感度のノイズを心配する必要がなくなってきているとはいえ、シャッタースピードを確保したまま撮りたい場合などレンズが明るいことに越したことはありません。
小柄でも本格派
500g以下で手に入るF2.8通しのズームレンズというのはやはり魅力的です。沈胴構造のため使用時にはレンズを伸ばすところから始まります。とっさに撮りたいと思った時に意外とワンテンポ遅れたりすることがあったので撮影時は繰り出したままにしておきましたが長いと感じることもなく、しゃがんで撮ったり片手で撮ったり、軽快に撮影を楽しむことが出来ました。F2.8の明るさは確保しつつ、機材は軽く、撮影を楽しみたい方にピッタリのレンズだと思います。ぜひ一度体験してみてください。
Photo by MAP CAMERA Staff