Vlogや自撮りでも活躍する超広角ズームレンズ『Nikon NIKKOR Z DX 12-28mm F3.5-5.6 PZ VR』が本日発売になりました。APS-Cサイズ対応のNIKKOR Zレンズではこれまでなかった12mm（35mm換算18mm相当）までの超広角域をカバーします。その広い画角を活かした遠近感のある表現を得意としつつ、28mm（35mm換算42mm相当）では人間の視野に近い描写もできるので、幅広い用途に使えます。また映像制作に向いており、205gと軽くて画角が広く最短撮影距離がズーム全域で19cmと短いため、自撮りにおいても便利でしょう。NIKKOR Zレンズ初のリニア駆動のパワーズーム搭載で静音性にも優れることから、映像の中で滑らかにズーミングしていくといった描写もお手の物です。写真と動画を撮ってきましたので、どうぞご覧ください。

池の草むらからアオサギが出てきました。長い肢の上の方まで水に浸かっているので、冷えないのだろうかと要らぬ心配をしてしまいます。ゆっくりと進んでは、水の中の小魚をつつきます。じっと立っていることもありますがいつものんびりしていて、天敵はいないようです。

広い池を超広角で撮ります。天気が良く、写真からも気持ちのいい空気が伝わってくるようです。水面が鏡となって木々がきれいに映っていました。撮って出しですが反射すらも色が美しく、画面の端まで葉の一枚一枚や小さな虫が精細に写っており、その描写力に驚きます。

雰囲気を変えて、鉄骨が剥き出しになった天井です。一本一本が黒だけでも白だけでもなく、光と影から金属の質感が伝わってくるようです。超広角レンズは周辺部などに嫌な歪みが出ることがありますが、『NIKKOR Z DX 12-28mm F3.5-5.6 PZ VR』においては素直な描写で好感を持てます。

大階段を写してみると、面白い仕上がりになりました。写る階段が上からだったり横からだったりして、騙し絵を彷彿とさせます。超広角の極めて広い画角のおかげで面白い表現に出会うことがあります。

丁寧に磨かれた床にカメラを置いてレンズ側を少し持ち上げ、線対称に広がる世界を撮ります。向こうから人が歩いて来るのが見えたので、アクセントになる位置に来たタイミングに合わせてシャッターを切りました。

歩道を歩いていると、こちら側にある背の高い街路樹の影が車道を挟んだ向こう側の建物に映っているのを見つけました。歴史ある建物が土台となっているので陰影がより複雑になって魅力的です。後ろに引けない状況でも広く写すことができるので、背の高い信号機や青空も悠々と画角に入れることができました。

浅草や鎌倉といった古い街並みの観光地で着物の人をよく見かけますが、そのほとんどはレンタル着物の「観光客スタイル」です。でも中には日常的に着物を着ている人ももちろんいて、その違いは一目見れば明らかです。着物をいなせに着こなす後姿は、意外と楽そうに見えます。日本人はもっと着物を着ればいいのにと思います。

陽がだいぶ傾いてきたので、文字看板のちょうど後ろから照らすよう撮影位置を調整し、文字を際立たせて撮影しました。横にある木のシルエットや、広がる薄い雲の形状と空のグラデーションが美しいです。

心躍る超広角ズーム

クリアでヌケがよくシャープな描写のレンズです。高画質であることをニコンが最前面には押し出していなかったおかげで、先入観なしに撮影してみたところ、後から描写の良さに嬉しくなりました。また少し思いを巡らせると、あんな撮影もできる、こんな撮影もできるとアイデアが浮かんでくるような魅力があります。例えば最短撮影距離19cmと超広角12mmを組み合わせたダイナミックな構図の写真や、静かなパワーズームでズームインして被写体の心理を表現する動画といった具合です。軽量で防塵・防滴に配慮されているので、安心して軽々と携行することができます。高画質でワクワクさせてくれる超広角ズームです。ぜひお試しください。

Photo by MAP CAMERA Staff