926:コンパクト高倍率ズーム『Panasonic LUMIX S 28-200mm F4-7.1 MACRO O.I.S.』
2024年04月01日
LUMIX Sシリーズ初となる高倍率ズームレンズ『Panasonic LUMIX S 28-200mm F4-7.1 MACRO O.I.S.』が発表されました。広角28mmから望遠200mmまで幅広い焦点距離を1本でカバーする高倍率ズームレンズで、最大撮影倍率0.5倍のハーフマクロ撮影も可能(広角端時)です。フォーカシング時の画角が変化するブリージング現象を抑制、動画撮影にも使えます。「CP+2024」ですでに実物を触られた方も多いと思いますが、とにかく衝撃的だったのはそのサイズ感。高倍率ズームレンズながら「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」などの標準ズームレンズとほぼ同サイズ。「F1.8単焦点シリーズ」(Φ73.6mm×約82.0mm)ともほぼ変わらぬサイズでフィルター径は67mmで統一されています。約413gという軽さにボディと合わせて最大6.5段の高い手振れ補正効果を実現。「Panasonic LUMIX S 100mm F2.8 MACRO」だけでも衝撃的だったのに続けてこんなレンズが出てくるとは。やはり気になるのはその写り。高倍率でせっかく撮り幅が広がるので見慣れた街、初めての街どちらも歩いてみました。参考になれば幸いです。
中望遠域で絞りをF8まで絞り撮影したのですが、今どきの高倍率ズームレンズはここまで解像感あふれる描写をしてくれるとは驚きました。
車のオレンジカラーが良い差し色になっているのを見つけて、人影が重ならないタイミングで撮影しました。広角の広がりや望遠の圧縮効果だけでなく、その立ち位置でなくては撮れないものがあるので画角を調整できるズームレンズを持っていて良かったなと思う瞬間です。
135mmで撮影。望遠域だからこそ表現できる気持ちのいい直線がピシッと並びます。歩き慣れて見慣れた街並でも視点を変えればいくらでも切り撮り方があるのだと教えられました。
そこまで積極的に鳥を撮影しようというわけではなかったのですが、たまたまメジロに出会うことが出来たので撮影しました。散策しながら出会う小さなシャッターチャンスをパチパチと撮れていけるのは地味に嬉しいです。発色やコントラストが良いので撮って出しで満足できる仕上がりです。
同じポジションからズーム域の端から端の比較をしてみました。ここまで幅広くカバーが出来るので全体画からアップまで、子供の運動会などでも活躍が期待できます。
早春に咲くアセビという花、可愛らしい形をしていますが有毒植物だそうです。ワイド端&開放絞りで最短撮影距離まで寄らずの撮影ですが、まるで単焦点レンズで撮ったような立体感のある写りを見せてくれました。高倍率ズームレンズなのによく写る、なんていうのは昔の話ですが、このサイズでこの写りはやはり衝撃的です。寄りのときでも、オートフォーカスもキビキビと動いてくれました。
レンズ先端から約3cmまで被写体に迫れる最大撮影倍率0.5倍のハーフマクロ撮影が可能です。斜めからの角度だとレンズフードを外さないと寄りきれないほどなのでレンズフードを外しての撮影です。最短撮影距離でもこれだけピント面の解像感がしっかり出るのは驚きでした。
焦点距離100mmで撮影してみました。中間域でもシャープな解像感です。カメラのボディ内手ブレ補正と合わせれば最大6.5段の高い手振れ補正効果が得られるので室内など暗い場所での撮影も難なくこなせます。
広角端の開放絞りと少し絞ったときの影響を見てみました。シャッタースピードやポジションが違うので完全な検証とはいきませんが、背景のボケ感や周辺減光の違いは分かると思います。特に光が届かない壁側はパッと見で分かるほどの違いが現れました。
厚い雲に隠れていく夕陽。雲の立体感がちゃんと分かるのがすごいと思いました。少し絞るだけでこの時間帯でも周辺が減光していません。同クラスの高倍率ズームレンズと比べると望遠端がやや暗いというのも実際にはあまりデメリットとして感じることはありませんでした。
コンパクト高倍率ズーム
もう、普段使いはこのレンズ1本でいきましょう。そう思えてしまう素晴らしい高倍率ズームレンズでした。このレンズに加えて、明るい単焦点レンズを好きな画角を組み合わせて準備していれば万事OK。単焦点レンズの楽しさを語りたくなる気持ちはありますが、それでもこのレンズ1本をバッグに入れておきましょう。こんなにもコンパクトで、普段使いこそ単焦点レンズで撮りたいという方にも自信を持ってお勧めできるレンズです。
色んな形でおとずれるシャッターチャンスを撮りこぼしてしまうこともほぼなくなるはずです。フルサイズ用ズームレンズで手頃なレンズを探していた方にもとても魅力的な存在だと思います。つまりどのような方にもお勧めできるコンパクトな高倍率ズームレンズ、ぜひ一度手に取ってみてください。
Photo by MAP CAMERA Staff