ついにArt 50mmに『SIGMA Art 50mm F1.2 DG DN』が登場しました。無駄を削ぎ落したレンズ構成と機構設計により、F1.2の明るさでありながら約745gという小型軽量化を達成。せっかくのコンパクト設計なので今回は「fp L」に「ラージハンドグリップ HG-21」を付けて撮影にいってきました。ぜひご覧ください。
撮影日は一日曇りか雨の予報だったのですが、思いがけず晴れ間が見えてきました。とはいえ雲も多く陽が出たり隠れたり。少し物足りない光量の状況でどれくらい写るのかと撮影してみると、とても魅力的な作品を撮影することができました。想像を超える写りにとても驚きました。まさに「常識も期待も超える体験を」というキャッチコピーそのまま。別記事として「925:期待を超える体験『SIGMA Art 50mm F1.2 DG DN E-Mount』」も同日公開しておりますので、よろしければ合わせてご覧ください。
革の質感が非常に良く出ています。これで開放絞りの写りです。「50mm F1.2」という大口径レンズでありながらサイズはとてもコンパクト。ボディ・レンズ共に手振れ補正のない組み合わせでしたが、手ブレを気にせず撮影することができました。
ガラスを一枚隔てた写りとは思えない鮮鋭さ。このカットはマニュアルフォーカスとピント拡大機能と合わせて撮影しました。シグマのレンズはフォーカスリングの操作感がとても良く、緻密な調整が可能です。背景のボケもとても綺麗に出てくれました。
絞って中間域にピントを合わせ撮影してみました。絞るごとに周辺までだんだんと整っていきます。周辺減光はF1.8くらいから少しずつ変化していきます。周辺減光を抑えたいならF4以上に絞るのがオススメです。
最短撮影距離は40cmで席に座りながらの撮影も可能です。ピントが合う面はとても薄いですが最短撮影でもとても高い解像力です。
休憩を終えて店を出ようと思ったときに、さっきまで自分が座っていた椅子がとても良い光を受けているのを見て撮影しました。というよりこのレンズなら良い感じに写してくれる、という確信を持てたのが大きいです。E-MountのあとにこのL-Mountの撮影をしたのですが、短い付き合いながら分かってきたことがあります。それはこのレンズは物凄いよく写るということです。
このくらいの距離間でも被写体が浮きあがるような立体感が出ます。ポートレートはもちろん、日常のワンシーンさえドラマチックに演出してくれそうです。マウント別とはいえ2本撮影してみてフレアゴーストが出てくる状況があまりなかったので記念撮影的に選んでみました。
「fp」シリーズを使うといつも撮りたくなってしまう「21:9」アスペクト。フォーカスブリージングが抑制されたので、F1.2の描写を動画撮影でも楽しめます。カラーモード「シネマ」で撮ったあぜ道が、まさに映画の世界という感じで想像力を掻き立てられました。動画撮影にもぜひ。
Artライン最高レベルの描写力
「Art 50mm F1.4 DG DN」から進化した点としてレンズ1枚1枚を薄くすることで非球面レンズ・フォーカスレンズなどレンズ枚数を増やしたということです。17枚のレンズ構成でこのコンパクトさ、自社工場の技術の高さがあってこそ実現できたレンズということですが流石としか言いようがありません。ホールディングもしっかりとしており、心配していた手振れも気にすることもなく撮影できました。「50mm F1.2」のスペックを持つレンズはLマウントレンズのラインナップとしては初になるのでLアライアンスのパナソニックやライカのボディとの組み合わせを楽しみにしている方もいらっしゃると思います。Artライン最高レベルの描写力をぜひ体験してみてください。
Photo by MAP CAMERA Staff