
994:広角から超望遠まで『SIGMA Contemporary 16-300mm F3.5-6.7 DC OS L-Mount』
2025年04月24日

広角端16mmを達成した世界初の約18.8倍高倍率ズームレンズ『SIGMA Contemporary 16-300mm F3.5-6.7 DC OS』をご紹介いたします。35mm判換算で約24-450mmの焦点距離、広角から超望遠域までを撮れるだけでなく、最大撮影倍率1:2(焦点距離70mm時)のマクロ撮影までこなしてしまうオールマイティーな1本です。それでいて全長121.4mm、重さ615gと軽量・コンパクトなサイズ感。手ブレ補正効果は「手ブレ補正アルゴリズムOS2」を採用しワイド端で6段、テレ端で4.5段という高い補正効果を実現しているとのこと。ズームロックスイッチや防塵防滴構造・撥水防汚コートを採用していて、携行時のストレスも全くありません。14群20枚のレンズ構成にはFLDガラス1枚、SLDガラス4枚、非球面レンズ4枚と贅沢に使用しつつも、コストパフォーマンスにも優れたレンズです。広角24mmはすでに持っているという方は多いかと思いますが、450mm相当の望遠レンズとなると、かなり限られてくるのではないでしょうか。本来であれば付け替えで対応する焦点距離を、1本でカバー出来てしまうというのは想像以上に創造力を刺激するはず。今回は「fp L」と組み合わせて撮影してまいりました。グリップこそ付けましたが、小型×小型で一体感を感じる組み合わせ。ぜひご覧ください。

テレ端で撮影。前景・背景どちらも良いボケ感です。望遠域の圧縮効果もあって主役に見立てた花の立体感も良く、産毛のような細かなディテールまでしっかり描写されていて高倍率ズームレンズとは思えない写りです。

マクロ域での撮影ですが解像力はとても高く、一本一本の綿毛の繊維まで解像しています。そしてここで見ていただきたいのが、102mmの撮影で、最大倍率の70mmではないということです。タンポポの綿毛が見切れないように焦点距離を調整しながら撮影した結果、102mmでの最短撮影距離となりました。このカットでも充分に背景がボケていますが、背景にある緑の茎もさらに柔らかくボケます。つまりここまで寄れていながら、まだ寄れる余力があるということになるのですが、どちらかというと最大撮影倍率1:2にこだわらずとも接写性能が十分に高いということを伝えられたらと思います。手振れ補正効果がどんなに高くとも、しゃがんだり固定するに不十分な状態ではブレなく撮影することの難易度は上がってしまいます。最大撮影倍率にこだわらずとも、十分に寄れるレンズですので無理なく撮影を楽しめます。


観覧車を望遠域で切り取ってみました。色々な切り取り方が出来るので一つの被写体で写真を組んだりすることも出来ます。このカットもイメージとしては組み写真の中に挿したい1枚として撮りました。「パウダーブルー」の色味も相性ピッタリです。

テレ端で浅瀬を歩いている人を撮影しました。このカットだけ見たらどういう状況なのだろうという、疑問を抱かせる面白い一枚になりました。1本でできるバリエーションの豊富さに都度都度驚かされます。

ギュッと詰められた支柱、水面に反射する光。ドラマティックな光景がカラーモード「シネマ」にマッチするかと思い撮影しました。光線がしっかりと画として出てきてくれるか、橋梁のディテールがよく出てくれるか、などが今回のポイントでしたが見事にどちらの要望にも応えてくれました。

F11まで絞り込んでみたのですが、陰影の表現力がとても高く、アスファルトの僅かな凹凸も精細に描いてくれます。

日が暮れて薄明。眼前のテントの白が飛びすぎないよう、少しアンダー目に露出を振ってみました。十分とは言えない光量で、繊細なトーンを出してくれたので個人的にはお気に入りのカットです。カラーモードは「サンセットレッド」に設定しました。歪曲もなくすっきりと綺麗な直線が出ます。広角端ではやはり多少の周辺減光がありますが、絞れば気にならなくなります。

200mm相当の望遠域で撮影。海沿いを歩く(とは言っても圧縮効果でそう見えるだけで水辺までは結構距離があります)一組のシルエットにフォーカスを合わせました。ほぼ同じラインにいる他の被写体も、とてもシャープに写っています。望遠側では絞り値に関係なく周辺減光もないようです。カラーモードは同じく「サンセットレッド」。夕暮れのトーンを撮って出しで美しく表現してくれました。
広角から超望遠まで
1本でたくさんのものを色んな焦点距離で撮りたい、荷物は軽くしたい旅行などレンズ交換が面倒だったり困難なシーンでとても重宝するレンズです。この1本とお気に入りの単焦点レンズがあれば、あのシーンをこんな風に撮りたかった、という後悔をすることがなくなりそうです。画質の究極さをとことん求めるよりも、たくさんのシャッターチャンスに出会いたい方にとってこの上ないレンズとなっています。自分でも気づけなかった可能性が『SIGMA Contemporary 16-300mm F3.5-6.7 DC OS』で見つかるかもしれません。レンズ選びに悩んでいるならぜひこの1本から。
Photo by MAP CAMERA Staff