
1006:より壮大に、爽快に。『TAMRON 16-30mm F2.8 Di III VXD G2 E-Mount』
2025年07月31日
第2世代「G2」大三元シリーズを完成させる第3弾『TAMRON 16-30mm F2.8 Di III VXD G2』をご紹介します。この新しい超広角ズームレンズは、初代モデル「17-28mm F2.8 Di III RXD」からズーム域を16-30mmへと拡大させながら、クラス最高レベルの軽量・コンパクト設計と妥協のない高画質を両立させています。初代から同等のフィルター径Φ67mmというコンパクトさに加え、ズーミング時に長さの変わらないインナーズーム設計は、Vlogやジンバルでの撮影でも安定した操作性を実現。光学系には、ゴーストやフレアを抑制する「BBAR-G2コーティング」を施した12群16枚のレンズ構成を採用。AF駆動にはタムロン史上最高レベルの高速・高精度を誇るリニアモーターフォーカス機構「VXD」を搭載し、さらに星景撮影向けの「アストロフォーカスロック機能」も搭載されています。そして何より、このレンズの登場により、3本合わせても総重量約1.8kgという驚異的な携帯性を誇る第2世代「G2」大三元のラインアップが完成されました。ダイナミックな超広角撮影から旅先でのスナップまで、あらゆる感動を写し撮ってくれるこの1本を手に、早速撮影へ向かいました。ぜひ、ご覧ください。

ビルの中からバスが突き出している。そんな遊び心あふれるユニークな建物です。この面白さを最大限に伝えるため、建物だけでなく周囲の雰囲気まで広く写し込み、非日常的な光景が一目で分かるように構図を工夫しました。被写体とその周辺環境をまるごとダイナミックに捉えることができるのは、まさに16mmという超広角の画角があってこそ。このレンズの表現力の豊かさを実感した1枚です。

自分の視野を遥かに超え、目の前の風景をダイナミックに切り取る16mmの超広角。その開放感あふれる画角は、やはり爽快の一言です。この1枚でも、雲間から光が差し込み海面をキラキラと輝かせる繊細な光の様子まで、余すところなく描写できました。メーカー推奨の「カメラ内レンズ補正」機能をオンにして撮影しましたが、水平線を気持ちの良いほど一直線に描いてくれました。

ここは、かつて巨大な鍾乳洞の天井が崩落してできたのではないかという谷。その谷底から、光が射す空を見上げるように撮影した1枚です。ゴツゴツとした岩肌、生い茂る木々、そして光を求めるように垂れ下がる無数の細い根に至るまで、画面中央部のディテールを驚くほど高い解像力で捉えてくれました。

洞窟の中。洞窟の入り口から差し込む光が岩肌の凹凸を際立たせ、複雑な形状と質感が浮かび上がっています。岩のザラザラとした質感など暗い環境での撮影にもかかわらず、非常にシャープな写りです。1/30のシャッタースピードでも手ブレすることなく撮影できました。

ズーム域24mm。ハイビスカスと青空とのバランスがちょうどいい画角を探しながら撮影しました。ハイビスカスのピンクや葉の緑、青空や雲など「色」の鮮やかさが非常に気に入りました。花びらの繊細な質感、開放絞りの自然な奥行感と立体感もお気に入りのポイントの一つです。

最短撮影距離は広角端で0.19m、望遠端で0.3mとテーブルフォトでも活躍。今回は広角側の最短付近でタコライスを撮影しました。ピントは中央のオレンジ色のチーズと、その上にかかった白いソース。ピント面は非常にシャープで、チーズの質感やパセリのディテールまで鮮明に写っています。奥の木製の器のボケも滑らかで美しいです。窓際の席というわけでもなく、十分な光量は得られていない気がしたので、想像以上の写りに驚いてしまいました。

この1枚は、レンズの望遠端30mm・開放絞りで撮影しました。被写体のシーサーとは程よく距離がありましたが、「主役にピントを合わせ、背景をぼかして立体感を表現できるか」というのが、このカットを撮った目的でした。結果として、その狙いは見事に達成できたのではないかと満足しています。もちろん「28-75mm F2.8 G2」や「70-180mm F2.8 G2」といったレンズを使えば、さらに印象的なカットも撮れると思いますが、レンズ交換が難しい状況や、手軽に撮影したい場面もあります。そういう時に、このレンズがしっかり狙い通りの1枚を撮らせてくれると分かりとても嬉しくなりました。超広角の風景から、このような被写体を切り取るカットまでを1本でこなせるので非常におすすめしやすいレンズです。

目の前に広がるのは、全長8mを超え飼育年数も満30年を迎えるというジンベエザメが泳ぐ巨大な水槽。画面の端から端まで水槽が収まるように焦点距離を調整し、その壮大なスケール感を表現しました。様々な種類の魚たちや観客のシルエットまで、すべてがシャープに写っています。しっかりと保たれた水平、そして差し込む光によって生まれる多彩な「青」のグラデーションもイメージ通りに表現でき、非常に満足のいく1枚になりました。画面左からまさに現れようとしているジンベエザメ、これから目の前を悠々と横切っていくその姿は神秘的で圧倒的です。その感動は、ぜひ現地で体感してみてください。


まさに異国情緒、という言葉がぴったりの1枚です。赤と黄色の壁が交わる角を中心に、レンズの広角端で撮影しました。左の通路と右の階段、どちらにも深い奥行き感が生まれたのは超広角の画角ならではの表現力です。ザラザラとした壁の質感や石の階段の重厚感まで、ディテールも非常にシャープに写してくれました。

夜景撮影において、絞り開放にもかかわらず、建物の装飾や看板の文字までシャープに描写する性能に驚かされました。『TAMRON 16-30mm F2.8 Di III VXD G2』は、まさに朝から夜まで1日中撮影を楽しめるレンズです。大切な思い出を余すことなく、そして目の前の景色を想像以上に広く写し撮りたい。そんな方にぜひおすすめしたい1本です。
より壮大に、爽快に。
広角端が1mm広い16mmになったことで、よりダイナミックな景色を撮影できるようになった『TAMRON 16-30mm F2.8 Di III VXD G2』。たった1mmの違いですがその恩恵は絶大で、初代モデル「17-28mm F2.8 Di III RXD」から買い替える価値は十分にあると断言できます。また、望遠端が30mmまで伸びた2mmの違いも、1本で多彩なシーンを撮りたいユーザーにとっては、非常に大きな進化点だと感じました。
より壮大に、より爽快に。大三元の1本として万全の体制で臨むも良し。このレンズだけでフットワーク軽く旅を楽しむも良し。あるいは、信頼できるサブレンズとして携行するも良し。「このレンズがあって良かった」と心から思う瞬間が、きっと訪れるはずです。目の前の感動をそのままに、あるいは想像以上に写し撮るために。ぜひ、使っていただきたい1本です。
Photo by MAP CAMERA Staff