『Leica X2』がついに発表となりました。APSCサイズの映像素子を搭載しつつ、シンプルかつコンパクトな意匠をまとった先代『X1』は印象の強いカメラでしたが、その2代目『X2』はスペック上では画素数のアップやEVFファインダー搭載等の改良が加えられ、よりブラッシュアップされた印象です。
外装もマットなブラック仕上げ、新しいシルバーフィニッシュとも高級感があり、細かい部分まで高い質感を持って仕上げられているのはさすがライカ、という所です。コンパクトながら適度な重みと剛性感は撮影していても頼もしく、「撮る気にさせる」カメラに仕上がっています。
ではその描写は?ご覧頂ければと思います。このモノクロームのリッチなトーン。今回はすべてJPGでの撮影ですが、この仕上がりは驚きです。
こちらは設定を「Vivid」にして撮影。水面の質感、水底の石の細かな反射まで実に美しく表現してくれています。
暗部から明部に至るトーンの表現も、ずいぶん余裕が感じられる再現です。この余裕がモノクロームの撮影でもかなり効いているのは間違いないでしょう。
「標準」設定での撮影だと、色再現も驚くほど渋く、独特なトーンが得られます。ずいぶん「大人」な画作りで、派手さはあまりありませんが、じっくりと深みを持たせた印象。レンズの『Elmarit 24mm/f2.8』もピント面の立ちが良く、中距離でも被写体の立体感はしっかり得られます。
撮影していて感じたのはAFスピードの素早さです。振り向いた時、すれ違いざま、街中でのシャッターチャンスはどこにあるか分かりません。その一瞬の煌めきのようなチャンスを捉えるのに、フォーカスの素早さは何より大きい要素を担っています。ノーファインダーでさっと撮影しても、かなりの確率でしっかり合焦していた事は何よりの驚き。気持ちにそって思うままに撮影が楽しめる、シンプルなX2の操作系とあいまって、フラストレーションの無い撮影が楽しめます。
トーン再現のテスト・チャートの様ですが、細かい葉脈から木漏れ日の柔らかいトーンまで、しっかりです。
こんな時、フォーカスが迷っていては台無しです。X2は撮影者の思いにしっかりとついてきてくれました。
近接撮影ではアウトフォーカス部の滲んだようなボケが大変美しく、被写体を彩ってくれています。フォーカスの迷いも少なく、安心して撮影ができました。
ドレスの細かなドレープ、装飾を見るだけで、このカメラのポテンシャルの高さを実感していただけると思います。元データを半分に縮小してもこの解像感、それでいて神経質さの感じさせない再現、素晴らしいものです。
新設のEVFファインダーは日差しの強いシチュエーションでも活躍します。背面液晶が見にくい時もアングルをしっかり決めて撮影できるのはありがたいもの、近接時の撮影でもおすすめです!
次回レポートではハイコントラスト・モノクロームなどでのカットを交え、公開を予定しています。
Photo by MAP CAMERA Staff