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LEICA Q2 モノクローム

2020年11月25日

絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/1250秒 / ISO:100 / 使用機材:Leica Q2 モノクローム

 

子供の頃、写真とはなんて不思議なものなんだと思った記憶がある。その時の光景を複写したように写し出し、印画紙の中にいる自分は笑顔や泣き顔のままずっとそこに居る。その時に「写真って面白いな」と初めて思ったのかもしれない。

写真はデータとスマートフォンが主流となった現代。奇抜な色彩とシャープネスを極端に上げたデジタル写真から一周して、今はフィルムライクな画作りやフィルムカメラで撮影した写真の方が好まれる時代になった。SNSの影響もあってか写真にも短期的な流行が生まれ、ファッションや音楽のように輪廻を繰り返して行くのだなと客観的に思ってしまうが、フレア混じりの淡い色彩やピントが曖昧なモノクロームをエモーショナルと感じ取る若い感性には、少し羨ましさを感じてしまう。

そんな私の手元に来たのが『Leica (ライカ) Q2 モノクローム』だ。今までM型デジタル機にモノクロームセンサーを搭載した機種が出ていたが、まさかQシリーズにも展開してくるとは思ってもいなかったというのが本音である。優秀な手ブレ補正などはそのままに、評判の良い4730万画素センサーからカラーフィルターを取り除いて製品化してしまうのだからライカというメーカーには恐れ入る。そしてそのようなカメラに目を輝かせてしまうライカユーザーが多いのも事実で、何よりも「写真」を第一に考えてカメラを作るライカの信念にロックスターの様な格好良さを感じてしまうのだ。  

絞り:F11 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:100 / 使用機材:Leica Q2 モノクローム

 

黒と白でしか表現できないデジタル機に最初は戸惑うかもしれないが、要は「モノクロフィルムを入れたカメラ」と同じということ。理屈よりも感覚の方がすぐに慣れてくることに気づくはずだ。光の向き、影の出方、何を起こして何を見せるのか。脳のスイッチが切り替わり、構図を思い浮かべた瞬間に目の前の世界がモノクロームに変化する。色が無いことで新たに生まれる想像力。久しく色のある写真ばかり撮っていた私にとっては新鮮で懐かしく、使っていて心地いいカメラだ。

 

絞り:F8 / シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:800 / 使用機材:Leica Q2 モノクローム

 

28mm単焦点でモノクロしか撮れない。『Leica (ライカ) Q2 モノクローム』を知らないとネガティブに捉える方もいるかもしれないが、ボタン一つで28mm、35mm、50mm、75mmと焦点距離とブライトフレームを変えることができる。これはクロップ機能を応用したものだが、普段M型を使用している者にとっては物凄く使いやすいはずだ。このカモメが飛ぶ写真は実は75mmクロップで撮影したもので、撮影画像をカメラ内で約1/4に切り取った写真である。横幅が4690pxもあり、十分クオリティを保ったまま作品を仕上げることができる優れた機能だ。

 

絞り:F1.7 / シャッタースピード:1/50秒 / ISO:100 / 使用機材:Leica Q2 モノクローム

 

 

絞り:F4.5 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:400 / 使用機材:Leica Q2 モノクローム

 

 

絞り:F8 / シャッタースピード:1/40秒 / ISO:400 / 使用機材:Leica Q2 モノクローム

 

色とりどりに変わる四季の色彩をこのカメラで表現することはできないが、その余韻や痕跡を写し出し、より印象的に撮ることができるのが『Leica (ライカ) Q2 モノクローム』だ。普段は通り過ぎてしまう様な何気ない景色も、このカメラを持って歩くと少し違って見えてくる。

 

絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:100 / 使用機材:Leica Q2 モノクローム

 

昔は祝い事でも無いときに着物姿を見つける事が難しかった記憶がある。街は人と共に変わって行く。変わって行くことに少しの寂しさは否めないが賑わいと発展を見せる街並みに楽しみも感じている。少し絞るとキリッと締まる黒のシルエットが一目で気持ちいい。28mmはとっさに目に入った瞬間を余情たっぷりに写し出す。これは35mmにも50mmにも出来ないことで、本機がこの焦点距離を採用した理由がわかる。

 

絞り:F8.0 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:100 / 使用機材:Leica Q2 モノクローム

 

 

絞り:F7.1 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:100 / 使用機材:Leica Q2 モノクローム

 

 

絞り:F1.7 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:100 / 使用機材:Leica Q2 モノクローム

 

モノクロームに「色」がないというのは少し違う。このカメラは白と黒の中間にあるグレートーンが多彩な色を持っているのだということを改めて教えてくれる。 M型にはない『ズミルックス 28mm F1.7 ASPH.』というレンズは開放絞りとは思えないシャープさと、その場の雰囲気を壊す事なく伝える優しいボケ味。ずっとこの世界に浸っていたくなる写りだ。

 

 

 

光と戯れ、影と遊ぶ。

以前『Leica (ライカ) Q2』をKasyapa for Leicaにて撮影をしたが、ベースが同じながら『Leica (ライカ) Q2 モノクローム』は別のカメラという印象を受けた。もちろん操作感や手に馴染む感触は全く一緒ではあるのだが、撮影している時の被写体との向き合い方が違うと言えばいいのかもしれない。見たままではなく、より写真の印象を意識して撮影するようになるカメラなのである。これはMモノクローム系で撮っている時と非常によく似ており、色が無いことでより光や影を捉える感覚が研ぎ澄まされていくのが分かる。使い倒された言葉かもしれないが「最高のスナップシューター」という例えがぴったりのカメラだ。

現代のデジタルカメラで当たり前となった便利な機能や画像エフェクトの数々。今それらを一度忘れてみると新しい発見があるのかもしれない。私が撮る写真にエモーショナルな要素があるかは定かでは無いが『Leica (ライカ) Q2 モノクローム』を使用して、写真って面白いと感じたあの頃を少し思い出した。古いようで新しいデジタルセンサーで写すモノクローム世界には、豊かな表現に満ちた写真世界が広がっている。

 

Photo by MAP CAMERA Staff

 

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