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LEICA SL (Typ601)

2015年11月24日

Leica (ライカ) SL(Typ601) 焦点距離:25mm/ 絞り:F3.5/ シャッタースピード:1/640秒/ ISO:100/ 使用機材:Leica (ライカ) SL(Typ601) + バリオエルマリート SL24-90mm F2.8-4 ASPH.

Leica (ライカ) SL(Typ601)
ライカSL発表の衝撃から1ヶ月。フィルム機のSLを彷彿とさせるような一眼スタイルとその名称に多くのライカファンが釘付けとなったと思います。ライカのカテゴリーとしてはM型とS型の間を担う存在として登場したライカSL。公式アナウンスでもプロフェッショナル機と説明するように今までのライカ新商品とは少し違う気迫を感じる機種です。今回のKasyapaでは発売を目前に控えたLeica (ライカ) SL(Typ601)をご紹介します。

ライカSLに搭載されているイメージセンサーは2400万画素の35mmフルサイズCMOSセンサーです。スペックからするとM(Typ240)やQ(Typ116)と同等スペックですが、発表会時にライカ担当者へ伺ったところ「Qのセンサーとは違うものと聞いている」という話を聞きました。そしてレンズはSL用に専用設計されたバリオエルマリート SL24-90mm F2.8-4 ASPH.。手ブレ補正機構も内臓する本レンズは絞り開放からスキを感じさせない高性能ズームレンズです。

Leica (ライカ) SL(Typ601) 焦点距離:24mm/ 絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/50秒/ ISO:400/ 使用機材:Leica (ライカ) SL(Typ601) + バリオエルマリート SL24-90mm F2.8-4 ASPH.

撮影して驚いたのが階調表現の豊かさ。まるで中判カメラで撮影したようなダイナミックレンジの広い色彩とコントラストを表し、フォーカス部は緻密なまでに描写をしています。レンズもいいですね、ズームレンズとは思えない描写力で被写体を立体的に写し出してくれます。

Leica (ライカ) SL(Typ601) 焦点距離:90mm/ 絞り:F4/ シャッタースピード:1/80秒/ ISO:400/ 使用機材:Leica (ライカ) SL(Typ601) + バリオエルマリート SL24-90mm F2.8-4 ASPH.

Leica (ライカ) SL(Typ601) 焦点距離:39mm/ 絞り:F3.4/ シャッタースピード:1/800秒/ ISO:800/ 使用機材:Leica (ライカ) SL(Typ601) + バリオエルマリート SL24-90mm F2.8-4 ASPH.

ライカSLで是非試していただきたい表現としてモノクロームがあります。今の時代にモノクロ専用のデジタル機『Leica (ライカ) Mモノクローム』を発売するなど、ライカにとってモノクロームはアイデンティティの一つであり、モノクローム写真によってブランドが作られたと言っても過言ではありません。 本機によって写し出す階調豊かな色彩表現は、モノクロームでの表現にした時に他のカメラとは一線を画する表情を見せてくれます。

Leica (ライカ) SL(Typ601) 焦点距離:90mm/ 絞り:F4/ シャッタースピード:1/1000秒/ ISO:100/ 使用機材:Leica (ライカ) SL(Typ601) + バリオエルマリート SL24-90mm F2.8-4 ASPH.

Leica (ライカ) SL(Typ601) 焦点距離:40mm/ 絞り:5.6/ シャッタースピード:1/160秒/ ISO:100/ 使用機材:Leica (ライカ) SL(Typ601) + バリオエルマリート SL24-90mm F2.8-4 ASPH.

Leica(ライカ)SL (Typ601)

プロが使用する機材として昔から求められてきたのがファインダー・連写/速射性・ボディの堅牢性がなど例として上げられると思いますが、今回のライカSLはプロシェッショナル機を謳う理由としてその3点に最新技術を投入してきました。

まずファインダーは専用に開発された440万ドットのEyeResファインダーを装備。S型ような大型の円形アイピースを覗くと今までの電子ビューファインダーのイメージを覆すようなクリアで高解像な世界が広がります。ボディの作りはライカTと同様に無垢のアルミニウム材から削り出して作られた贅沢な作りで、手に持つとしっかりとした剛性感を感じることができます。また過酷な環境下での使用も想定されて作られており、防塵防滴性に優れている点も見逃せません。そして驚きなのが2400万画素のRAWで秒間11コマ・最高33枚を実現した連写性能。他社のフラッグシップ機が1000万画素代に対し、撮影後の加工処理など大きなアドバンテージとなることでしょう。

また、ライカSLは本格的な4K動画撮影と内部記録ができるカメラになっています。一般的には浸透していませんがライカのシネレンズはハリウッドの大作などに多く使われています。4Kでは24〜30fpsで収録が可能で、HD動画に関しては最大120fpsのフレームレートで撮影することができます。

今までライカというメーカーに対しM型のイメージが強く、デジタル技術は国産機の方が上なのではと思っていたのですが、このライカSLは最新装備に身を固めた正真正銘の『プロフェッショナル機』と呼べるカメラとして完成しています。

Leica (ライカ) SL(Typ601) 焦点距離:32mm/ 絞り:F3/ シャッタースピード:1/100秒/ ISO:400/ 使用機材:Leica (ライカ) SL(Typ601) + バリオエルマリート SL24-90mm F2.8-4 ASPH.

Leica (ライカ) SL(Typ601) 焦点距離:90mm/ 絞り:F4/ シャッタースピード:1/40秒/ ISO:1600/ 使用機材:Leica (ライカ) SL(Typ601) + バリオエルマリート SL24-90mm F2.8-4 ASPH.

本機の最高常用感度はISO50000まで設定することが可能です。薄暗い室内でISO1600まで上げましたが、全くノイズを感じることのない滑らかな写り味。今やISO1600は高感度と呼ぶ数値ではないのかもしれません。

Leica (ライカ) SL(Typ601) 焦点距離:24mm/ 絞り:F4/ シャッタースピード:1/100秒/ ISO:800/ 使用機材:Leica (ライカ) SL(Typ601) + バリオエルマリート SL24-90mm F2.8-4 ASPH.

Leica (ライカ) SL(Typ601) 焦点距離:90mm/ 絞り:F4/ シャッタースピード:1/125秒/ ISO:800/ 使用機材:Leica (ライカ) SL(Typ601) + バリオエルマリート SL24-90mm F2.8-4 ASPH.

『バリオエルマリート SL24-90mm F2.8-4 ASPH.』はズームレンズとは思えない描写を見せてくれます。F値が変わるレンズにしてはかなりの大柄でずっしりと重いですが、その分描写性能は折紙付で標準ズームレンズの中でも最高峰と呼べる解像感と美しいボケ味を併せ持っているレンズです。近接撮影の性能も高くワイド端では最短0.3mから、この撮影時のテレ端では0.45mから撮影が可能です。3.5段分の手ブレ補正機構も相まってクリスマスリーフを高解像で美しく撮影できました。

Leica (ライカ) SL(Typ601) 焦点距離:90mm/ 絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/8000秒/ ISO:800/ 使用機材:Leica (ライカ) SL(Typ601) + バリオエルマリート SL24-90mm F2.8-4 ASPH.

激しく流れる雲も立体的かつ躍動的に写し出してくれました。ハイライトとシャドウが混じり合う微妙なトーンの変化もライカSLは見事に表現してくれました。

Leica (ライカ) SL(Typ601) 焦点距離:24mm/ 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/250秒/ ISO:400/ 使用機材:Leica (ライカ) SL(Typ601) + バリオエルマリート SL24-90mm F2.8-4 ASPH

Leica (ライカ) SL(Typ601) 焦点距離:58mm/ 絞り:F4/ シャッタースピード:1/320秒/ ISO:12500/ 使用機材:Leica (ライカ) SL(Typ601) + バリオエルマリート SL24-90mm F2.8-4 ASPH.

今回の撮影で試した最高の感度ISO12500で大きなクリスマスツリーを撮影しました。拡大してノイズを探せば多少目につきますが、立体感が全く損なわれていない描写に驚いてしまいました。高感度が強いカメラといえどノイズリダクションの具合で色がのっぺりとしてしまったり、不自然な輪郭線が出たりするのですが、本機はディテール重視の味付けにしているためか、ノイズは乗るものの被写体の細部まで確認することができます。またこの粒子のように出るノイズはモノクロームにした時に作品に活かせる味付けになるかもしれません。

Leica (ライカ) SL(Typ601)

グレードとしてM型とS型の間に入るライカSL。背丈はちょうど中間といった感じです。3台並べて目を引くのは『バリオエルマリート SL24-90mm F2.8-4 ASPH.』のレンズの大きさ。中判カメラレンズのような大きさがありますが、これはレンズ描写にこだわった結果なのでしょう。ドイツプロダクトらしい堅牢で妥協しないものづくりの姿勢を感じるライカSLはプロフェッショル機としての実力と風格を併せ持つカメラです。

Leica (ライカ) SL(Typ601)

SDカードのスロットは2箇所。そのうちスロット1はUHS-IIに対応しており、最大書き込み速度:100MB/秒の高速転送を可能にしています。

Leica (ライカ) SL(Typ601)

マウント形状はライカTと同様の『ライカLマウント』を採用。そのままライカTのレンズを装着してAPS-Cサイズで撮影も可能ですが、マウントアダプターを介せば既存のライカMマウントレンズをそのまま使用することができます。写真は『ノクティルックス M50mm F0.95 ASPH.』との組み合わせ。M型ボディでは大きく感じたレンズでもライカSLと合わせると重量バランスがとても良く、シビアなピント合わせも電子ビューファインダーで正確に行うことができます。

Leica (ライカ) SL(Typ601)

こちらはライカの一眼レフ用レンズだったライカRマウントレンズ『ズミルックス R80mm F1.4 ROM』をマウントアダプターで繋げた組み合わせ。当初ライカSLの噂が出始めた頃は「ライカRマウントのデジタル機では?」とも言われていました。実際にレンズを装着してみるとベストマッチと言えるバランスの良さとピントの合わせやすさに驚きました。レンジファインダー用レンズとは違い、最短距離も短いので『一眼カメラ』として違和感なく使用できます。また、Rマウントのレンズは単焦点の望遠レンズやズームレンズのラインナップも豊富にありますので、すぐに撮影の幅を広げられるレンズになると思います。ライカSLはRレンズをお持ちの方にとって救世主とも言えるボディになるかもしれません。

Leica (ライカ) SL(Typ601)

実際にライカSLを使用してみて、今までのライカのイメージを覆す大作が完成したという印象を受けました。フィルムより続くM型は完成されたカメラではありますが、クライアントの要望に応える撮影シーンやネイチャー・スポーツ・ドキュメンタリー・ポートレートなど様々なシチュエーションにプロが仕事ベースで対応できるカメラかというと、一眼レフのようなシステムの方が使いやすいと思います。とは言ったものの、ライカレンズの持つ描写は他にはない魅力があるのも事実。今回登場したライカSLはその代え難い2つを兼ね備えたカメラと呼べる存在です。昨年100年の歴史を迎えたライカが登場させた『Leica (ライカ) SL(Typ601)』。これからの新たな歴史を作るのにふさわしい一台だと思いました。

Photo by MAP CAMERA Staff

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