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LEICA SL2-S

2021年01月20日

 

絞り:F4 / シャッタースピード:1/800秒 / ISO:100 / 使用機材:Leica SL2-S + バリオ・エルマリート SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH.

 

現代のトレンド。いや、世の中のスタンダードと呼べる今のカメラは、スチルもムービーもこなせるミラーレスカメラと言っても過言ではない。伝統のM型レンジファインダー機を作り続けるライカであるが、一方で最新のデジタルテクノロジーとドイツプロダクトを融合させたSLシリーズも、ここ最近ではブランドイメージを牽引する存在感が際立ってきたのも事実だろう。高画素で高画質を謳う『ライカ SL2』に対し、多種多様なニーズに応えるためライカが送り出してきた新しいSLシリーズが昨年12月に発売された。それが今回ご紹介する『ライカ SL2-S』である。

大きなトピックとして新開発された2400万画素の裏面照射型CMOSがある。4700万画素の『ライカ SL2』と比べると、どうしても数値で優劣を付けがちだが、本機は決してSL2の廉価版ではない。広いダイナミックレンジと優れた高感度耐性を併せ持ち、画像処理エンジン「LEICA MAESTRO III」の高速処理によってRAW形式のまま毎秒最大25コマの高速連写が可能なのだ。

以前オンラインで行われた発表会では『ライカ SL2-S』の“S”は”Speed(速さ)”や”Sensitivity(感度)”などと考えてもらえれば、と写真関連製品のグローバルディレクターを務めるステファン・ダニエル氏が語っていた。その性能の片鱗をこの記事から感じていただけたら幸いである。

 

絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:100 / 使用機材:Leica SL2-S + バリオ・エルマリート SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH.

 

ビルに描かれた大きな鯛の絵が印象的で、思わずシャッターを切った一枚。魚拓のように見事な魚体のディテールもさることながら、タイルの一枚一枚まで描く『ライカ SL2-S』の解像性能にも驚いてしまった。今やスタンダードモデルでは一般的なスペックとなった2400万画素センサーではあるが、ライカ共通のアイデンティティである「イメージセンサー前のカバーガラスを薄く設計している」ことが寄与してなのか、ここまで解像感を感じる画を出してくれる2400万画素機はなかなか無い。

 

絞り:F7.1 / シャッタースピード:1/400秒 / ISO:100 / 使用機材:Leica SL2-S + バリオ・エルマリート SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH.

 

 

絞り:F5 / シャッタースピード:1/400秒 / ISO:100 / 使用機材:Leica SL2-S + バリオ・エルマリート SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH.

 

「いいカメラ」の基準の一つに、光をどのように捉えてくれるかが重要だと感じている。午後になると途端に斜光がキツくなる冬の季節、写真のようなシチュエーションではハイライトかシャドウのどちらかが潰れる覚悟がいることだろう。では『ライカ SL2-S』はどうだろうか。光を正面から受けた壁面は白トビせずに残り、柱の影は豊かなグレートーンの中にディテールが浮かび上がっているのがわかる。この優れたダイナミックレンジ性能はスチル撮影だけでなく、ムービーを撮る際にも大きな恩恵があるはずだ。

 

絞り:F5 / シャッタースピード:1/3200秒 / ISO:400 / 使用機材:Leica SL2-S + バリオ・エルマリート SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH.

 

 

絞り:F4.5 / シャッタースピード:1/640秒 / ISO:200 / 使用機材:Leica SL2-S + バリオ・エルマリート SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH.

 

 

絞り:F4.5 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:400 / 使用機材:Leica SL2-S + バリオ・エルマリート SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH.

 

撮影していて感じたのがアンダーで撮影した際のトーンの豊かさと美しさ。言葉で表現するのが非常に難しいのだが、黒になるギリギリまで露出を攻められるカメラだと感じる。

 

絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:400 / 使用機材:Leica SL2-S + バリオ・エルマリート SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH.

 

 

絞り:F9 / シャッタースピード:1/1250秒 / ISO:100 / 使用機材:Leica SL2-S + バリオ・エルマリート SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH.

 

 

絞り:F11 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:1600 / 使用機材:Leica SL2-S + バリオ・エルマリート SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH.

 

 

絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:200 / 使用機材:Leica SL2-S + バリオ・エルマリート SL24-90mm F2.8-4.0 ASPH.

 

斜光や寒さなど写真撮影にはなかなか厳しい季節ではあるが、夕景で言えば一年の中でも別格に美しい時期だ。ひんやりと手に伝わる無垢の金属から削り出されたボディの冷たさは真の道具である証。性能と堅牢性を兼ね備えた『ライカ SL2-S』は、どこにでも連れて行ける良きパートナーとなってくれるはずだ。

 


 

 

もう一つのマスターピース

今回『ライカ SL2-S』を使用してみて、SLシリーズが目指す方向性がより明確に見えた気がする。M型で言えば、レンジファインダーとマニュアル操作を揺るがないコンセプトとして持ち、世代を超えて愛される道具としての存在。では、SLシリーズは「最新のミラーレス一眼カメラ」というまとめ方だけでは言葉も魅力も物足りない。言うならば、どんな被写体、どんなシチュエーションでもライカレンズの描写で確実に写真を残せる、究極の汎用性を持ったライカと言ったところか。

良いカメラとは何なのか、それは高スペックだから自分を満たしてくれるものとは限らない。思い通りに写真が撮れる。思っている以上の画を出してくれる。使っていて楽しい。持っているだけで満足できる。『ライカ SL2-S』は数値だけでは分からない、非常に付加価値の高いカメラだと感じた。M型ライカは愛用する写真家からマスターピースと言われているが、『ライカ SL2-S』はもう一つのマスターピースと呼ぶのにふさわしい現代の傑作機だと感じた。

 

Photo by MAP CAMERA Staff

  

▼ SL2-Sによる4K動画のレビューも公開中です

『Leica SL2-S』 4K実写レビュー

 

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