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LEICA Elmar L3.5cm F3.5(最初期・ヘビーカム)

2021年02月21日

絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:100 / 使用機材:LEICA M10-P + Elmar L3.5cm F3.5(最初期・ヘビーカム)

 

ライカの歴史と共に、その時代を写して来たエルマー。沈胴50mmがエルマーのイメージとして強いですが、戦前から戦後にかけて広角35mmのエルマーが存在していました。今回はその35mmをご紹介するのですが、その中でも最初期、1930年頃に生産された貴重な一本『エルマー L3.5cm F3.5』通称ヘビーカムと呼ばれているレンズになります。

はじめに断っておきますと、このエルマーはピントリングが全周タイプのため、M型への装着すると無限遠ロックのピンがM/Lリングに干渉してしまい撮影が不可能になってしまいます。そこでロックを解除した状態でM/Lリングを装着し、無限遠まで回せない状態で撮影を行いました。少し裏技のような使い方ではありますが、ライカの黎明期に誕生したレンズの描写をお楽しみいただければと思います。

 

絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/350秒 / ISO:200 / 使用機材:LEICA M10-P + Elmar L3.5cm F3.5(最初期・ヘビーカム)

 

エルマーはシャープ。という言葉はいつもどこかで聞く言葉ですが、何度も使う機会の中で思うのはやはり「シャープだな」でした。しかしそのキリッとした画の中にある雰囲気の柔らかさも好きな理由の一つです。

 

絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:100 / 使用機材:LEICA M10-P + Elmar L3.5cm F3.5(最初期・ヘビーカム)

 

オールドレンズはどれも個体の差こそありますが、どのようなフレアが出るのか撮影してみるまで分からない楽しみがあります。強い光がレンズの中に現れる虹色のリングはレンズ性能としてはネガティブなイメージかもしれませんが、写真にとっては彩と印象を与えてくれる魅力的なもの。この写真ではフレアに金属質の硬めな線と彩度抑えめの周辺減光が加わり、見ているとなんだか不思議な気持ちになってきます。これは現代のレンズでは絶対に描けない描写です。

 

絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/80秒 / ISO:100 / 使用機材:LEICA M10-P + Elmar L3.5cm F3.5(最初期・ヘビーカム)

 

この樹々の隙間から漏れる光の筋。もっと盛大に漏れている時は割とよく写るのですが、これだけだとなかなか思い通りには写らない光です。レンズの力量が試されるシチュエーションですが、結果はお見事。しっかりと光を捉えてくれました。

 

絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/750秒 / ISO:100 / 使用機材:LEICA M10-P + Elmar L3.5cm F3.5(最初期・ヘビーカム)

 

どんどんと高度を落としてくる西陽。中央の柱にかかる光の角度が最高のタイミングに運良く立ち会えました。F3.5と決して明るくはないレンズですが、だからこそ開放絞りからスッキリとした良い画を写してくれます。この周辺減光をしながら解像や色が少しずつ弛んでいく感じがこのレンズの「良いところ」だと感じました。

 

絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:100 / 使用機材:LEICA M10-P + Elmar L3.5cm F3.5(最初期・ヘビーカム)

 

逆光のシチュエーションを捉えて気づいたのはシャープながら優しいコントラストで深みのあるグレートーン。しかし人物の影と街路樹の影のトーンの違いが描かれ分けられていて、しっかり仕事をこなしてくれます。。

 

絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:200 / 使用機材:LEICA M10-P + Elmar L3.5cm F3.5(最初期・ヘビーカム)

 

シンプルに日差しを浴びた鉄製の扉を撮ってみました。やはり影のトーンの繋がりが心地よいのですが、何より中央の一本線のシャープな解像感が素晴らしいです。

 

絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:200 / 使用機材:LEICA M10-P + Elmar L3.5cm F3.5(最初期・ヘビーカム)

 

あくまで自然光での環境ではありますが余分な光を遮断して撮影すれば中央の花瓶の立体感を出しつつも、これだけビシッと引き締まった画を撮ることが可能でした。現代ではオールドレンズというジャンルにはなりますが、当時は多くの写真家が愛用したエルマー。その写りは時を経た今もなお色褪せることはないでしょう。

 

絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/1500秒 / ISO:200 / 使用機材:LEICA M10-P + Elmar L3.5cm F3.5(最初期・ヘビーカム)

 

逆光で撮れば盛大に溢れるフレア。だからこそ光が和らいでくれるという面もあります。完璧に制御されたレンズではスッキリとこの画を見せてくれるかもしれませんが、そうなった写真が魅力的かどうかというと、また別の話になるような気がします。この逆光を画にしようと思うのは決まってこういうレンズばかり。溢れて氾濫してしまった光も、時には表現したいものの一つとなりえるのはお分かりいただけると思います。

 

絞り:F5 / シャッタースピード:1/200秒 / ISO:250 / 使用機材:LEICA M10-P + Elmar L3.5cm F3.5(最初期・ヘビーカム)

 

この1枚は少し絞って撮影をしています。レンズの中で暴れていた光もキチンと整理され、均整の取れた画になりました。絞ってみて気づいたのは、シャープな線が個性だと思っていたこのレンズは、絞ってもなおソフトな情感が写るところにあるのかなと思いました。より明るく鮮明であることだけが写りの全てではないでしょうから。

 

絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/350秒 / ISO:200 / 使用機材:LEICA M10-P + Elmar L3.5cm F3.5(最初期・ヘビーカム)

 

 

 

解像感と柔らかさが織りなす世界

エルマーで撮るときはいつも少しワクワクしながら撮影に出かけます。なんとなく「初心」にかえるような気持ちになるのです。筆者が捉え切れていないだけかもしれませんが、何か魔性的な魅力があるレンズだとは思っていません。淡白でどこか無愛想な印象さえあります。ただ「写す」ということにだけは誰よりもひたむきに頑張るレンズのような気がして、使い心地が良いレンズの一つです。シャープな線を描くのにどこか優しさを感じる写りにそう思うところがあるのかもしれません。ライカらしい写りを味わえる貴重な一本です。

 

Photo by MAP CAMERA Staff  

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