Leica Qシリーズに新機種『Leica Q3 43』が登場しました。人の自然な視野に近い焦点距離43mmのレンズ「アポ・ズミクロン 43mm F2 ASPH.」を搭載し、デジタルズームにより最長150mmまでの焦点距離をカバーしています。開放値はF2でマクロ設定時には最短26.5cmまで接写可能。7枚の非球面レンズを採用したアポクロマートレンズでありながらQシリーズの特長であるコンパクトなサイズを実現しています。また外観デザインは「Leica Q3」とは異なり、新たにグレーのレザーが外装に採用されています。まさかの登場となった『ライカQ3 43』、ファーストインプレッションとして受け取ったその日に撮影してきました。やはり何より気になるのは「アポ・ズミクロン 43mm F2 ASPH.」の描写。数枚明るさだけ調整しましたがほぼJPEG撮って出しです。ぜひご覧ください。
今回デジタルズームで約1.4倍(60mm相当)、約1.7倍(75mm相当)、2倍(90mm相当)、2.8倍(120mm相当)、3.5倍(150mm相当)を切り替えることが出来るようになりました。このカットは60mmでの撮影ですが、クロップしているという印象はなくシャツの柄や皺など細かなところまで写してくれます。
露出を調整していたらシャッタースピードがいつの間にか1/8になっていたのですが、ブレることなく撮影できました。光学手振れ補正について特別な記述などはありませんでしたが、非常に優秀です。
さらに120mmでの撮影。さすがにここまでクロップすると粗が見えるかなと思っていたのですが、そんな心配は杞憂に終わりました。本当にクロップしたのか疑わしくなるほどの描写です。
マクロ設定で最短撮影距離でのカットですがシダの葉の模様を精細に描写してくれました。ちなみにマクロ設定時には絞り羽根が自動的に開放F値が2.8に変わるようです。
開放絞りですが、標識の文字もばっちり読み取ることが出来ます。通行人が日陰に入るときにフードに光が当たった瞬間を見て咄嗟に撮影しました。オートフォーカスは爆速というわけではありませんが、スナップでの撮りたい!と思った瞬間を捉えてくれる性能をしっかり持っています。
「アポ・ズミクロン 43mm F2 ASPH.」は少し絞っただけで、これだけ緻密な描写を見せてくれます。素晴らしい写りです。
デジタルズーム最長の150mmです。3.5倍(150mm相当)では約500万画素になるのですが、ここまでしっかり写るなんて想像していませんでした。150mmもしっかり実用的な写りです。
マクロ機能を使わない場合でも最短撮影距離は60cmなので、被写体を浮かび上がらせることが出来ます。
自分の見たままで捉える世界。明るいレンズのおかげで夕暮れ時でもシャッタースピードを上げたまま撮影することが可能です。自然なボケと被写体の立体感に心地よさを感じます。
あなたが見たそのままを
自分の見たままの世界を写しだす「アポ・ズミクロン 43mm F2 ASPH.」の写りは本当に素晴らしく、この焦点距離から始まるQシリーズが出たことを本当に嬉しく思います。高感度耐性やより絞ったときの解像感などの要素を撮らなくてはいけないのに、その必要に迫られることがない快適さに思いのままに撮影してしまったので、また改めてじっくりとレビューしたいと思います。あなたが見たそのままの感動を写す『Leica Q3 43』。新しい「Q」が見せる世界をぜひ体感してみてください。
Photo by MAP CAMERA Staff