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LEICA M11-D

LEICA M11-D

2024年09月30日

 


 

2018年11月にカメラ背面の液晶モニターをなくし、要素を最小限に絞りながらも使い勝手の良い操作系を備え、シャッター音もほぼ無音といえるほど小さい。写真撮影のみに集中したいという多くの写真家の要望を叶えるべく「M10-D」登場しました。あれから6年の時を経てトリプルレゾリューションテクノロジーを取り入れたフルサイズ裏面照射型CMOSセンサーを搭載し、6000万画素の高解像を可能とした『ライカ M11-D』が発売となりました。ディスプレイを省くことで、撮影プロセスへの集中を高めるというコンセプトをキープしつつ、「M11-P」に搭載されているデジタル写真への信頼を守るライカ コンテンツクレデンシャルや、大容量256GBの内蔵メモリー、「Leica FOTOS」アプリをスマートフォンにインストールすることでいつでも作品にデジタルワークフローを取り入れることが可能な最新の機能も備えています。必要なものだけをカメラ本体に残し、控えめかつ純粋なM型デジタルカメラを心から愉しめる1台をさっそく撮影に持ち出してみました。ぜひPhotoPreviewをご覧ください。

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:200 / 使用機材:Leica M11-D + アポズミクロン 50mm F2.0 ASPH.

 

『M11-D』は初期設定ではDNGの撮影のみになっていますが、アプリを使うことでJPEGも記録することが可能です。せっかくなのでJPEGの仕上がりも見てみたところ、主観ではありますが「M11」よりJPEGのコントラストが高めに設定されているように感じました。コンセプト的にはその場で仕上がりを確認しない撮影スタイルになるので、硬めに仕上がるようにしたのかな?と推測しています。アプリでの設定にはなりますが、JPEGの設定は従来通りスタンダードやナチュラル、モノクロ(HC)など各種設定を行うことができるのでご安心ください。

撮る前のイメージとしてはもう少し明るい仕上がりを予想していましたが、闇に浮かび上がるような仕上がりになっていてむしろ気に入った一枚です。モニターで仕上がりをコントロールしながら撮影できる状況では撮らない(残さない)写真に出会えるという、フィルムの仕上がりを楽しむのと似た体験が出来ました。「アポズミクロン 50mm F2.0 ASPH.」の写りにも改めて感動しました。

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:200 / 使用機材:Leica M11-D + アポズミクロン 50mm F2.0 ASPH.

 

撮りたいと思ったらその時点でその場の光を見てシャッタースピードやISOダイヤルをカチカチと回して撮る。撮影するときにはいつも同じ挙動をしているのですが、背面液晶がないということで緊張感というか気持ちの込め方が変わってきます。

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:200 / 使用機材:Leica M11-D + アポズミクロン 50mm F2.0 ASPH.

 

濃い仕上がりではありますが、赤などの彩度が高く潰れてしまうようなことはなく自然で豊かな発色です。曇天のなか曼珠沙華に当たる淡い光を捉えてくれました。

 

絞り:F3.4 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:200 / 使用機材:Leica M11-D + アポズミクロン 50mm F2.0 ASPH.

 

もちろんマニュアル露出だけでなくオートでの撮影も可能です。自分で考えて調整する必要がないくらい正確に露出を決めてくれるので仕上がりに不安なときはオートで撮っておくというのも一つの手です。オートで撮ってもマニュアルで撮りたくなるのは間違いないのですが。

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:64 / 使用機材:Leica M11-D + アポズミクロン 50mm F2.0 ASPH.

 

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:200 / 使用機材:Leica M11-D + アポズミクロン 50mm F2.0 ASPH.

 

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/750秒 / ISO:200 / 使用機材:Leica M11-D + アポズミクロン 50mm F2.0 ASPH.

 

レンズが「アポズミクロン 50mm F2.0 ASPH.」とはいえ開放絞りでこれだけの解像感を出せるというのは衝撃的です。このカットはRAWデータを現像したカットですが、JPEGとは違いユーザーの意図を組みこみやすいナチュラルな仕上がりになっています。

 

絞り:F2.4 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:200 / 使用機材:Leica M11-D + アポズミクロン 50mm F2.0 ASPH.

 

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/180秒 / ISO:400 / 使用機材:Leica M11-D + アポズミクロン 50mm F2.0 ASPH.

 

背面にISO感度ダイヤルが配置されたおかけでISO感度の切り替えがよりスムーズに行えるようになりました。個人的にはこの変更はとても使いやすくて嬉しいポイントです。

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:200 / 使用機材:Leica M11-D + アポズミクロン 50mm F2.0 ASPH.

 

 

絞り:F4 / シャッタースピード:1/1500秒 / ISO:64 / 使用機材:Leica M11-D + アポズミクロン 50mm F2.0 ASPH.

 

 

絞り:F2.4 / シャッタースピード:1/750秒 / ISO:64 / 使用機材:Leica M11-D + アポズミクロン 50mm F2.0 ASPH.

 

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/200秒 / ISO:800 / 使用機材:Leica M11-D + ズミクロン 50mm F2.0

 

最後は少し被写体を変えてみましょう。この日はようやく気温も落ち着き、秋のかおりと色々なところで秋祭りが開催されていました。液晶モニターが搭載されていない本機を使って撮影するのは、フイルムカメラで苦戦しながら撮影していたあの頃を思い出します。

いつもであれば最前列で液晶モニターを見ながら万全な状態で撮影に挑むのですが、大勢のオーディエンスの陰に隠れてその場の空気感を写真で表現してみました。撮影した写真がその場で確認できないからこそ、自宅に帰ってモニターで確認するまでのワクワク感が実に愉しい1台です。

 

絞り:F2 / シャッタースピード:1/1250秒 / ISO:200 / 使用機材:Leica M11-D + ズミクロン 50mm F2.0

 

記事前半ではアポズミクロンで撮影しておりますが、2枚のお祭りのカットは『ズミクロン 50mm F2.0』を使用することでお祭りならではの人間味あふれる空気感を表現しました。2日間の祭事を終え、共に神輿を担いだ仲間たちと楽しそうに時を分かち合うワンシーン、シャッターを切る筆者まで優しい気持ちになってしまいます。

 



 

目に見えない愉しみ

露出が合っていたら自分を褒めてやり、外れていたら自分を戒める。フィルムで撮るとき、露出計と一緒に撮影していたのを思い出して懐かしくなったり。光を見るという行為に真摯に向き合うことの大事さを改めて感じた撮影でした。アプリで出来ることは多いので連携をおススメします。フィルムのデイライト仕様で撮影したくて太陽光にセットしたりもしましたがAWBもとても優秀なのでご心配なく。目の前の光と向き合い「目に見えない愉しみ」を楽しむ。デジタルカメラとしてはこれ以上にない引き算。このカメラを使いこなした自分を想像してワクワクしてしまった方はぜひ『M11-D』をその手に。

 

Photo by MAP CAMERA Staff

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