LEICA SUPER VARIO ELMARIT SL14-24mm F2.8 ASPH.
2023年12月02日
『Leica スーパー・バリオ・エルマリート SL14-24mm F2.8 ASPH.』は、ライカ製としては初となる14mmまで対応した超広角ズームレンズです。ズーム全域で開放F値F2.8を実現した大口径レンズは約885gとなかなかの重さを感じますが、さすがライカと思わせる高級感ある仕上がりで、持った瞬間から描写力の高さが想像できるレンズです。
前玉がドーム状に突き出た形状になっているため前面にフィルターの装着はできませんが、リア部分にフィルターホルダーがついているのでフィルター効果を用いた撮影が可能に。静止画はもちろん、動画撮影でも活躍してくれることでしょう。
画角に加え期待も広がるレンズを『Leica SL2-S』に装着して撮影してきました。
冬らしい空気と共に街路樹の木々も色づき始めてきました。そんな彩を収めるべく頭上に向けてシャッター切りました。
広い画角の中に太陽が入り込んでしまいましたが隅々まで綺麗に描写しています。フレア、ゴーストもしっかり抑えられている上に、シャドー部のトーンの細かさは凄いの一言。さすがはライカと言ったところでしょうか。
本レンズから描かれた画を見て最初に驚いたのは透明感の高さです。周辺減光もほとんど見られず発色の良さが際立っており、冬の澄んだ空気と空の青さをしっかりと記録してくれました。
超広角ズームレンズですが歪みは全く感じられません。超広角ならではのパースも歪みが無いことでよりスッキリ見えます。
ズーム全域で最短28cmまで寄ることができるので、広角レンズとは思えない迫力ある画で切り取ることが可能です。
被写体ギリギリまで寄ると自身や機材が影になり光量不足になりがちですが、開放F2.8の大口径がその辺りをしっかりカバーしてくれました。
望遠レンズやマクロレンズのような大きなボケは得られませんが、ピントを合わせた部分をしっかり浮き立たせる立体感があります。
直径85mmの鏡筒はとても握りやすく適度な重さと相まってホールドした時の安定感は抜群です。強力なボディ内手ぶれ補正の効果もあり、日没後も手持ちで撮影を続けることができました。
夜景の定番スポットの東京駅。ビルの細部はもちろん、夜空の街明かりのグラデーションも綺麗に描いてくれます。
表現の可能性に新たな広がりをもたらす超広角ズーム
ズームレンズの中でも特に人気の高い大三元と呼ばれる明るいF2.8通しの大口径ズームレンズ。LeicaのF2.8のレンズは伝統的にエルマリートという名称が付与されていますが、実は「暗い(エルマー)」という言葉に由来した言葉となっており、大口径ズームレンズに対しては少々矛盾を感じる呼び名です。実際、日没後にも撮影しましたが本レンズに暗さを感じるシーンは1度もなく、むしろ暗いシーンでの安定感は群を抜いているようにも感じました。エルマリートという名に対するイメージが大きく変わる1本です。
画面を広くを明るく、そして鮮明に捉えてくれる高性能レンズをぜひお試しください。
Photo by MAP CAMERA Staff