薄く、軽く、コンパクト。ほぼボディキャップと同じサイズと、45gという重さを考えると、その描き出す画は驚異的ですらあります。『PERAR 28mm』、個性あるオリジナルレンズを製作しているMS-OPTICAL社が新たにリリースしたこのレンズ、その描写はご覧のとおり驚くべきシャープネスです。ドレスや、右手前のドアの質感描写は素晴らしいものがあります。周辺減光は少し強めに出てきますが、これはデジタル素子であれば仕方の無い反面、作画としてもドラマティックに演出できる要素の1つです。この力強い描写はこのレンズの大きな個性でしょう。
歪みや色にじみもほとんど確認できず、すっきりとした描写です。壁面の水滴の1つ1つまで的確に描写するその力、本当に外見からは想像できないものです。
解像力や歪みを見てみましたが…何ら問題無い様です。オリジナルデータでは奥の狭まったガラス障壁も見事に描き分けています。MS-OPTICAL社代表の宮崎氏が1年にわたる研究の結果、開発されたのがこのレンズとの事。その成果としてF4開放からのこの実力。日本の技術者の熱意が生んだこのレンズ、この描写、本当に恐れ入ります。
この薄さ、いかがでしょうか?実際、絞り操作などをしやすくする為、これにフードが着きますが、それでもジャケットにすっぽり収まる薄さです。絞りF8近辺で最高画質に達するということですから、パンフォーカスでのスナップショットなどに、この小型軽量は大きな力を発揮するはずです。数多く存在するライカマウントのレンズ群ですが、その中でも非常に個性的なこのレンズ。ぜひ楽しんで、使っていただければと思います。
Photo by MAP CAMERA Staff
Leicalens-Report.