LEICA28mm広角レンズの座は『Hektor2.8cm/f6.3』から始まり、長く『Elmarit28mm/f2.8』が最大口径のレンズとして愛用されてきた。28mmという画角はスナップ等に重宝するもの。『Summicron28mm/f2.0』はより開放を明るく取り、レンズサイズもコンパクト。スナップシューターには嬉しい新設計のレンズに仕上がっている。 実際装着した際のボディバランスが良く、重量はしっかりとある大口径レンズながら使い勝手は良好なもの。M9やフィルムMにはもちろん、LEICA M8等では換算37mm程度と準広角大口径レンズとなるお勧めの1本だ。
描写は非球面レンズも採用された高性能レンズ。切れ味もあり、シャープな描写は旧エルマリートとは一線を画すものだ。広角好きの撮影者であればこの1本だけでかなりの撮影をこなす事が出来るだろう。『1Body・1Lens』、シンプルな撮影の楽しさを改めて教えてくれるレンズだ。
コントラストは強めのレンズだが、それによってトーンが貧弱になってしまわないのがLEICAレンズのLEICAたる所以だろう。時代を経たボンネットの微妙な色彩と立体感、エンブレムの往事を思わせる輝きまでしっかりと描写してくれる。立体感を感じさせるフロントからバックへのなだらかなボケも美しいものだ。
開放でもここまで写るのだからお見事。ごちゃごちゃとした被写体に様々な光があふれる賑やかなシチュエーションだが、破綻を見せない優秀なレンズである。
28mmでもF2.0ともなればしっかりとボケるもの。ノーファインダーで撮影を楽しんだり、被写体を浮かび上がらせる様な標準レンズに近い使い方を楽しんだり、1絞りでも使い方はグンと多様さを増す。
しかし、想像以上に開放でのボケは大きく、綺麗なものだ。これは意外な発見である。
純正のフードは肉厚で立派なものだ。装着すると遮光性能もレンズを保護する意味でも安心感が大きいが、スナップで使うに少々大仰な感もある。シンプルにレンズ単体で使用してもフレアに悩まされる事は無かったので、単体での使用も良いかもしれない。 個人的に、フィルム時代は”ISO400、F2で1/15秒”が撮影可能かどうかの瀬戸際を決めるセッティングだったので、光量的に厳しいシチュエーションでもこの1絞りは大きく感じる。
LEICAを使っていて28mmレンズを愛用している方は多い、ぜひ一度手に取ってもらいたい1本だ。
Photo by MAP CAMERA Staff