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中判パノラマカメラ PANON IIIA

5×12cmパノラマカメラ PANON IIIA

 PANON IIIA(パノン スリーエー)。W150×H128×D102mm。重さはちょうど2,000gと結構な重量。ボディ正面に「WIDE ANGLE CAMERA」と銘が打ってある通り、レンズ回転式(スイングレンズ方式)のパノラマカメラである。
 ボディの底に三点の脚がありアポロのように着陸させることができる。1958年頃に発売されたカメラだが詳細は不明。レンズはPANON50mmF2.8が付いている。小西六のHexanonが搭載されていたという資料もあり仕様は厳密に決まっているようではないらしい。
 パノンといえばワイドラックスが有名で、F7/F8(→過去記事参照)あたりはコレクションということだけでなく実写としてもかなりの人に使われているのではないか。本機もそのワイドラックス同様レンズ回転式の仕様である。レンズ回転式のパノラマカメラは像に歪みができる。被写体によっては違和感なく写すこともできるので、この特徴を生かすも殺すも使いこなし次第だ。


 光学式のファインダーはない。トップカバーにはスポーツファインダーといわれる指標が付いているが140度という画角を想像するのは難しい。35mm判の28mmレンズの画角が75度なので簡単に言うと倍くらい横長に写ることになる。
 シャッタースピードは1/2、1/50、1/200の3種類。ピントは目測。レンズ回転式のシャッター機構というのはレンズのうしろに1mmのスリットが入った半円筒形のユニットがフィルムを舐めるように露光していく仕組み。ちょうどコピー機が光線をすべらせながら原稿をスキャンしていくのと同じように外界の世界を左から右へとフィルムに焼付けていくのである。


 フィルム装填はまず、カメラボディから中枠を取出しレールに沿ってフィルムを滑りこませる。次にフィルムのスタートマークを中枠の指標に合わせる。それだけでなく本体側のカウンターも手動で同期させておく。
  ここでいよいよ中枠の挿入だが、これがちょっと厄介だ。ギアがうまく噛合わず巻上げノブを回しながら落とし込まなければならない。先程のカウンター合わせは何だったんだろうと思ってしまうくらいアバウトだ。さらにフィルム交換は裏蓋着脱で行うので、そのつど三脚から外さなければならない。120フィルムで6コマ撮影だからこれもしんどい作業だ。18コマ撮ったところで指の皮がはがれそうである。


 面白いところは絞り、ピントリングを操作するノブがレンズ周りにあり、レンズユニットの中に指を入れて操作する仕組みだ。こういう操作は、例えばニコンFのシャッターボタンの位置が後ろすぎて使いにくいなどという次元ではない。ステージが高すぎる。


※クリックで拡大します

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 PANONレンズの描写はやわらかい印象である。あまり逆光には強くない。また50mmの被写界深度は予想より浅く、ピントの置きかたにも注意しなければならない。シャッタースピードが1/2までしかないので三脚を立てても思うように絞れず、ピントがどこまで合っているか判らなかった。


操作にある程度の手順や勘が必要となることに加え、この堂々としたルックス。風格は横綱級、まさに趣味のカメラである。

パノンカメラの現在の在庫は→こちらパノン


written by マップカメラ_2号店3階
この記事のカテゴリーは『ブローニー』です | この記事は2009年10月31日現在の情報です。


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