【Leica】 Digital “M” 貴方はどれを選ぶ? 【フルサイズ編】
デジタルM型ライカ。
記録媒体がフィルムから撮像素子に変遷した今も、伝統の距離計を搭載し、進化し続けています。
名だたる国産フラッグシップ一眼レフを優に超えるその価格、そしてブランドは、カメラ界の“高嶺の花”とも言うべき存在。
M8からスタートしたデジタルのM型ライカも、フルサイズとなり、モデルが多様化してきた今。
皆様の「今からライカを始めるのならどのモデルを買えばいいのか?」という疑問にお答えする為に。
本稿では、各モデルを振り返って、順番にご紹介していきたいと思います。
今回は、始祖であるM8/M8.2を除いた【フルサイズ編】です。
<<<<<<『Leica M9』 / 2009年9月26日 発売>>>>>>
1800万画素フルサイズ・CCDセンサー搭載。
重量:585g
カラーバリエーション:ブラックペイント/スチールグレーペイント
操作系はM8系を殆どそのまま踏襲。
背面液晶も変わらず2.5インチ、23 万ドットと、国産のデジタルカメラに慣れた方には少し頼りないスペックではありますが…
背面液晶に映し出される画像は、ドイツ人の実用気質、構図確認用だと割り切ってしまうと気が楽になります。
もちろんパソコンに取り込めば、眼前にはローパスフィルターレスCCDセンサーにしか出せない、ヌケの良い写真が映し出されます。
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<<<<<<『Leica M9-P』 / 2011年6月30日 発売>>>>>>
1800万画素フルサイズ・CCDセンサー搭載。
重量:585g
カラーバリエーション:ブラックペイント/シルバークロームメッキ
イメージセンサーを含め、中身は『Leica M9』と同一。
ボディ前面の通称“赤丸”ライカロゴとモデル名を省き、クラシカルな外装を纏ってマイナーチェンジ。
新たに、背面の液晶には、耐傷性がきわめて高いサファイアガラスを採用しています。
トップカバー上部に筆記体でライカロゴを刻印。
ブラックペイントモデルは勿論、使い込めば真鍮が顔を覗かせる。
まさにユーザーが待ち望んだ、往年のライカを彷彿とさせるモデルでしたが…
わずか一年足らずで生産終了。
今ではプレミアが付き、他のモデルと比較すると中古も高値安定。
デジタルカメラに付加価値が付くのもライカならではでしょう。
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<<<<<<『Leica M Monochrom』 / 2012年8月25日 発売 [現行]>>>>>>
1800万画素フルサイズ・モノクローム専用設計CCDセンサー搭載。
重量:600g
カラーバリエーション:ブラッククロームメッキ/シルバークロームメッキ
モデル名の通り、モノクローム専用設計のCCDセンサーを搭載。
モノクロ写真しか撮影できない、ライカらしい尖ったモデルです。
カラーフィルターを通した演算を行わない為、カラー撮影も可能なモデルに比べれば、解像力も諧調表現も桁違い。
それでも、繰り返しになりますがモノクロしか撮れません。
極力目立たないよう、刻印類を排したトップカバーは何とも渋い。
モノクロ派の方には間違いない選択です。
最近ではフィルム派の写真作家達も、作品作りに活用しているようですね。
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<<<<<<『Leica M-E』 / 2012年10月20日 発売 [現行]>>>>>>
1800万画素フルサイズ・CCDセンサー搭載。
重量:585g
カラーバリエーション:アンスラサイトグレーペイント
独特なグレーペイントを身にまとい、操作部はシルバークローム。
ライカのエッセンスを凝縮したシンプルなエントリーモデル。
と言っても、中身は『Leica M9』『Leica M9-P』と同一です。
違いはというと…
まず、視野枠のセレクターレバーの省略。
ただし、Mマウントのレンズを取り付ければ、その焦点距離に応じて自動的に視野枠が切り替わるため、
通常はこのセレクターレバーを使うことはまずありません。
そして、ボディ側面のUSBコネクターの省略。
この部分に関しても、SDカードを取り出してパソコンに読み込ませる方が殆どでしょうから…
必要十分な機能を保ったまま、コストダウンしたシンプルなモデルと言えます。
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<<<<<<『Leica M (typ240)』 / 2013年3月20日 発売 [現行]>>>>>>
2400万画素フルサイズ・CMOSセンサー搭載。
重量:680g
カラーバリエーション:ブラックペイント/シルバークロームメッキ
M9から続いたCCDセンサーがCMOSセンサーに置き換わった、革新的なモデル。
ライブビュー撮影が可能となり、何と電子ビューファインダーも装着可能。
距離計は勿論搭載していますが、上述のライブビュー機能を使えば、
マウントアダプターを介して距離計に連動しない様々なレンズも楽しめるようになりました。
大きなミラーレスカメラと言ってしまうと身も蓋もないですが、これは大きな進化です。
背面液晶は2.5インチから大型化、3インチ92万ドット。
見えは格段に良くなりました。
ライブビュー撮影に対応する為にバッテリーも大型化、ボディの重量が割と増加したのが玉に瑕。
正面の採光窓が無くなったものの、M型ライカらしい外見を維持しつつ、まったく別物のカメラになっています。
2014年6月27日付でリリースされたファームウェア「Ver. 2.0.1.5」において、
ライブビュー時のフォーカスピーキングの表示が赤/青/緑から選択可能になったり、デジタル水準器を表示可能になったりと…
その進化は留まるところを知りません。
M-EまでのCCDセンサー搭載機は、フィルムが撮像素子に置き換わっただけのフィルムカメラライクな操作感でしたが、
M(typ240)では、国産のカメラに慣れた方でも馴染みやすい、“デジタルカメラ”になった気がします。
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伝統を守りつつ、進化し続ける、デジタルM型ライカ。
順を追って、簡単に特徴をご説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
皆様のお好みに合う一台に巡り合えたなら幸いです。
是非、【こだわりのM8/M8.2編】もあわせてご覧下さい。