【RICOH】THETAで簡易HDRI作成~IBLに挑戦~
VR技術の進歩で気軽にVR体験が可能となり、RICOH THETAをはじめとする360度カメラが注目されています。
特にTHETAで撮影できる360度画像は記録写真やVRといった用途以外にも様々な使い方が出来ます。
今回はこの360°画像を利用した「RICOH THETA」の少しマニアックな活用方法を紹介致します。
第二弾も公開中⇒【RICOH】THETA Vを使って環境マッピング素材を撮影する
3D制作で役立つRICOH THETA活用術
~THETAで撮影した画像を3DCGのライティングとして使う~
3DCG制作において重要な要素の一つがライティングです。
特に、フォトリアルな描写が必要な場合、現実に近い自然な光源を再現する必要があります。
そんな時にIBL(イメージベースドライティング)と呼ばれるライティング方法がよく行われます。
これは、撮影現場の光源を360度フルパノラマのHDRIとして記録し使用します。
それを環境データとして読み込み、「ライティング」「背景」「写り込み」等の素材として使用する事で、
3Dモデルがその空間に存在しているような自然なレンダリング結果を得ることができます。
従来は、このHDRIを作成するには機材と手間、時間が必要となり、
個人で作成するにはハードルがありましたが、RICOH THETAシリーズを使用することで、
時間の掛かるパノラマ画像作成の手間を大幅に簡略化できます。
~HDRI撮影~
幅広いダイナミックレンジを得るために、露出の異なる画像をブラケットで撮影します。
※「RICOH THETA S」では「マルチブラケット」撮影が可能となっていますが、
今回は、THETA m15を使用したのでiOS向けの無料アプリ「360HDR」を使用し、ブラケット撮影を行いました。
HDRIにする理由として、一般的な画像データはRGBの各色256階調で表現されており、
画像を光源とするIBLでは、光源再現に必要な情報をカバーする事が出来ません。
そこで256階調を超えるダイナミックレンジ情報を持つHDRIが必要になります。
~HDRI作成~
撮影した画像をPCに読み込み、複数の画像をHDRとして一つにまとめます。
今回は、三脚が写っていますが三脚の映り込みを少なくする為に、自立一脚を使用したり編集で消込を行う事でより良いHDRI素材になります。
今回のHDRI編集にはPhotoshopを使用し、人物の消込を行っています。
~HDRI読み込み~
作成したHDRIファイルを光源として、CGソフトに読み込ませます。
CGソフト上で適当な3Dモデルとマテリアルを割り当てました。
こちらが、HDRIを元にレンダリングした画像です。
簡易的に作成したHDRIですが、撮影場所の光源再現が上手く出来ました。
より精度の高い光源や色再現が必要な場合は、一眼レフなどを使い情報量の多いRAWで撮影・編集するのが好ましいですが、
撮影の手間や扱い易さを考えるとTHETAは非常に便利です。
THETAを使用することで個人制作ではハードルのあった、パノラマHDRI作成を簡単に行えます。
本来のパノラマカメラとしては勿論、HDRI撮影場所の確保が難しい所や撮影時間の無い現場等、
初心者でも扱いやすく、個人の3D制作でも活躍してくれるカメラです!
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