VR技術の進歩で気軽にVR体験が可能となり、RICOH THETAをはじめとする360度カメラが注目されています。
特にTHETAで撮影できる360度画像は記録写真やVRといった用途以外にも様々な使い方が出来ます。
その一つとして、前回はTHETAの特徴を活かしてCG制作用の簡易HDRIマップを紹介しました。
【RICOH】映像制作日記 番外編01「THETAで簡易HDRI作成~IBLに挑戦~」
今回も少し専門的な内容となりますが、「THETA V」を用いて環境マッピングに使用する画像の撮影を試しました。
環境マッピング
CG(コンピュータグラフィックス)で金属素材など反射のある表面に周囲の環境が映り込む様子を擬似的に表現する技法です。
環境マッピングではオブジェクト(物体)を取り囲む環境情報が必要となります。
THETAシリーズの最大の魅力は1回のシャッターで、360度の環境を簡単に撮影することができる点です。
この特徴を生かして今回はTHETAのパノラマ画像を使用して環境マッピング素材として活用出来るかを試しました。
CGソフトに撮影した素材を読み込み、環境マップとして使用しました。
配置した中央のオブジェクトに撮影した周囲の環境が映り込んでいます。
周辺環境が映り込むことで素材の質感がよりリアルに表現できます。
前回のHDRI撮影ではライティングにも使用するため光源情報まで記録する必要がありましたが、今回は撮影環境の映り込みで使用する為、THETAで撮影された画像をそのまま使用します。
それでは、早速撮影した素材をもとにレンダリングをしてみます。
三脚などは使わずに片手でTHETAをもって撮影しました。
この気軽さ、機動力はTHETAならでは。
レンダリング結果
THETA Vは5376×2688サイズで撮影されます。
その撮影した画像をそのまま3DCGソフトに読み込み、レンダリングに使用します。
屋内
片手を上にあげてシャッターを切るだけの簡単操作、数秒で素早く撮影できました。
レンダリング結果
映り込み用の素材としては問題なく使えました。
簡易的なレンダリングで使用するには十分な画質です。
夜景
夜景では手持ち撮影での手ブレが気になりましたが特に問題なく撮影できました
レンダリング結果
従来、パノラマ素材を制作するには魚眼レンズや三脚、正確に360度回転可能な雲台など、撮影するのも一苦労でした。
また、撮影した画像をまとめる合成ソフトも必要で、多くの機材や知識が必要でしたが、撮影現場にTHETAを持っていけば時間を掛けずに一回のシャッターで簡単に素材を作れます。
使用機材:RICOH THETA V
実際に使用して、街中や室内などシーンを問わず様々な場所で素早く撮影出来るので人通りの多い場所や時間のない現場で活躍してくれそうです。
今回はCG制作用途での使用でしたが、アイディア次第では様々な活用ができる多くの可能性を秘めたカメラだと思いました。
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