【Canon】Canonで一番綺麗な写真が撮れる、写真好きの夢を叶えてくれたフルサイズセンサー。
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夢中って何だろう。
かれこれ10年以上キヤノンユーザーの私。
純正ソフト「Picture Style Editor」の魅力にはまり、もう長いこと自作のピクチャースタイルで撮影をしています。
「撮影したその瞬間から自分だけの色」という嬉しさはすさまじく、まるで世界で一台だけの特別なカメラを持っているかのような気持ちを味わえます。
しかし希望通りのスタイルが出来たとしても、被写体によっては不都合が生じていました。
それはノイズです。純正色から色相や彩度を大きく変えると、ノイズが大幅に増えてしまうのです。
特に空を水色に転ばせると、斑点のような色ノイズが大量に出ることが気になっていました。
ですが、それはもう過去の話。ここ最近のキヤノン製センサーの画質向上はすさまじいものがあります。
色再現が良くなり、高感度ノイズが減り、ダイナミックレンジが拡大。
特にダイナミックレンジの件は目を見張るものがありまして、編集耐性が劇的に向上しました。
・色を濃くする
・色合いを大きく変える
・暗く撮ってしまった写真を明るくする
これらの処理をしても、ノイズの増加が抑えられるようになったのです。
それすなわち、自作ピクチャースタイルでの撮影でもノイズが増えにくいということ!
様々な現行ボディを試した結果、EOS R6 MarkIIやEOS R8が搭載しているセンサーが一番この恩恵に与れると感じましたので、ここ最近はこの2機種ばかり使用しています。
今回のブログでは前述の2機種を使用し、
「コントラストを弱めにした上で青を水色に転ばせ、黄色から赤の発色を明るく華やかにしたオリジナルのピクチャースタイル」
で撮影しました。
是非見て頂きたいのがこちら。
低感度撮影での暗部ノイズが減った事により、「日陰になった平面」の色ノイズも大きく減りました。
例えばこのような白い壁です。
「凸凹や模様が無い平面」は、陰になると色ノイズが目立ちがちな部分でしたがこのとおり。
非常にクリーンな画質です!(本当は未圧縮のデータで見て頂きたいのですが…)
白が少し黄色味を帯びているのは、AWBの雰囲気優先を選択したから。さらにそこへうっすらとグリーン系の色が乗るのは、R6 MarkIIやR8の特徴です。
この進化はアンダー目に撮った時にこそ真価を発揮するように思います。
暗く撮るということは間接的に彩度を上げている事になるのですが、それによるノイズ増加がこんなに減っただなんて夢のようです。
本当に撮影の自由度が上がりました。
以前使っていた機種では暗く撮る(=彩度が上がる)とノイズが大きく増えていたため、ダークに撮りたい場合は彩度が低いピクチャースタイルを使用するなど対策が必要でした。
もうそんなことをする必要がないと思うと、嬉しくて!
ノイズが少ないだけではありません。
WBを大きく暖色に転ばせても、ベタっと詰まった感じが無いのです!
色の分離が良いせいか、曖昧さがなく透き通った雰囲気。
コントラストを下げて明度差をナローにしたスタイルですら、独特なヌケ感が感じられるのは「新シャープネス処理」の助けもあるのでしょう。
今回撮影した写真のなかで一番ヌケが良いカットです。
使用したレンズ(RF135mm F1.8L IS USM)によるところも大きいとは思いますが、一昔前のキヤノン機ではこの画は出せないでしょう。
襖の奥、屋外にある石柱が白飛びせず耐えていることも驚きです。
重さや暗さを重視し、キヤノンにて配布されているピクチャースタイル「ノスタルジア」で撮影してみました。
先ほどまでとは打って変わって黒が締まった写真ですが、こちらもまた筆舌に尽くしがたし。
元来キヤノンの画作りはコントラストが高めなので、マッチングが悪かろうはずがありません。
遠景のボケ部分(木や葉)に乗るノイズが非常に少ないのも素晴らしい。
デジタルカメラで撮影した写真のボケ部分はノイズが多いことが気になっていましたが、これなら気にせず大胆にボケを取り入れられます。
この写真もノスタルジアです。
褪せた感じが上手く表現できています。
最後はもう一度自作のスタイルに戻して。
HDR写真の様なナローなコントラストで、うまくまとまりました。
いえ、「まとめてくれた」が正しいかもしれません。
緩くなりすぎる一歩手前でギリギリ踏みとどまった感じでしょうか。
この写真でも同じことが言えます。
あと少しでもコントラストが弱ければ、やりすぎな写真になってしまいます。
自作のピクチャースタイルは汎用性が低い(使えるシーンが限られる)ことがままあるのですが、そういうときもカメラ側の画作りやセンサー性能でフォローしてくれるのはありがたい限りです。
(何を撮っても綺麗になるものが作れれば、それが一番なのですが…。)
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撮影を終え自宅に戻り、デスクに座りながらつらつらと考えてみました。
被写体認識や秒間40コマ連写、視線入力、RAWバースト等様々な進化があったEOS Rシリーズですが、私にとって一番のブレイクスルーはセンサー性能の向上だったのだなぁ、と。
黒から白へ、グラデーションを大きく使って写真が撮れる。
長い間頭を悩ませてきたノイズやヌケの悪さはもう、そこにはありません。
久しぶりにPicture Style Editorを起動し、ずーっと昔に作りかけで放置していたデータを読み込んでみました。
EOS60Dを使っていた頃、どうしても破綻してしまって使い物にならなかったスタイルです。
今なら叶えられるかもしれない。あの頃諦めた憧れの“色”を、今度こそ手に入れられるかもしれない。
ワクワクしながらマウスカーソルを色相調整のバーに置き・・・。
夢中って何だろう。
”夢の中”って書くのか。
ああ、そうだ。
覚めちゃいけないものなんだ。夢を追わなくなったら終わりだ。
・・・なんだ。
今の私の事じゃないか。
スタッフの”夢中”をご紹介するブログシリーズ、