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【Leica】マップカメラが選ぶライカレンズ10 ~Elmar 65mm F3.5 ~

2023年2月20日、Leica Boutique MapCamera Shinjuku は10周年を迎えます。
マップカメラのブログサイトであるTHE MAP TIMESでは、よりライカの世界を楽しんでいただけますよう、専門店スタッフによる関連記事や動画コンテンツを順次掲載してまいります。ぜひお楽しみください。

 

さて、マップカメラが選ぶライカレンズ10ということでスタッフ一押しのレンズをご紹介させていただきます。

今回ご紹介するのはこちら。Leica Elmar M65mm F3.5 です。

こちらのレンズは、1960年から1984年にかけて製造された、ビゾフレックス用のマクロレンズです。マウントはMマウントなのですが、少し特殊なレンズでして「ビゾフレックス」と呼ばれるミラーボックスの入ったユニットに装着して使用します。

※ビゾフレックスIII型のみがM型デジタル装着できます。I型、II型は干渉する為ご使用いただけません。

(筆者のビゾフレックスIII型はレンズ着脱ノブが取れてしまっています。どこかに落としてしまいました…。)

本レンズはこの企画を担当しているスタッフから共有された候補リストの中に入っていたのですが、なかなか渋いチョイスだなと思い取り上げました。

このレンズは中々マニアックなのですが、紹介するのには理由があります。
よくM型ライカを使用しているお客様から「思っていたより寄れない」というお声を頂きますが、このレンズを使うとM型でも近接撮影ができるようになるのです!

レンジファインダーはその構造上、70cmまでしかピント合わせができません。レンズもボディに合わせて70cm (0.7m)となっていることが多いです。
最近ではさらに寄ることができるレンズもありますが、二重像を合わせてのレンジファインダー撮影ではなく、ライブビューで背面モニターか、外付けの電子ビューファインダー(EVF)を使用することになります。

また、接写(もう少し寄りたい)となるとエルプロや、マクロアダプターMなどが候補に挙がりますが、接写専用となり、無限遠までスムーズに撮影することはできません。

そこでマニアックな逸品として登場するのが本レンズです。厳密にはビゾフレックスIII型(16499+16479)+ エルマーM65mm F3.5 + 16464(エルマー65mm用 ユニバーサルフォーカシングマウント)となります。

ビゾフレックスの詳細に関してはこちらをご覧ください。

発色は淡く落ち着いていて、ボケは開放撮影でも破綻がなく滑らかで諧調もよく、美しい立体感のあるマクロ撮影だけでなく無限遠までの撮影もできます。

シルバー鏡胴が前期型(写真右)でのちに黒鏡胴の後期型(写真左)になります。

印象としては前期型がモノクロ向き、後期型がコントラストとシャープネスが高くなってきた印象です。

前期型がアンバーめなコーティング、後期型はブルーが入っています。

 

レンズ(フォーカシングユニット)の中には蛇腹が入っています。

F値設定の仕方はプリセット絞りという方式です。

近年の一眼レフでは、開放でピント合わせ→撮影時に瞬間的に絞り込まれるという手順ですが、
ビゾフレックスには撮影時に絞り込まれる機能がないため、絞り込んでからピント合わせをするとファインダーが暗くなってしまいます。

使い方としては、先端側の赤い指標がついた絞りリングを実際の撮影の際に使いたいF値にセットし、ピントを合わせます。

手前側の黒い指標の付いたリングを回すと、赤い指標の位置までスムーズに回ります。(クリック感などがなく、セットした数値のF値で行き止まります。)

今となっては不思議な方式ですが、所謂自動絞りが搭載されるまでの一眼レフ、中でも有名なのはキヤノンのFLレンズでも採用されていました。

接写時には三脚前提のレンズにはなりますが、高感度が使えるようになったデジタルカメラであれば、ある程度手持ちで撮影できるような気がします。

 

今回はモノクロ多めの予定でしたので前期型で撮影してみました。

モノクロで撮影して「白が白く写る」感覚を覚えるレンズです。

ビゾフレックス自体にはシャッター幕などはなく、ビゾフレックスから伸びたレバーを倒していくと、ミラーが動き、パタンとミラーが戻ります。(クイックリターンミラー)

シャッターは、先ほどのレバーについたネジのような部分がM型のシャッターボタンを押す事で、M型のシャッターが作動し露光されます。

これが2段階モーションのようで、若干レリーズタイムラグのようなものがあります。そのため上記の写真のように微妙にブレてしまうことも多く、Leica M11などの高画素機で使う場合は三脚があった方がいいなと実感しました。Leica M11でも画素を変更して低画素にすると目立ちづらいと思います。

最短でこれくらいの距離まで近づくことができます。

ファインダーは交換式で、このような鑑賞の仕方もできます。 「16461」と呼ばれるウエストレベルファインダーも用意されており、それを付けると見やすいです。

Leica M11にて撮影しました。前期型でも高画素のセンサーにギリギリ耐えているかなと思います。

ピント面を拡大してみます。

繊細な合焦面から柔らかなボケ具合です。

結構クロップしたにも関わらず、緻密さに変わりはありません。

おまけですがライブビュー撮影も対応できます。

ビゾフレックスIII型はミラーアップ撮影にも対応しています。

側面のダイヤルを赤の位置にすると…

このようにミラーが上がった状態になるので背面モニターでライブビューを使いながらピント合わせ撮影することができます。

現在ではマウントアダプターと電子ビューファインダーを使用することでどんなレンズでも使用することができるようになりましたのでこのようなシステムは必要なくなっているかもしれません。

ですが、一眼レフを使ったことがある方なら光学ファインダーを通して光を見つめるあの感覚は忘れがたいものがあるのではないでしょうか。

あえて昔ながらの方法にこだわりを持って撮影したい!そんな方に是非おすすめしたいです。

[ Category:Leica | 掲載日時:23年01月20日 16時00分 ]

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