昨年末、初めてデジタルLeicaを買いました。一年間頑張ったなと思い大きな買い物をしました。
(常日頃、自分へのご褒美と称してカメラやレンズをハイペースで買い漁る筆者ですが)
このM9導入に際しては少し悩んでしまいました。
今回はその理由についても触れながらお話ができたらと思います。
まずはこのカメラについてご説明します。
その名もLeica M9。フルサイズの1800万画素CCDセンサーを搭載したデジタルライカです。
2009年9月9日に発表された機種となり約12年前の機種となります。
悩んだポイント①「CCDセンサーについて」
Leica M9はCCDと呼ばれるセンサーを搭載しています。
細かい説明は省きますが、現行のセンサーの多くはCMOSと呼ばれるタイプ。
このセンサーを搭載しているが故に少し悩んでしまいました。それは修理についてです。
Leicaではこのセンサーの修理の受付は終了しており、センサーに何かがあると修理ができない状況です。
またセンサーのコーティング剥離という問題があり、対策済みのセンサーを搭載している個体を見つけることが前提条件となります。
※コーティング剥離しているセンサーで写真を撮ると撮影画像に白いポツポツのようなものが写り込んでしまいます。
筆者もCCD対策品のセンサーのものを探すのに苦労しました。
CCDセンサーはフィルム時代からデジタルに移行するあたりに主流だったものです。
個人的には色合いの作り方やこってりとした描写がフィルムライクな写りをするように感じます。
M9を選択する方の多くはこのセンサーの生み出す画に惚れて使っていると思います。
もれなく筆者も試写した際にこの写りの虜になってしまいました。
Leicaだけでなく各社の最近機種はCMOSセンサーが採用されており、CMOSの方が高感度撮影時のノイズに強く、生産効率などもよろしいようで主流になっています。
対してM9などに搭載されているCCDセンサーはISO800あたりでもディテールや色調が崩れてしまう場合があります。
同じく所有しているCMOSセンサー搭載のSONY a7RIIIはISO800でも問題もなく使用できると思います。
高感度ノイズの関しての許容範囲などについては個人差もありますので参考程度にお願いします。
高感度撮影の苦手なM9ですが筆者は基本的にはISO400固定で使っています。
最低感度のISO160などで使った方が画質がいいのかもしれませんが、普段フィルムカメラ使っていてISO400ベースでの露出に慣れているのでなんとなくそうしています。
しかしながらM9のシャッタースピードは1/4000が最速。
夏場は少し感度を下げる必要がありそうです。
絞り込んでも良いのですが、あまり絞り込みすぎると外でレンズ交換をする際にブロアーなどを使用しないずぼらな筆者の場合
ほんの小さなセンサーゴミなどが写ってしまう場合があるのでF8くらいで止めています。
2021年も6月がそろそろ終わり半年が経過するようです。
そんなことを思うと急に今年の桜が懐かしくなったのでを掘り起こしてきました。
ズマリットL50mm F1.5とM/L変換アダプターでMマウントに変換して使用しました。
きつすぎないどこか余白のある写りが気にいっています。
悩んだポイント②「外観について」
Leicaには大きく2種類の仕上げが存在しています。
それがペイント仕上げとクローム仕上げです。
上がM9 ブラックペイント、下がM4 ブラッククロームです。
ペイント仕上げの良い点は「塗装が剥げること」です。
よく使用されることの多いマグネシウム合金などはぶつけたりなどするとシルバーの地金が出てます。
対してLeicaのカメラの多くは「真鍮」を使っていますのでゴールドの美しい色で出てきます。
分かりやすく言うとアンティークな印象でしょうか。
このように使い込むとペイントが落ち下の真鍮が露出します。
コンクリートの上などにも普通においてしまうのでボトムプレートも剥げています…。
ブラッククロームなどはメッキ塗装なので真鍮が露出することはありません。
また筆者のペイントが好きなもう一つの理由として「使い込まれていく」というものがあります。
上の2枚をみてみるとファインダー付近は自分のおでこや鼻が当たる部分。
シャッター周りはスイッチを入れる部分、中指が触れる部分だけが露出しています。自分がよく触れる部分だけ真鍮が露出しているのです。
最近ではM10-R ブラックペイントが発表されました。M240シリーズ以来、久しぶりのペイントボディ。
4000万画素以上のセンサー、フィルムボディに近い薄さに近づけたボディ、0.73倍のフィルムライカに近いファインダーに加え
誰も触っていない状態からLeicaを自分だけのものに仕上げていく。
そんな楽しみも持ち合わせた一台です。
赤ロゴも持たず、トップカバーに刻印が入っています。これを待っていた!という方も多いのではないでしょうか。
さて、M9の話に戻ります。
悩んだポイント③「性能について」
先述したM10-Rは4000万画素クラスの高画素機。対してM9は1850万画素と半分以下の画素数です。
高画素化する中ですが、不思議とM9にはそれでもいいかなと思う何かがあります。
とは言いつつ、ちゃっかりSONY a7RIIIなども所有しておりますので高画素機の良さも理解しているつもりです。
今回のブツ撮りも a7RIIIで行っています。レンズはCONTAX645のApo-Makro-Planar 120mm F4です。
ですが、持ち出すことや撮影後のデータの管理の面なども考えてもM9の1800万画素ほどのセンサーは意外と使いやすい画素数ですし、なによりCCDセンサーの生み出す独特な画がやはりどうしても好きなのです。
それにライブビューなどの機能などがついていない分、とても軽いですし起動もスイッチを入れてすぐに撮影できるところも好きです。
悩んだポイント④「外観について」
モノとしてもかっこいいカメラにはついつい惹かれます。
ルックスはとても大切でフィルムライカから入った筆者はある共有した部分にも注目してM9を選びました。
Leica M9
Leica M4
わかりますでしょうか…。
答えはこちら
ブライトフレームの採光窓です。
この後に発売されたM(Typ240 )以降はブライトフレームがLED方式になったためにこの採光窓は廃止されています。
恐らくこれがついていることによってM9がよりクラシカルなM型ライカに近いように感じるのだと思います。
M10シリーズはM型フィルムに近い外観になっていますが、M10シリーズにこの採光窓が復活したらなぁなどと妄想してしまいます。
またライカにはレンズの魅力もあります。
MS-Optics SONNETAR M73mm F1.5 MC
千葉県で製造されている宮崎光学 MS-Opticsのレンズです。宮崎さんという職人の方が手作りします。
開放では滲みがたっぷりですが・・・
如何でしょう。少し絞るとこんなにもキリッとします。
流石に周辺は少し流れていますが、撮りたいものがしっかり写っていれば筆者は特に気にしません。
こちらはF4あたりで撮影したもの。同じレンズでもいろいろな表情を見せてくれます。
このようなレンズが沢山あり、古いレンズなどはその状態、製造された年代などでも写りが違います。
まさに深い沼です。ですがその分探求心をくすぐられてしまいます。
振り返れば非常に長いブログになってしまいました…。
色々なことを書きましたが、一番重要なのはスペックなどではなく自分がそのカメラが好きであることだと思います。
どんなにスペックなどで劣っていても好きであれば外に持ち出したり、そのカメラで繰り返し撮影することで見えてくるものや出会える景色があると思うのです。
無理にではなく、見栄を張るのでもなく、ただ純粋に好きだから使う。好きこそもののなんとやらです。
気付けばボーナス時期。
そろそろ半年間頑張った自分にご褒美を考え始めようと思います。
お付き合いいただきありがとうございました。それでは。
目下、筆者がボーナスで狙っているカメラたちです。
三脚が気になったお目が高い方はこちら。
HUSKY(ハスキー)というメーカーです。