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【Leica】 マップカメラが選ぶライカレンズ10~SUPER ANGULON M21mm F4~

2023年2月20日、Leica Boutique MapCamera Shinjuku は10周年を迎えることができました。
マップカメラのブログサイトであるTHE MAP TIMESでは、よりライカの世界を楽しんでいただけますよう、専門店スタッフによる関連記事や動画コンテンツを順次掲載してまいります。ぜひお楽しみください。

今回ご紹介するレンズは、SUPER-ANGULON(スーパーアンギュロン) M21mm F4です。

言わずと知れた、M型ライカ初期の超広角レンズです。
1958年に発売されたライカ初の21mmレンズで、シュナイダー・クロイツナッハから供給を受けています。
その後1963年にF3.4へとリニューアルされ、1980年のエルマリートM21mm F2.8の登場まで長年ライカファンに愛されてきた銘玉です。

とってもコンパクトに見えるこちらのレンズですが、
実は後玉がとーーーっても飛び出しています。ミラーがないレンジファインダー機だからこそ出来た、超コンパクトな超広角レンズというわけです。

一眼レフ用にも同じようなレンズがありますが、その場合はミラーアップして装着、ピント合わせは目測で使うことが多いです。
であれば、距離計でピント合わせも出来てコンパクトなM型とスーパーアンギュロンの組み合わせがオススメです。

スーパーアンギュロンはその飛び出した後玉がシャッター幕やセンサー、内部に干渉する恐れがあるのでデジタルカメラでは使わない方が良い。使うなら自己責任で。などと言われますが…
やるなと言われれば言われるほど、試したくなるのが人の性。

ちなみに冒頭の写真を見て既にお気付きかもしれませんが、M11に装着できました!
M10でも使用したことがあったのであまり心配はしていませんでしたが、取付や最初のシャッターはドキドキしました。

さて、前置きが長くなりましたが、気になる撮影結果を見てみましょう。

取付に続く、第二の関門、色被り・周辺減光についてはどうでしょう。
周辺減光は著しく、周辺の像も流れていて、シーンによっては何か筒でも被せて撮ったかのように見えることもありました。
個人的には結構好きな雰囲気ですが、人によってはNGかもしれません。
シーンによってかなり変わりますので、ぜひ引き続きご覧ください。

F8まで絞り使用しているからか、パープルフリンジが出ていません。
オールドレンズながら侮れない性能です。

そしてピント・F値固定で、ほぼパンフォーカス撮影のため、よりM型らしく直感的に撮影することができます。

また、今回はM11を使用し、6000万画素でJPEG撮って出しです。
解像力はやはり少し物足りない気がしないでもありませんが、50年以上前のレンズがここまで写ることに尊敬の念すら覚えるほどです。

スーパーアンギュロンといえばモノクロというイメージがあったので、モノクロでも撮影してみました。
M11でモノクロに設定するときは、JPG設定→フィルムモードから変更します。
(今回はBW Nat モノクロで撮影しました。)ワイドさと、周辺減光が相まって、壮大な風景に見えてきます。
都会を羽ばたく一羽の鳥にドラマさえ感じてしまいます。

カラーとモノクロの比較もしてみました。

【フィルムモード:STD 標準】

【フィルムモード:BW Nat モノクロ】
手間暇かけて焼き込んだ写真のような仕上がりです。
雲の部分を焼き込もうと思ったら、暗室で何回も試行錯誤することになるでしょう。
この辺りはM11の良さでしょう。
周辺部の描写の流れは、まるで雲が風に乗り流れていくようです。絶妙に作用しています。
やはりモノクロの方が色被りや減光の違和感が少なく迫力のある写真になり、楽しみやすいと思います。

とはいえカラーも捨てがたい。天気が良くなってきたので、青空と梅。
想像の3倍くらいの濃い青が出ましたが、好みの色が出ました。良い塩梅です。

絞りを開放にすると色が浅くなり、滲みも出ました。オールドレンズの面白さも兼ね揃えていて好感が持てます。
しかし、ピントが思ったより浅いです。そして開放でもフリンジはそこまで目立ちません。
開放とF8と比較しても、周辺減光に関してF値は無関係と言ってしまって良さそうです。

肉眼で見る以上の迫力と重厚感を感じます。
陰影には予想以上に階調があります。


このレンズを持ったら必ずトライするノーファインダー・パンフォーカスでの目測撮影。少しの傾きも臨場感のアクセントに。
水平をとりたい場合はライブビューに表示できるデジタル水準器があると撮影しやすくなります。

パンフォーカスならピント合わせに時間がかからないため、さっと撮影することができます。
この写真もエスカレーターに乗ってから撮りたいと思い、カメラバッグから取り出して撮影しています。

ちなみに本レンズは最短撮影距離が0.4mです。(距離計連動は0.7mまで)
広角なので、最短まで寄っても背景をかなり取り入れることができます。

スーパーアンギュロンは世評に違わぬ高画質です。
歪みもほとんどなく、6000万画素にもよく食らいついています。
やっとカラーでスーパーアンギュロンを楽しめる時代がきたようです。
だから今日はスーパーアンギュロン記念日。

【おまけ】

パンフォーカスというワードが何回か出てきたので、被写界深度がどのくらいか気になる方も多いはず。
ということで、距離指標です。F8だと大体0.7m~無限遠まで被写界深度に収まり、F11でほぼ全域をカバーします。とはいえ、デジタルで拡大して鑑賞すると、どこに一番ピントが合っているか結構分かります。
細かいところまでこだわりたい時は、ピント合わせをお忘れなく。

[ Category:Leica | 掲載日時:23年02月22日 18時50分 ]

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