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【Leica】M8.2 CCD紀行 4

【Leica】M8.2 CCD紀行 4

Leicaで初めてのデジタルMボディである「M8」に搭載されたCCDセンサー。
センサーサイズはAPS-Hと、フルサイズより少し小さめ。

赤外線の影響を受けて色が被ってしまいやすいという特徴もありますが、私はすっかりこのセンサーが描く色に魅了されてしまいました。
今となっては修理もなかなか難しく、コンディションの良いものを手に入れるのは至難の技ですが、チャンスがあればぜひ試してみてください。

少し間が開きましたが、第4回もお楽しみいただけますと幸いです。

Leica M8.2 + Elmar 35mm F3.5

最近M8,そしてM8.2についてのお問い合わせを多くいただきます。
あくまで私個人調べ、かつ、だいたい前年比+数件…ではありますが。

とはいえ、自身が愛用しているカメラについて興味をもっていただいている事は大変嬉しく思います。
現在お持ちの方や、過去に持っておられた方のお話を聞かせていただくと、みなさま口々に良いところ、気難しいところを教えて下さいます。
おおよそ私も思っている事は同じ、素敵なカメラです。
貴重なお話を聴かせていただき、如何に素晴らしいカメラなのかを再認識することができました。

Leica M8.2 + Elmar 35mm F3.5

今回は、昨年の晩夏から、つい数日前までの写真でお届けします。
世間が少し落ち着いたかと思えばそんなこともない状態、少し気軽に散歩が出来た頃がもうすでに懐かしく思います。

基本的に一人でふらふらと撮影する時のお伴がこのカメラ。
何気ない日常の切り取りですが、思いのほか美しく化けることもあるようで。

Leica M8.2 + Noctilux M50mm F1.2 ASPH.

Leica M8.2 + Noctilux M50mm F1.2 ASPH.

最近はあまり明るいレンズを使っていなかったので、久しぶりに大きなボケ具合を見ると流石に圧倒されます。
センサーサイズが少しフルサイズより小さい分、四隅の味は切り取る事になりますが、
すっきりと楽しむことが出来るのでむしろ私にとっては嬉しいトリミング。

どうか「レンズが良いから」という一言では片付けてしまわないで欲しいと思います。
今の最新機種と比べると半分にも満たない画素数ですが、だからこそ表現できる柔らかさをお楽しみください。

Leica M8.2 + Elmar 35mm F3.5

ついつい撮りたくなってしまう夕空に乗っかった木の枝。
背後に湛える空が澄んでいれば澄んでいるほど、くっきりとしたコントラストを楽しむことが出来ます。

この空はこのカメラだからこそ表現できる空であり、それがいつもの日常を彩ってくれています。

Leica M8.2 + Elmar 35mm F3.5

これはごく最近に出かけた時の1枚。
写真から得られる情報は多くありませんが、僅かに覗く格子の先に冬を感じていただけると思います。

この季節が冬だと認知できる理由はおそらく外の景色の色合いによるものだと頭では理解してるのですが、理屈で分かったわけではありません。
画の1枚として見た時の、写り、や、色、という単語では表し切れないものが写るのもこのセンサーの驚くべきところ。
最近も、このカメラが表現する空気感が良い、というお話を伺ったばかり。
もう発売からは10年以上経過していますが、その当時から一定の人気を得続ける理由がそこにあります。

Leica M8.2 + Elmar 35mm F3.5

夜の表現…というよりも高感度耐性があまり強くはないので、暗いところは得意ではありません。
ただ、黒が濃く見える写真でも、一目見ただけで潰れていないのがはっきりと分かります。

昼夜を問わず、影や黒いものなど、目視では見えているのに写真には写しづらいポイントは数多くありますが、
私の経験上ここまで自然に影や闇を「視える」ように写し出すカメラはそう無いと思っています。

Leica M8.2 + Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mmF4.5 Aspherical

個人的な意見ですが、私はモノクロよりもカラー写真の方が僅かに好きです。
ただ、M8.2で写すモノクロ写真はなんだか色が見えるような気がして、すんなりと見ることができています。

もちろん完全にモノクロではあるのですが、色を想像させ得るのに十分な空気感が写っているということだと予想しています。

Leica M8.2 + Elmar 35mm F3.5

最後に、雪をかぶった柑橘の写真を別カットでもう一枚。
レンズも変えず、時間もほとんど変えず、そうでありながらこんなに雰囲気が違う写真ができあがりました。

撮影の度に正しい色を間違うことなく写すことは、カメラとして求められる能力です。
しかし同時に、それが必要のない、写真を楽しむうえでのカメラと言う存在であれば、むしろ少し転ぶ方が楽しかったりもします。
これもあくまで持論ですが。

・・・

日々同じように毎日が過ぎ、いつもの青空が寝ぼけ眼を出迎える幸せな日々。
そこに毎日、違う色の絵具を零すことが出来たら楽しいと思っています。

そんな欲望を叶えるカメラ。
写す写真の一枚一枚に想像を超える期待を寄せてもいい、そんなカメラです。

それでは、また次回。

 

【バックナンバーはこちら】

[ Category:Leica | 掲載日時:22年01月09日 17時20分 ]

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