Beyond basic「次代の、新基準へ」———。
新たなベーシックモデルとして登場したSONYのα7Ⅳ。 ベーシックモデルとしては素晴らしく人気を博したα7Ⅲの発売から三年半の月日が過ぎ、SONYのベーシックはどのように変わったのでしょうか。 Map CameraのSONYコーナー担当スタッフが各々好きなレンズとα7Ⅳを組み合わせて撮影を行う本連載、今回はLeicaコーナー担当スタッフがSONY機を使用し初めての撮影・執筆を行いました。作例は全てJPEG撮って出し、クリエイティブルック(以下CL)も記載しております。是非ご覧ください。
「BOKEH-MASTER」に浸る。
85mmから135mmの所謂中望遠レンズが好きです。目に映る景色の、ピンときた一点、ハッとした一筋の光にフォーカスできる絶妙な焦点距離。設計的にもF1.4~F1.8の明るさを確保できる限界の数値です。この焦点距離と明るさがもたらす空気感や立体感に惹かれる方も多いはず。今回は「BOKEH-MASTER」の異名を持つ「SIGMA Art 105mm F1.4 DG HSM(ソニーE用/フルサイズ対応)」を使って、芸術(Art)の秋を写すとします。
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絞り:F1.4 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO感度:100 / 焦点距離:105mm / CL:FL
これ以上ない秋晴れのなかサイクリングがてら森へ。緑のカーテンからのぞく黄色く色づいた葉にフォーカス。森に到着してすぐの作例ですがこの1枚でレンズへの期待が一気に高まりました。
絞り:F1.4 / シャッタースピード:1/640秒 / ISO感度:50 / 焦点距離:105mm / CL:ST
絞り:F1.4 / シャッタースピード:1/400秒 / ISO感度:50 / 焦点距離:105mm / CL:ST
絞り:F1.4 / シャッタースピード:1/2000秒 / ISO感度:50 / 焦点距離:105mm / CL:VV2
105mmでF1.4というとピント面は相当薄く、このピント面を引き立てるためには非常に高い解像力が必要とされます。街中では出会うことのないイトトンボ、こんなにも美しい色だったとは…「SIGMA Art 105mm F1.4 DG HSM」で撮影して初めて気が付くことができました。
絞り:F1.4 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO感度:50 / 焦点距離:105mm / CL:ST
絞り:F1.4 / シャッタースピード:1/320秒 / ISO感度:50 / 焦点距離:105mm / CL:ST
さすが「BOKEH-MASTER」、雑味も嫌味もないきわめてナチュラルなボケ味。ポートレートレンズとして人気の理由がよくわかります。少し大きく感じたレンズも、このボケ味を生み出すためのサイズと考えれば納得。
絞り:F1.4 / シャッタースピード:1/400秒 / ISO感度:50 / 焦点距離:105mm / CL:ST
絞り:F1.4 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO感度:50 / 焦点距離:105mm / CL:ST
絞り:F1.4 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO感度:50 / 焦点距離:105mm / CL:ST
アンダーにしてみた時の光の捉え方も文句なし、少し湿度を感じる質感描写も好印象です。開放F値1.4のおかげで感度は50、鬱蒼とした森の中での撮影を大いに助けてくれます。
絞り:F1.4 / シャッタースピード:1/4000秒 / ISO感度:50 / 焦点距離:105mm / CL:FL
絞り:F1.4 / シャッタースピード:1/4000秒 / ISO感度:50 / 焦点距離:105mm / CL:FL
森の横を流れる川を見下ろします。後ろから追い抜いていく自転車、川を進む小舟。オートフォーカスは俊敏で迷いなく、動きのある被写体も逃しません。クリエイティブルック『FL』は落ち着いた発色と高いコントラストが特徴、フジフイルムのフィルムシミュレーション『クラシックネガ』に通じるフィルムライクな色味にやられてしまいました。
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絞り:F1.4 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO感度:50 / 焦点距離:105mm / CL:ST
絞り:F1.4 / シャッタースピード:1/2500秒 / ISO感度:50 / 焦点距離:105mm / CL:FL
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絞り:F1.4 / シャッタースピード:1/2500秒 / ISO感度:50 / 焦点距離:105mm / CL:FL
これまでほとんどSONYのカメラを使用したことがありませんでしたが、個性豊かなレンズとクリエイティブルックに心揺さぶられてしまいました。なによりこの性能・画素数・レスポンスのカメラがスタンダードであるSONYには恐れ入ります。そして、中判カメラ顔負けの立体感・空気感を生み出すことのできる「SIGMA Art 105mm F1.4 DG HSM」。フルサイズの限界に挑戦したい方、1歩も2歩も突き抜けたい方に迷わずオススメの1本です。