【BRIGHTIN STAR】MF 35mm F0.95 E-Mount – それは現実をドラマチックに写すレンズ
新発売のこちらのレンズ。
「この箱、あのレンズの箱に似ている……?」
そう思った方もいるかもしれません。
こちらは中国・深セン市のメーカー「BRIGHTIN STAR(ブライトイン・スター)」のレンズの箱です。
最近で言えば、魅力のあるレンズを短期間にいくつも発売したことで注目を集めているメーカーのものです。
コストパフォーマンスの高さが話題になることがありますが、メーカーとしてはそれよりもやりたいことをやっていることが大事であると語っています。
今回はその中から「MF 35mm F0.95」をご紹介します。
APS-Cサイズセンサーを搭載したソニーEマウントのカメラに対応しており、注目すべきはその絞り開放値「F0.95」でしょう。
よくF2.8のズームレンズを大三元と呼びそれが明るいとされていますが、本レンズの絞りリングを触りながら目盛りを見つめると、F0.95とF2.8の間にはF1.4やF2といった目盛りが5つもあり、F0.95という明るさがいかに異次元であるか感じ取ることができます。
しかしながらそれだけではないのが本レンズの魅力。
それではさっそく「MF 35mm F0.95」の写りをご覧ください。
組み合わせたボディは「SONY α6700」です。
街に出てまずはトンネル状のところへ。
開放で奥行きを感じられる一枚を撮りました。
色はよく発色してほしいとろころはしてくれて、そうでない部分は控えめという印象。
直線が多いですが、嫌な歪みはこれといってなさそうです。
こちらはハイキー長に調整して撮ったのですが、右上の葉のあたりを見ていると、ちょっぴりソフトフォーカスのような効果を得られているようにも思います。
ふんわりと光が乗っている、例えるならメイクをしているような美しいボケ味です。
今回は人物撮影をしていませんが、このまさに「Portrait Star」といった写りはポートレート撮影での活躍も期待できそうです。
外光が入ってくる室内での撮影。
これは実はいろいろな素材が写っています。
プチトマトとモッツアレラに水飴がかかり、アラザンなどでデコレーションされています。
水飴部分はテカテカしていて、銀色のアラザンは表面がゴツゴツしています。
そういった素材の違いがしっかり写っている、表現力を感じます。
サボテンの刺にピントを合わせて撮ったところ、背景がとろけています。
鉢に敷き詰めた小石すらも大きなボケ味によってその原型を留めていません。
そしてこの蛍光ピンクのまぶしいこと。
見た目以上にドラマチックな写りです。
最短撮影距離37cmまで近付くと、小さなオブジェを大き目に写すことができます。
たくさんの丸ボケが出ていますので、形をご覧いただけるかと思います。
円の中がグラデーションになっていて、本当にこんな街が存在しそうなリアリティがあります。
日が暮れてきたので、露出をアンダーにして天使のハシゴを撮りました。
オーバーにするとハシゴの線が見えにくくなってしまいます。
暗部が多い写真ですが、だからこそ光の部分が際立っており、まるで街の建物が太陽に向かって建っているかのようです。
反射面に置かれた香水の瓶が美しく、リフレクションや周囲の光を一緒に撮りました。
それでいて香水瓶の尖った部分は極めてシャープに写っています。
見た目以上に神々しく幻想的に写っています。
スマートフォンで撮るのと真逆の写りであり、カメラで撮った甲斐があります。
水に浮かぶ葉が色とりどりで綺麗なのは、反対側で光っているライトのお陰です。
それにより葉が透けて、葉脈やまだらな柄まで如実に表してくれました。
揺れる水の中ですから鮮明に写らなくても仕方ないはずですが、本レンズの素晴らしい描写力のお陰で美しく写すことができました。
開放F値0.95の世界は、現実をドラマチックに表現してくれました。
それは撮る者の心を躍らせ、撮れる作品はもちろんのこと撮影という体験自体を楽しむことができました。
そこまでの明るさを持ちながら370gと軽く、全長も62mmとコンパクトであるおかげです。
この個性的なこの大口径標準レンズ、ぜひお試しいただきたいです。
他の箱のレンズも気になるところかと思いますが、そちらも追って記事を公開しますので、続編をお楽しみに。
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