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「ゆくカメラ、くるカメラ」

「ゆくカメラ、くるカメラ」

2020年12月31日、本日は大みそかです。

皆様にとって本年はどのような年になったでしょうか。
厳しい世界情勢の中でも、人の数だけ様々な物語があったと思います。
このブログを読んでくださっている皆様にとっては、おそらくカメラに関係のある出来事がたくさんあったのではないでしょうか。待望の新製品発表、イベントの中止や延期、新しく手にしたカメラ、手放したカメラ。たのしい出来事もさみしい出来事も、例年より強く身に染みた1年だったかもしれません。

かくいう私もメーカー各社の発表に一喜一憂し、家で過ごす時間は増え、そして何台ものカメラを手に入れては、数台のカメラは手を離れてゆきました。

さて、今回はそんな「ゆくカメラ」と「くるカメラ」たちを写真で残します。
少しだけお付き合いくださいませ。

新しい機材を手に入れた時、記録として写真に撮る方は多いと思います。
「カメラの写真を撮る」と聞くと、なんだかあべこべな感じがしますが、スマートフォンが普及した今「カメラを撮るためのカメラ」を持っていなくても、購入の記録として写真に残しておくことが出来るのです。店先で買ったばかりの紙袋のまま撮るもよし。家に帰って綺麗な背景にセットして撮るもよし。はやる気持ちを抑えながら、SNSで「買っちった。」と一言添えて投稿したという方も居られるのではないかと想像します。

では、手放すカメラはどうでしょうか。
使わなくなってしまったから、だいぶ使い込んだから、次に買うカメラの足しにしたいから。様々な理由がありますが、思い出を紡いできた愛機でも手放す直前の姿を記録に残さず送り出してしまうことはしばしば。「あんまり使ってないし、他に使ってくれる人がいるならいいか」、そうやって決心こそついていたものの、いざ手元を離れると寂しいもので、写真の1枚でも撮っておけばよかったなぁ、と後悔してしまいます。

そんなときの為、というわけではないですが、私はカメラを被写体として写します。
理由は単純で、かっこいいから、そして可愛いから。メカニカルなボディや使い込まれた質感、古い時代の普及機のフォルムなんか、とても現代では想像し得ないような独特なもので非常に愛着がわきます。

このブログを読んでいただいたのも何かのご縁。お手元の機材も今年の最後に記録として残してみてはいかがでしょうか。1年間頑張って私たちの時間を写真として残してくれたカメラです。
それに、いつも自分と同じ方向、同じモノを見ているそのカメラと真正面から対峙する時間は、実はそんなに長くないのではないでしょうか。節目の日、絶対に信頼できるその愛機を、はたまた自慢のコレクションたちを被写体として時間を過ごしてみてください。来年も機嫌を損ねず動いてくれるよう、少しメンテナンスしてからモデルにしてあげると良いかもしれません。

撮影はスマートフォンのカメラでも大丈夫。例えばInstagramでちょっと加工してあげればすぐにカッコいい画になります。是非「 #自機自賛 」のハッシュタグを付けて投稿してみてください。マップカメラにやってくるカメラたちの雄姿もご覧いただけます。

・・・

では、私が今年撮ったカメラの写真を思い出しながら少しご紹介します。

昨年の春に手に入たコピーライカです。
見た目の可愛さだけで購入を決めましたが、沈胴できるレンズとバルナック型のボディ、それはそれはコンパクトで重宝していました。フォルムが気に入って手にしたカメラたちは、行く先々でも被写体になってくれるので旅も一段華やかになります。
使う頻度が少なくなり、このまま悪くなってしまうのも勿体ないと思ったので手放してしまいましたが、こうして写真が残っていると思い出すことには苦労しません。またいつか欲しくなって、またいつか出会えた日には買い戻すかもしれません。

Leica SL2 + Leica Vario Elmarit SL 24-90mm F2.8-4 ASPH.

こちらはArgus C44です。
あるフリーマーケットアプリで交換レンズや専用アクセサリーとセットで掲載されていたので、つい落札してしまいました。オーバーホールに出し、今ではとても元気に動いています。修理をする前提で手に入れたのでストレスも無く、そのかっこよさは自慢したくもなります。まさしく「自機自賛」。

かばんに乗っかっているこれは、双眼鏡にフィルムカメラがくっついたユニークなもの。6月ごろにプレゼントとしていただいたものです。
「広いところで使いたい!」という安直な気持ちで海辺に連れていきました。
どこに行って何を撮ったのか、意外とそのカメラで撮った写真だけだと分からなくなってしまう事もあります。そんなときは、切り取る風景の一部にカメラを入れておくことで‟その日”を明確に覚えておけるような気がします。
もしかするとカメラに興味がある人でなければ理解されない事かもしれませんが、きっとこのブログの読者の皆様には共感いただけると信じて…

最後に、Leica M2とエルマー、大事な愛機です。
ブラックペイントのボディは使っているとペイントが剥げていくため、購入直後に1枚写真を撮っておいて定期的に今の状態と見返そうと決めていました。ほぼ毎日使っているためか、まだ半年くらいしか経っていないにもかかわらず真鍮が見えている個所はほんの少し増えてきています。
使えば使うほど味が出るのは、なにもライカに限ったことでもなければ、ペイント仕上げだけに限る話でもありません。使っていれば必ずついてしまう薄い擦れや小さなキズは、カメラと所有者との大切な思い出です。時間を経るごとに生まれる「カメラの変化」を見届けてあげてみてはいかがでしょうか。

・・・

そういえば、いつもご利用いただいている下取交換はまさに「ゆくカメラ」と「くるカメラ」が交差する時間。
大切に使ってきたカメラと別れるさみしさと、新しい仲間となるカメラへの期待からくるたのしさが心を埋め尽くします。
きっと、前者はまた新たな人の大切な思い出を写し、後者は言わずもがな、大きな期待に応えて大活躍してくれるはずです。2021年は何を買おうかな…何デビューを果たそうかな…年が明ける前からいろいろと考えてしまいます。

様々なことが起こりあっという間の2020年でしたが今年も1年間、ありがとうございます。
そろそろ、2021年の1日目である“あした”に会いに行きましょう。
来年もよろしくお願いいたします。

[ Category:Leica | 掲載日時:20年12月31日 18時46分 ]

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