【タイムズフォト】【ホームメイドマクロ】リバースアダプターで堪能する超接写の世界
梅雨真っ只中ですが、いかがお過ごしでしょうか。筆不精なものでおよそ2ヶ月半ぶりの記事になってしまい
ました。
そんな中マップカメラでは、「ホームメイドマクロ」と称して、お手軽なマクロ撮影を提案しているわけで、
今回はマクロレンズがなくても可能な、「リバースアダプター」を用いたホームメイドマクロを掲載させていた
だきました。
標準~広角レンズを逆に装着することで、相当の接写が可能になることは以前から細々と知られてこそいるも
のの、決して取り回しのよいものではなく、一般的には積極的に利用しているという話はあまり聞きません。そ
れを可能にする「リバースアダプター」(メーカーによって名称が少しずつ違います)は各社から現在も販売さ
れており、特に広角レンズは逆装着により、かなりの倍率での接写が可能で、もっと多用されてしかり、と思う
わけであります。
筆者が所有しているものは、Nikon マクロアダプターリング BR-2Aという純正のものです。フィルター径52mm
のレンズに使用できます。11年前に購入したのですが、あまり使用する機会に恵まれず…。余談ですがNikon純
正ではこのほか、BR-2Aと併用でフィルター径62mmのレンズを装着できるBR-5リングや、逆装着した状態でフィ
ルターやレンズフードを装着するためのBR-3リングが販売されています。さすが!
写真1. BR-2AリングをNikon Ai Nikkor 28mm F2.8Sに装着したところ
ただし、いざ装着してみると、まず自動露出は全く使えません。さらにヘリコイドをいくら回してもピントの
調整はできません。そして超接写ゆえ被写界深度が極めて狭く、被写体を探してかつピントを合わせるという作
業に恐ろしく根気が必要です。前述のとおり取り回しがよいとはお世辞にも言えず、このあたりがあまり一般的
でない理由でしょうか?
というわけで、下の画像をご覧いただきたいのですが、一番上(写真2)は通常撮影、中央(写真3)はマクロ
レンズのNikon Ai Micro-Nikkor 105mm F2.8Sで撮影、一番下(写真4)が、Nikon Ai Nikkor 28mm F2.8Sをリバ
ースアダプターで逆装着した画像です。
写真2. 通常撮影(Nikon AF DX Nikkor ED 18-70mm F3.5-4.5G)
写真3. マクロレンズ最短距離で撮影(Nikon Ai Micro-Nikkor 105mm F2.8S)
写真4. リバースアダプター撮影(Nikon Ai Nikkor 28mm F2.8S + BR-2Aリング)
使い勝手については随分とけなしてしまいましたが、本当に数ミリの世界がファインダーに広がります。
写真5. 定規の一部分(Nikon Ai Nikkor 28mm F2.8S + BR-2Aリング)
…実は先だって、今年3月に掲載した栃木県・三毳山(みかもやま)のカタクリの記事で、このリバースアダ
プターを使用した画像を一点だけ掲載していたのですが、それを見た当マップタイムスの大先輩・コリドラス氏
に「おもしろい、もっと見てみたい」という評価をいただきまして、筆者の中でネタの候補としてあたためてお
き、今回の掲載に至ったという経緯をここに白状します。
それはさて置き、以下リバースアダプター使用の画像をどうぞご堪能ください!カメラは最近めっきり出番の
少なくなってしまったNikon D200をISO100で使用、レンズはAi Nikkor 28mm F2.8SとAF Nikkor 35mm F2Dです。
写真6. 一万円札の模様に隠しこまれた「NIPPON GINKO」の文字
Ai Nikkor 28mm F2.8S f8・4秒
一万円札に限らず、紙幣の至るところにこのような文字が埋め込まれています。続いてもお金シリーズ(?)で
筆者秘蔵の旧500円硬貨です。画像で再現できるかどうか不明ですが、質感もよく出ています。
写真7. 旧500円硬貨の裏面
Ai Nikkor 28mm F2.8S f11・4秒
今回は室内での撮影となったため、かなりのスローシャッターとなってしまいました。三脚とケーブルレリー
ズは必須、さらにマクロスライダーなどがあると便利かも。露出はカメラ内臓のものが今一つ使いにくいため、
単体露出計を使用しました。
写真8. QRコード
Ai Nikkor 28mm F2.8S f16・8秒
写真9. 米粒
Ai Nikkor 28mm F2.8S f11・1秒
写真10. 味付のゴマ
Ai Nikkor 28mm F2.8S f11・1/1.6秒
写真11. 歯ブラシ
Ai Nikkor 28mm F2.8S f5.6・2.5秒
写真12. 赤のビニール盤EPレコード
AF Nikkor 35mm F2D f22・10秒 ※ライトボックスを下から照射
被写体のほとんどが、筆者の自室に転がっているものであり、ライティングも室内蛍光灯と窓からの自然光
にレフ板とスライド観賞用のライトボックスのみで、本格的なもの、特殊なものは一切使っていません。繰り
返しながら決して使いやすいものではありませんが、興味のある方、ぜひ一度お使いになられてはいかがでし
ょうか。
使用機材
カメラ:Nikon D200
レンズ:Nikon Ai Nikkor 28mm F2.8 + BR-2Aリング
Nikon AF Nikkor 35mm F2D + BR-2Aリング
※Nikon リング BR-2A は、当店でも取り扱っています
http://www.mapcamera.com/shopping/item.php?map_code=4960759013026