F1.8やF1.4などの開放絞り値が小さい明るいレンズを”大口径レンズ”と呼び、一眼カメラらしいボケ量の多い写真を撮りたい方には外せないMUST BY LENSと言えるでしょう。
しかし、その”大口径レンズ”の名を超えるレンズが2019年に登場しているのです。
中一光学 SPEEDMASTER 50mm F0.95 III
F0.95という異次元の開放絞り値を実現した”超大口径レンズ”がどのような写りをしてくれるのか気になった筆者はSONY α7RⅤ ILCE-7RM5と共に撮影をしてみました。
シンプルに見た目の格好良さにも惹かれるこちらのレンズですが、F0.95という普通では体感できない被写界深度の浅さで見たことのない景色を見せてくれることでしょう。
そんな期待を胸に、まずは当レンズのスペックを確認しておきたいと思います。
上記の通りCanon-RF、NIKON-Z、SONY-E、ライカ-Lの4つのマウントで提供されているため、興味がある方は是非今回の作例などを参考にしていただければと思います。
そして絞りリングはクリック感のない無段階式となっているため動画撮影時に絞りリングの操作音を拾ってしまう心配がなく写真撮影だけでは留まらない設計となっております。
更にフォーカスリングのストロークは320度もあるため、今回の撮影でも細かくピント合わせしやすかったです。
そんなSPEEDMASTER 50mm F0.95 IIIがどんな写りをするのか、一緒に見ていきましょう。
早速、F0.95の写真でございますがこのボケ感いかがでしょうか。
人間の目では決して見ることができない圧倒的なボケを表現してくれています。
コップの写真に関しては背景に日用品がたくさん置かれている状態だったのですが、全くもって何が置いてあったか分からないほどの被写界深度の浅さを感じていただける1枚となっているかと思います。
「被写界深度が浅い」と聞くとやはり気になるのがポートレート撮影。
ガッツリとしたポートレートではありませんが子どもと買い物へ出掛けた道中で撮影してみました。
圧倒的なボケの破壊力にすっかりやられてしまった筆者。
ピント面から一気にとろけていくようなボケ感はF0.95でしか体験できない世界観があります。
ポートレート以外でも主題を際立たせたいなんて思おうものなら、倍以上の結果で要望に応えてくれる「仕事のできるレンズ」です。
そんなボケに注目しがちな当レンズですが、少し絞ってあげると解像度がかなり上がります。
当レンズの特徴としてF0.95やF1.4まではソフトフォーカスがかかったような描写をしているのですが、F2くらいから急に描写が良くなりF4ではα7RⅤの約6010万画素にも負けない中央解像度を見せてくれます。
F0.95から考えるとF2でも2段以上絞ったことになるので絞り幅の堂々とした余裕を感じました。
上の写真はF0.95とF1.4の作例です。
こちらのレンズの特徴として円形絞りは対応しておりませんので少し絞ると玉ボケが11角形のボケになります。
ここは好みが分かれるところかもしれませんが、オールドレンズは皆等しく絞り開放以外は円形になりませんのでいい意味でオールドレンズ感を楽しんでいただければと思います。
今回撮影した作例を見ていて感じたのが発色の良さです。
作例は全てJPEG撮って出しですがもともと色乗りがこってりしているのでRAWであったとしても現像で色の追加処理をする必要もないくらいだと思うほどです。
そしてなにより発色が良いレンズは自然と撮るのも楽しくなります。
なぜなら撮影結果をカメラ側で確認した際に、ある意味作品として完成しているので見栄えがとても良いからです。
このような撮影体験をさせてくれるだけでも当レンズを使用する価値が生まれるのではないでしょうか。
F0.95は単焦点レンズでよく見るF1.8よりも2段分も明るくなっており、ISO感度を下げたり、シャッタースピードを上げて撮影することが可能となっておりますので夜景などの暗所撮影にかなり向いているレンズなのです。
どうしても暗所撮影時はシャッタースピードを下げざるを得ない状況なので手ブレや被写体ブレの危険性が上がっていきます。
そういった場面でのF値の小さいレンズはヒーローと言っても過言ではないでしょう。
そして、自転車の写真のように絞り開放でも暗所撮影時の方がシャープネスが高いと感じました。
色収差がかなり大胆に出るレンズですが明暗差が大きくないため上手くフリンジなどが隠れてくれてとてもいい感じの画を出してくれます。
実はこの自転車の写真が当レンズを使用して初めての一枚となっており、こちらの描写も相まって個人的に一番思い出深いショットとなりました。
光と影を見つけたらとりあえず撮りたくなるのが写真好きの共通認識だと勝手に思っている筆者ですが、こういったコントラストの出したい場面でも上手く表現してくれるのがSPEEDMASTER 50mm F0.95 III。
こちらは自転車で移動中に見つけて思わず撮影した2枚です。
この日は晴天で太陽光も強くコントラストがしっかりと出ており夏の強い日差しを感じるシーンです。
ではここで周辺減光のチェックもしておきましょう。
F0.95だと1/8000ではシャッタースピードが足りず露出オーバーになってしまいましたので明るさの調整を入れています。
そのため他の写真と比べてコントラストや色味の出方に違いがあることはご了承ください。
結果としては流石にF0.95だとかなり大きく周辺減光が出ております。
しかしF2以降からかなり落ち着いており、F4だと周辺減光は解消されている印象でした。
ただ絞り開放時の周辺減光を活かし中央の被写体に注目させることができますので上手く活用いただければと思います、
中一光学も逆光耐性を高めたと謳っている当レンズですが、ゴーストは出るものの逆光時のフレアはかなり抑えられている印象です。
逆光に弱いレンズだと上の街灯のようなシーンでコントラストを失いがちですが、しっかりと描写してくれていることが分かります。
逆光時リングゴーストが出たりもしますのでポートレートなどで活用すると良い効果が生まれそうです。
F0.95の絞り値を体感しようと思うと100万円超えを覚悟しないといけないと思いがちですが、中一光学 SPEEDMASTER 50mm F0.95 IIIは10万円以下で購入が可能です。
”超”大口径レンズF0.95が魅せる非現実的な世界を気軽に楽しむには最適のレンズとなっているかと思いますので、是非一度手に取ってお試しいただければと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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