【徹底比較シリーズ】コンパクトフルサイズ一眼!EOS RP vs α7C
フルサイズセンサーのカメラを使いたい。
でも小さくて軽くて持ち歩きやすいカメラが欲しい。
値段も安く抑えたい。
でも機能は妥協したくない。
そんな贅沢な悩みをお持ちのあなた。
ー その願い。叶えましょう。 ー
今回、フルサイズミラーレス一眼カメラの中でコンパクトを突き詰めた2機種、そしてそれに付随するレンズキットについて徹底比較したいと思います。
Canon…EOS RP + RF24-105mm F4-7.1 IS STM(写真左)
SONY…α7C + FE28-60mm F4-5.6(写真右)
CanonとSONYは同じような重さでコンパクトなフルサイズ一眼を提供しているので使ってみた感想なども含めて違いをお伝えしていきたいと思います。
先に価格に関してお伝えしておきますが、EOS RPが約10〜11万円で買えてしまう驚愕のコストパフォーマンスを実現しているフルサイズミラーレス一眼カメラとなっております。
しかしα7Cもα7CIIが発売されたことにより価格がかなり下がってきましたので、中古商品もかなりお買い得です。
そんな2機種のスペックチェック表を確認しましょう。
今回は以下の順番で解説していきたいと思います。
・外観比較
・ファインダー
・グリップ感
・ダイヤル
・AF性能
・手ぶれ補正
・バッテリー
・シャッター
・高感度耐性
・レンズ比較&作例
では早速進めていきましょう。
【外観比較】
どちらもコンパクトな作りであることが分かりますがファインダーの大きさや位置関係の問題で高さに差が出ております。
EOS RPはSDカードの挿入部がバッテリー室の中にありますので、側面の端子に余裕があるためHDMI端子がmicroではなくminiになっています。
ストラップの取り付け部分がEOS RPの場合飛び出ていないので平らなところにおけば水平を取りやすいのもちょっとしたポイントです。
【ファインダー】
EOS RPの方がファインダーが大きいので見やすくなっています。
しかしどちらかといえばファインダーの位置を気にされる方が多いのではないでしょうか。
スマートフォンの延長線上としてファインダーを覗かずに撮影される方々もかなり増えておりますが、ファインダーを覗くことにより晴天の際モニターよりも見やすかったり、撮影に集中できるというメリットがあります。
利き目が左目の方であれば問題ないのですが、右目の方はα7Cだとカメラが横にズレているような感覚になる場合があります。
こちらを問題ないと感じるかは人それぞれだと思うので、お近くのカメラ販売店などで是非お試しください。
そして、両機種共にバリアングル液晶を採用してるため、縦構図での撮影や自撮り、動画撮影時にも重宝します。
【グリップ感】
女性や手の小さい方にはどちらもフィットして持ちやすいかと思いますが、筆者個人的にはEOS RPに軍配が上がります。
基本的にα7Cは”握力で持つ”という感覚なのですが、EOS RPはグリップ上部に中指が引っかかるスペースがあるため握力をほぼ使わず持てる感覚があります。
グリップも深めなので重いレンズ、大きいレンズをつけた場合でもしっかりと支えられる安心感があります。
しかし握り込んだ際に手が大きめの方は両機種共に小指が余ってしまう場合があります。
そのため、Canonではエクステンショングリップを3色展開で販売しておりますので気になる方は是非チェックしてみてください。
【ダイヤル】
EOS RPはメインとサブダイヤルが付いているので人差し指と親指で役割分担をして操作する形となります。
そちらとは反してα7Cには前ダイヤルが無いため親指で基本操作を行います。
こちらに関しては完全に好みになると思いますが、個人的にはEOS RPの方がグリップが優れているため左手を添えなくても右手のみで安心して操作できる印象です。
【AF性能】
全体的なAFの精度や速さはα7Cの方が少し上回っている印象です。
両機種共に日常使いでは特に違和感を感じることはなく利用できますが、人物撮影の際に横顔での瞳AFの粘りがα7Cの方が良好です。
ただ現在マスクをされている方も多くいらっしゃいますが、両機種共にマスク越しだと人物AFは動作しませんのでご注意ください。
あと、α7Cには動物AFがついているのも魅力です。
しかしEOS RPでふとカモメを撮ってみたのですが、背景にフォーカスを持っていかれることなく自動検出して追いかけ続けてくれました。
特に動物AFが入っているわけではありませんがカメラ側で判断してくれる性能は持っているようです。
一枚目は1/400のシャッタースピードで撮影したのですがさすがに被写体ブレが酷かったので、私は学習し1/1000に設定を変更。
野鳥撮影の勉強にもなりました。
【手ブレ補正】
ボディ内手ブレ補正はEOS RPにはありませんが、α7Cにはコンパクトボディでありながら最大5段分の手ブレ補正が搭載おり大変魅力的です。
しかし、CanonのRFレンズのラインナップを思い返していただきたいのですが、実はほとんどのレンズに手ブレ補正(IS)が付いているのです。
なので大きなハンデにはならないと考えて問題ないのではないでしょうか。
尚、EOS RPには動画用の電子手ブレ補正が搭載されており「する」と「強」が選べます。
多少クロップされますが手ブレの少ない映像を残すことが可能です。
【バッテリー】
こちらに関してはα7Cに軍配が上がります。
Canon…LP-E17(700mAh)
SONY…NP-FZ100(2,280mAh)
ご覧の通りバッテリー容量は歴然の差です。
そのため撮影可能枚数にも倍以上の差がありますがヘビーユーザーでなければ特に問題なく利用できると思います。
もし心配であればLP-E17はお安く提供されているので予備バッテリーを持っていても良いでしょう。
そして、カメラ購入時の充電周りの付属品ですが
EOS RP……チャージャー
α7C…………USB-CケーブルとACアダプタ
となっており、付属品での充電方式も変わっています。
NP-FZ100用のチャージャーBC-QZ1も別売りがありますので必要な方はご購入いただければと思います。
【シャッター】
両機種共にコンパクトが故にシャッターユニットに先幕の搭載されていないため電子先幕シャッターとなっております。
そのためメリットとしてはシャッターブレやシャッターショックの影響が少ないなどがあります。
しかしデメリットとしてF値の低い大口径レンズや高速シャッターを使う際に露光ムラが出たり、玉ボケの上や下が欠けてしまう場合があります。
あと、シャッタースピードも1/4000までなのでズームレンズ関連は問題なく利用頂けるかと思いますが、F1.8などの単焦点レンズを使うと日中晴天の際に露出オーバーのため白飛びしてしまう可能性があります。
なので、場合によってはF値を少し絞る事も考えた方が良いかもしれません。
そしてα7Cはサイレント設定を入にすると電子シャッターになり1/8000秒でシャッターを切ることができるようになります。
ローリングシャッター歪みの心配がない撮影であればこちらを選択するのも一つの方法です。
連写性能も倍の差がありますので一瞬を逃したくない撮影スタイルであればα7Cの方がオススメと言えるでしょう。
【高感度耐性】
常用ISO感度の上限値はEOS RPがISO40000、α7CがISO51200となっておりますが、個人的に両機種共に大きな差はなく実用的なのはISO12800までかと思います。
ノイズはもちろんあるものの解像感を保ちながら上手く処理してくれている印象です。
どちらもある程度ISO感度を気にせず使える実力はありますので安心して撮影に挑んでいきましょう。
【キットレンズ比較】
では、ここからは作例を交えてレンズ比較をしていきたいと思います。
まずCanon RF24-105mm F4-7.1 IS STMの一番の注目ポイントは最短撮影距離の短さです。
AF時に0.2m(24mm時)、0.34m(105mm時)という形でかなり寄って撮影することができます。
基本的に「最短撮影距離の問題でピントが合わない」という問題が発生することはありませんので安心して日常でご利用頂けるでしょう。
そしてAF駆動音も無音、AF速度も速い、手ブレ補正も搭載というところで動画撮影時も大活躍しそうです。
次にFE28-60mm F4-5.6ですが見て分かる通りコンパクトさでは大勝利です。
カバンの中に入れて持ち歩く際は最小限のスペースで済むので常に持ち歩くのも苦になりません。
逆光性能はご覧の通りFE28-60mm F4-5.6の方が高いと言っていいでしょう。
この時はα7Cだけ露出を-1に設定してしまっていたのでその違いもありますが、撮影時にも明らかな違いを感じました。
ただ今回は意地悪な逆光撮影をしまいましたが直接太陽が入るような撮影をしなければ問題なく利用できますのでご安心ください。
そして、EOS RPとα7Cをレンズキットで同時に持ち歩いて撮影してみて素直に感じたことはCanonの望遠端105mmの使いやすさでした。
大きさは違えど両レンズ共に軽量設計ではあるので難なく撮影できたのですが、旅行などで速写性を求めたい時にズーム域の広さが物を言う場面があるように感じました。
そして24mmという広角端もより広く景色や建造物を写せるので利便性も高さを感じました。
しかしながら、α7Cの軽量を突き詰めた設計も負けておりません。
沈胴式のため撮影開始時には28mmまで回してから撮影を開始する格好となります。
“電源ON→レンズキャップを外す→ズームリングを回す”
最初はこちらの流れが面倒かと思うかもしれませんが案外慣れるとこっちのものです。
今回の撮影時はストラップを付けずに手持ちだったのですが全く腕が疲れる事もありませんでした。
これも総重量約676gという軽さのおかげです。
そして描写も普通に良いのです。
一眼カメラらしい大きなボケを作るにはレンズキットでは難しい場面もありますが旅行などの記録撮影としては大活躍してくれることでしょう。
いかがでしょうか。
それぞれのカメラに良さがあり、どちらを手に入れても損をすることはないでしょう。
是非ライフスタイルに合わせた選択をしていただければと思います。
最後に簡単にまとめると
〜Canon EOS RPはこんな方にオススメ〜
価格をできるだけ抑えたい。
グリップ感はしっかり欲しい。
大きなファインダーで見たい。
広角から望遠まで気軽に使えるレンズキットが欲しい。
〜SONY α7Cはこんな方にオススメ〜
バッテリーライフをできるだけ気にせず使いたい。
ボディ内手ブレ補正が欲しい。
高速連写を使いたい。
できるだけ省スペースで持ち歩けるレンズキットが欲しい。
2024年現在それぞれ後継機種と呼べるカメラが出ています。
EOS RP⇒EOS R8
α7C⇒α7CⅡ
それぞれ性能は確実にアップしており、特にAFの被写体認識関連が著しく向上しております。
しかし、十分使える性能を有していることは間違いないので是非手軽なフルサイズカメラとしてEOS RPとα7Cを検討してみてはいかがでしょうか。