【新元号令和、平成を振り返る】NIKON AF時代のニュースタンダード
平成を振り返るシリーズ。
今回は1995年(平成7年)発売のNikon (ニコン) Ai AF Nikkor 50mm F1.4Dをご紹介します。
50mmといえば〝標準レンズ”と呼ばれ、人の視線に近い画角ということでカメラ初心者からプロまで幅広く使用されているレンズです。
広角レンズや望遠レンズと比べて特別な効果が無い分、自然でストレートな表現が可能な50mmはまさに定番レンズといえるでしょう。
今回ご紹介するAi AF Nikkor 50mm F1.4Dが発売された頃、カメラ業界ではオートフォーカス(AF)が徐々に広がり、カメラ操作のデジタル化が進められていました。
翌年1996年には当時のフラッグシップ機であるF5が発売されていることを考えると、次世代のAF機に向けた新たなスタンダードとして開発されたことが分かります。
最初の3枚はすべて解放F1.4で撮影しています。
解放付近ではいわゆるクラシカルな描写になり、豊富なボケと柔らかな描写が得られます。
ピント面での線はしっかりと表現され、被写体の質感を損なうことはありません。
F2.8で撮影。
開放から2段程度絞れば収差はかなり解消され、被写体を浮き立たせつつ背景はきれいにボケてくれました。
F8で撮影。
ここまで絞り込めば線はいよいよはっきりし、とても力強い描写となります。
個人的にはこの時期のニコンのレンズはこの線の力強さが魅力だと思っています。
薄暗い階段から延びる影。
最近のデジタルカメラではF値以外にもISO感度の調整でほとんどのシチュエーションを撮影することができるようになりましたが、開放値が明るければより低い感度で撮影することができ、良好な画質を得られやすくなります。
また一眼レフの場合はファインダーで見える像の明るさがレンズの開放値に比例するため、暗い場所でもファインダーが見やすいという恩恵を受けられることも忘れてはいけません。
今回の撮影ではAFとMFを共用してみましたが、20年前のレンズとはいえAFは正確に働き、よほど細かな被写体でない限り迷うことはありませんでした。
MFではピントリングのトルクがさすがに軽く感じられるものの、遊びは少なく快適に操作することができました。
ご使用いただく上での注意点は、本レンズのAFはボディ内モーターでのみ動作するため、ボディ内にモーターが無い機種ではAFが使用できません。
また、ミラーレスZ用のNikon (ニコン) マウントアダプター FTZにおいてもAFは作動せず、MFのみ可能となっております。
購入をご検討される際はご注意ください。
いかがでしたでしょうか。
最新のレンズに比べれば見劣りする部分も多く有りますが、それでも撮影する上で必要な最低限の機能は備わっています。
何より開放での柔らかな描写に加え、最新のGタイプやミラーレス用のZレンズと比べても小型軽量なのもうれしいところです。
発売されてから20年以上、多くの人に愛用されてきたこのレンズをぜひお試しください。
Nikon (ニコン) Ai AF Nikkor 50mm F1.4D
Nikon (ニコン) D800E
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