焦点距離を稼ぐため、テレコンバーターを使うか悩まれている方、多くいらっしゃるのではないでしょうか?
Nikonには1.4倍・1.7倍・2倍と選択肢が3つあり、なおかつⅠ型からⅢ型までございます(1.7倍はⅡ型のみ)。
*1.4倍のテレコンバーターならば光量が1段落ち(F2.8⇒F4)、1.7倍は1.5段落ち(F2.8⇒F4.8)、2倍は2段落ち(F2.8⇒F5.6)
そこで、今回は多くの方が気になっているであろう、2倍のテレコンバーターに焦点を当てることにいたしました。
2倍のテレコンバーターと聞きイメージするのが、画質やAF速度の低下だと思います。
筆者も2倍のテレコンバーターを使用することは滅多にないので、たくさん撮影し確かめていきます。
そして今回、比較する型は「AI AF-S TELECONVERTER TC-20E II」と「AF-S TELECONVERTER TC-20E III」になります。
AI AF-S TELECONVERTER TC-20E II
2002年発売のⅡ型のテレコンバーター
Ⅰ型からの変更点は外観デザインの変更のみ。『AF-S』レンズに合わせたデザインになりました。
大きさ 約66mm(最大径)×55mm(バヨネット基準面の間隔) 重さ 約355g
良好な光学性能を備え、主レンズの性能を充分に活かし優れた画質が得られます。また、主レンズの各種信号伝達にも対応。
AF-S TELECONVERTER TC-20E III
2010年発売のⅢ型のテレコンバーター
Ⅱ型からの変更点は「非球面レンズ」を使用し、画質が格段に向上。
大きさ 約66mm(最大径)×48mm(バヨネットマウント基準面の間隔)重さ 約330g
非球面レンズを採用し、光学性能を向上させるとともに、デジタル性能を考慮した新光学設計になっている。
では早速、Ⅱ型からご覧ください。
*今回の撮影で使用したNikonボディはD6、レンズはAF-S NIKKOR 400mm F2.8E FL ED VRとなります。【焦点距離800mm F値5.6】
絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/1000 / ISO:200
正直なところ、そこまで期待をしていなかったⅡ型のテレコンバーター。
いざ撮影してみると….
絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/1000 / ISO:200
ピントも速いし、写りも想像以上。
絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/1000 / ISO:200
ピントが少し甘いですが、2倍のテレコンバーターと考えれば、とても優秀なのではないでしょうか。
そしてⅢ型
絞り:F9 / シャッタースピード:1/800 / ISO:400
Ⅱ型の使い心地が想像以上に良かっただけに、Ⅲ型はそこまで感動しないかなと思っていたのですが….
絞り:F9 / シャッタースピード:1/800 / ISO:400
これまた驚き。
ヨンニッパ(400mm F2.8)に2倍のテレコンバーターではなくハチゴロー(800mm F5.6)を使っている感覚でした。
最後は撮影設定を同じにし、同車種をⅡ型とⅢ型で撮り比べてみました。
Ⅱ型 絞り:F9 / シャッタースピード:1/800 / ISO:400
Ⅲ型 絞り:F9 / シャッタースピード:1/800 / ISO:400
静物撮影ではないので、なかなか同じラインで車両を撮ることは難しいのですが…
2枚並べて比較をしてみると、Ⅲ型の方が全体的にクリアに写っているように感じます。
Ⅱ型とⅢ型、どこまで性能に違いがあるのか…
慣れればなれるほど自分が何型で撮っているのかわからなくなりました。
それくらい、Ⅱ型の精度が高いのかもしれません。
ただし細かい違いを見てみると、AF性能には多少差が出てくることが分かりました。Ⅱ型よりⅢ型の方がピントの最初の食いつきが、非常に良いように感じました。
今まで、テレコンバーターは1.4倍しか使ってこなかった筆者。
それは画質の心配をしていたから。ですが、今回の撮影でその不安はなくなり、今後は2倍を多用していこうと思います。
焦点距離を伸ばして皆様も楽しんでみてはいかがでしょうか。
*今回はD6に400mm F2.8E FLとNikonの中でも最高の組み合わせで写真を撮っていること、加えて筆者はMFで少しだけピントを調整する癖があるため、Ⅱ型のテレコンバーターの使用でも、そこまで食いつきの悪さは感じなかったのかもしれません。
また普段から1.4倍のテレコンバーターを使用しているため、そこまで撮影にストレスを感じませんでしたが、初めてテレコンバーターを使用する方ですと、Ⅲ型でも極端にAF速度が低下したように感じてしまうので、1.4倍からチャレンジすることをお勧めいたします。
使用できないレンズもございますので、お問い合わせいただければと思います。