【新旧共存】SAL・SEL Planar T* 50mm F1.4【SONY】
【新旧共存】
今回比較するレンズは、「Planar T* 50mm F1.4 ZASSM/SAL50F14Z」のAマウントレンズに対して、
Eマウント側は、「Planar T*FE 50mm F1.4 ZA/SEL50F14Z」とA・E両マウントに存在するツアイスの標準単焦点です。
比較検証用ボディはα7RⅣです。
両レンズともZEISSレンズならではの高い解像力とコントラストをかねそなえたフルサイズ標準大口径レンズです。
スペックシート上での違いで着目する点は、質量とレンズ構成です。まず、質量ですがA側が518gで、E側が778gとその差が260gとなります。イメージとしては小玉のリンゴが一つ約250gなので、E側がリンゴ一個分重い事になります。
数字上で250gと聞くよりも「リンゴ1個分」と聞いたほうがイメージしやすいですよね。E側は持ち運びや撮影時に重さを許容できるかがポイントです。
次に、レンズ構成ですがA側が「5群8枚」に対して、E側が「9群12枚」とかなり構成に違いが生じています。E側の重量の増加は構成レンズ枚数の増加が原因と考えてよいかと思います。
この構成の差が描写にどのような影響を与えたのか、実際に撮影した画像をさっそく見てみましょう。
Aマウント
Eマウント
一枚目の写真では、発色に差があることがわかります。
Aマウントレンズの方が青の発色が強く感じます。
対してEマウントレンズでは自然な発色に近いと思います。
同じ開放F1.4での撮影ですが、周辺部までのシャープネスはEマウントレンズのほうが高く感じました。
Aマウントレンズはシャープネスの中にも少し柔らかい雰囲気を感じました。
Aマウント
Eマウント
二枚目の写真では、発色の差はあまり見られませんでした。
しかし、画面左の樹木のシャープネスに差を感じました。やはりここでもEマウントレンズが少しシャープで、Aマウントレンズだと柔らかく感じます。
微妙な描写の違いですが、ぱっと見て与えられる印象に差が出るので、重視してよい内容だと思います。
Aマウント
Eマウント
3枚目の写真では、手前の木々の発色に注目しました。
Eマウント側の発色がより鮮やかに見えます。細かな木々の描写力に関しては両レンズとも高い水準にあると思います。
2本のレンズを撮り比べた感想は、「発色・ピントピーク以外の部分でのシャープネスの違い」を感じました。
同じツアイスのレンズでも微妙な違いが生じる事に感心しました。個人的にはEマウントレンズの方が自然な発色をするので好みだと思いました。
ピントピークの描写は甲乙つけがたいところですが、周辺部やピントピーク以外の描写が異なる点は作画の際に意識するべきポイントだと感じました。
また、今度SONYから新しいマウントアダプター・Eボディからαレンズ用であります「LA-EA5」が発売されます。
より軽量で、手ごろな価格のツアイス標準単焦点を検討してもよいなと思いました。