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【自機一体】マップカメラスタッフこだわりの逸品 Vol.30

この記事では、カラーポジフィルム(リバーサルフィルム)の撮影から鑑賞までのワークフローに使用している逸品たちを紹介します。

まずは機材についてです。
筆者が愛用しているのは『contax S2』・『contax S2b』の二台です。
そもそもコンタックスとは日本のヤシカとドイツのカールツァイスが提携したブランドで、フラッグシップのRTSはポルシェがデザインしたこともあり非常に贅を尽くしたカメラでした。
そんなコンタックス初の完全機械式マニュアルカメラがS2で、改良版がS2bです。
どちらもチタン外装のため丈夫で重厚感があり、革張りのホールディング感も手にしっかりと馴染みます。
この二台の違いは、測光方法とカラーです。
S2はスポット測光でシルバー、S2bは中央部重点測光でガンメタル
個人的にはスポット測光のほうが理想の光の表現に近づくことができるので、S2を持ち出すことが多いです。

レンズは50mmと85mm、あえて少ない本数を持って行くことで自分が動いて画角を考え、そのレンズをより深く理解するよう心がけています。
『contax planar 50mm f1.4』は標準レンズの帝王と呼ばれ、581万番台のピントのキレについて都市伝説もあるロマンに満ちたレンズです。
筆者はようやく581万番台のものと出会うことができましたが、他のものと比較すると周辺部のピントピークの違いが一目瞭然で素晴らしいの一言に尽きます。
『contax planar 85mm f1.4」はポートレート撮影に必須の、個性豊かなレンズです。
開放だとピント合わせが難しく描写も若干甘いですが、オールドレンズならではのフレアや柔らかい表現を楽しむことができます。
絞り値によってシャープネスが大きく変わるので、現代的なキレのある描写も得意です。

次に、フィルムの種類について簡単に説明をしようと思います。
代表的な種類としては、「カラーネガフィルム」・「モノクロフィルム」・「カラーポジフィルム」の3種類があり、
カラーネガフィルムとモノクロフィルムは撮影終了後に現像し、スキャニングやプリントをすることで結果を確認できるようになります。
(一部モノクロフィルムのリバーサルフィルムも存在します。)
カラーポジフィルムの場合、現像することでフィルムそのものが撮影結果となるためスキャニングやプリントをしなくてもフィルムの状態で鑑賞することができます。

筆者は『Kodak Ektachrome E100』を愛用しています。
このフィルムは目の前にある色や光を過不足無くあるがままに再現することができ、
ISO100のきめ細やかな粒子が被写体をしっかりと、しかし繊細に表現してくれます。
フィルムに馴染みのない方からすると驚きの価格ですが、その価格以上の感動をもたらす一本です。

また、フィルムの鑑賞方法には「スリーブ」と「マウント」の2種類があり、
「スリーブ」は6枚分のフィルムが帯状に連なっているもの、「マウント」は1枚1枚が切り離されマウントという枠に入れられているものです。
筆者は毎回「スリーブ」仕上げで注文をしています。
フィルムが連続している「スリーブ」は、撮影日の時間の流れを振り返ることができるため記憶と記録を同時に楽しむことができます。

実際に鑑賞するときは、このようにライトボックスと呼ばれる板の上にフィルムを置き、ルーペを使って覗きます。
筆者は富士フイルムの『フジカラーLEDビュアープロ4×5』を使用しています。
コンパクトで嵩張らず、別売りアダプターを使わずとも単4アルカリ電池で使うことができるので持ち運びにも便利です。
ライトボックスの代わりにトレース板を使うこともできますが、フィルム鑑賞に適した色温度に対応したライトボックスがおすすめです。
ルーペはETSUMIの『コンパクトルーペ5×』を使用中ですが、いつかCarlZeissの『Triotar Lupe 5×』も使ってみようと目論んでいます。
冒頭の写真は実際に鑑賞する際のルーペの中の光景です、覗いてみないとわからない美しさがそこにはあります。

ミラーレスカメラが主流になりつつある今、シャッターを切る前にファインダー内で結果が見られるようになりました。
便利になった一方で、1枚の写真にかける時間や思いが短く希薄になっているように思えます。
1枚1枚大事に積み重ね、時間をおいて結果を見る。
この忙しない時代だからこそ一度立ち止まり後ろを振り返る、そしてまた次のフィルムに思いを刻む、そんなフィルムライフはいかがでしょうか。



[ Category:etc. | 掲載日時:20年07月26日 16時22分 ]

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