3月某日。不安定なお天気が多く感じられた先月ですが、この日は雲一つない快晴で気温も風も何もかも心地よく過ごせたことを覚えています。
手にしたカメラは、Canon EOS R。6年前に発売された本機はEOS Rシリーズの最初のモデルです。発売当時、キヤノン初のフルサイズセンサー搭載のミラーレス一眼カメラとして大きな注目を集めました。様々なニーズに応えるため、進化と多様化を続けるEOS Rシリーズ。たくさんの選択肢がある中で、今初代を選ぶメリットをご紹介していきたいと思います。
待ち合わせ場所でさっそく撮影した1枚。カメラを手にしていると、普段では見えないもの、見逃しているものを捉えられるように思います。
組み合わせたレンズはCanon RF24mm F1.8 MACRO IS STM。狭い路地のビルを左右いっぱいに写すことができます。
混雑が予想される目的地だった為、軽量小型の大口径・広角単焦点レンズを選択しました。
さっそく目的地へやってまいりました。予想通りの賑わい具合で、多くの人が咲き誇るサクラとミモザに歓声を上げています。筆者もファインダーと肉眼とで、大忙しに春の美しい花々を堪能します。
Canon EOS Rの有効画素数は約3030万画素。フルサイズRシリーズの中で2番目の高画素機です。画面の隅々まできめ細やかな表現を楽しむことができます。
1枚目は少し露出オーバーめに、白昼夢のような光景を意識してシャッターをきりました。さくらとツバキ、よく晴れた空、本当にこの日は絶好の撮影日和でした。
いざ、大賑わいの境内へ。いつか空いている時期にまたお邪魔したいなと考えていると、敷地内の隅でツバキの花弁が目に着きました。ここぞとばかりに、ササッとしゃがんで接写します。
本レンズは最短撮影距離14cmのハーフマクロレンズ。上記2枚でもグッと近くで撮影をしています。
デメリットに上がるブレやすさやピントの速さは全く気にならず、むしろ驚く程、素早く手軽に行えて画作りに集中することができました。
順番待ちをしてミモザにたどり着きました。EVFは0.5型・有効画素数約369万ドット。これは今一番人気のEOS R6 Mark IIと同じものです。
光学ファインダーのようなリアルな見え方や、メガネをかけたままでものぞきやすい約23mmのアイポイントが撮影に没頭させてくれます。
自撮りも縦位置撮影でもモニターの角度を自在に調整することができるバリアングル式液晶は、撮影の幅を広げてくれる重要なポイントのひとつです。
触れられる程近くから咲き誇るミモザと、うっすらと見えるひこうき雲を無理なく安定した姿勢で撮影することができました。
花も綺麗ですが、近くで見ると葉っぱがとても愛らしく感じられます。
ミモザの奥には別の鳥居がありました。正面とは打って変わって、人気も少なくゆっくりとした時間が流れているようです。車、自転車、人力車。新旧の移動手段が勢ぞろいしていました。
手に馴染むカメラグリップと軽くてコンパクトなレンズの今回の組み合わせ。スナップ撮影はもちろん、携帯のカメラと近しい焦点距離なので、初めてのレンズにもぴったりの1本です。
この時間は日陰でしたが、全ての鉢が太陽の光を浴びれるように並べられていて、とても優しい気持ちになりました。
特に目的はなく、川沿いをお散歩することに。日が傾くにつれて、ちらほらと雲も出てきました。あまり身動きが取れない場所や狭い路地で大活躍だったRF24mm F1.8 MACRO IS STM。
広々とした場所でも、高い解像力で楽しませてくれました。「プラスチックモールド非球面レンズ」と「UDレンズ」を含む9群11枚の光学設計が、画質劣化の原因となる諸収差を低減し、高画質を実現してくれるのです。3枚目の写真は少し距離があるなと感じ、約1.6倍のクロップ撮影を行いました。画素数が減ってしまうので懸念されがちな機能ですが、本機ではその心配は必要ありません。階段の錆び具合までしっかりと確認できます。
橋の赤色がとても綺麗に写っています。この発色の良さが人気のひとつでもあるCanon。カラープリンターで培った色再現の技術は、最新のEOS Rシリーズにもしっかりと受け継がれています。姿かたちが刻々と変化する炎と水。奥行の情報が追加されたAFの追尾性能は捉えたい被写体を素早くキャッチしてくれます。解放F値1.8との組み合わせで速いシャッタースピードを設定し、被写体ブレを抑えつつ美しい玉ボケも得られるEOS R +RF24mm F1.8 MACRO IS STM。
最新機種にも引けを取らない、大満足の撮影を楽しむことができる本機。バッテリーもCanonユーザーお馴染みのLP-E6Nで、充電持ちは申し分がありません。
生産完了品の為、ハイアマチュアモデルでありながら価格も下がりつつあります。今一度カメラ選びの選択肢に入れていただければ幸いです。