【Canon】登場から5年。今もEOS 6D MarkⅡは唯一無二の存在であり続ける。
今まで、時代の移り変わりとともに、沢山のカメラが登場してきました。
特にデジタルカメラはモデルチェンジの度にぐんぐん性能が上がり、一昔前は考えられなかったような性能を持っています。
そんな中、時が経っても個性を持ち名機であり続けるカメラがあるとしたら…
私はCanon EOS 6D MarkⅡではないかと思います。(自分が気に入っているという贔屓目を抜きにしても!)
その理由は、最初で最後の「バリアングル・フルサイズ・一眼レフ」だから。
人だかりの後ろから手を伸ばし、パレードの被写体を撮る。
地面すれすれに生えている綺麗な花を縦構図で撮る。
素早く動き回る野鳥を光学ファインダーで撮る。
通りかかった人にカメラを渡して、スマホみたいにタッチシャッターで自分を撮ってもらう。
このカメラなら、全部ぜんぶ、叶えられます!それもとても簡単に。
バリアングル液晶で撮影
今回の記事でEOS 6D MarkⅡの魅力を沢山ご紹介したいと思っているのですが、まずは一番の目玉、バリアングル液晶からお伝えさせてください。
Canonの一眼レフカメラにバリアングル液晶(パカッと開いてクルッと回せる背面液晶の事です)が搭載されたのは、2010年発売のEOS 60Dまで遡ります。
それから12年経った今もEOS Rシリーズが漏れなく採用しているこの方式は、アングルの自由度がとても高い為、撮りたいと思ったものを無理のない体勢でサッと撮影できるのです!
人通りが多い場所や、ファインダーに集中しすぎると危ない場所でも周囲に気を配りながら撮れます。
フルサイズ一眼レフとしては小型軽量とは言え、それでも大きさ重さはそこそこありますので、この液晶のおかげで軽快に撮れるのは本当に体が楽です。
ライブビュー撮影のオートフォーカスも高速で、タッチシャッターも搭載していますのでスマホ並…とまではいきませんが、お手軽に撮ることも得意なカメラです。
ファインダーにて撮影
一眼レフの肝、光学ファインダーも本格的です。
視野率(一眼レフカメラのファインダー内に見える範囲が、実際に写真として写る範囲と比較してどのくらいの大きさで表示できるかを示す数値)は上下/左右とも約98%を誇ります。
なんだ、100%じゃないのか…と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実写でその2%の違いが現れる事はほぼございません。
(個人的な体感ですが、視野率が96%を割ってくると、「あれ、何か違う」という違和感を感じ始めます)
ファインダーの色味は肉眼と比べて少しだけ赤みを帯びます。目が疲れないクリアな見え具合です。
また、ファインダー内に見やすい水準器を表示できるので、風景撮影で水平が簡単に出せるのも嬉しいところ。
その他にもグリッドを表示すれば、構図を作るのに役立ちます。
自分の瞳と同じ「生の景色」を見ながら撮影する楽しさは、何ものにも代えがたいもの。
特に光学ファインダーで良い写真が撮れた時の嬉しさは、まさしく写真趣味の醍醐味と言えるでしょう。
ファインダーにて撮影
気になる方も多いであろうオートフォーカス性能については、ほとんどの撮影で安心できるレベルです。
上の鳥写真は、至近距離を飛び回るウミネコを船の上からCanon EF16-35mm F4L IS USMで撮りました。
AIサーボAFで追尾したところ、概ねしっかりと追いかけ続けてくれた事を覚えています。
その他にもダンスホールでの社交ダンスや、空手の演舞、モータースポーツで使いましたが満足のいく結果を残してくれました。
瞳AF機能こそ付いていませんが、人の肌色に相当するところを自動で見つけてピント合わせをしてくれるので、ファインダーでも快適に人物撮影ができます。
正直に申しますと、やはり現行のフルサイズミラーレスの追尾能力には敵いませんが、薄暗いシーンなどではむしろこちらの方がビシッと合わせてくれて頼れることも。
個人的には花丸をあげたいAFです。
雰囲気良く撮りたい時はどうでしょうか。
もちろんそういった時も大活躍してくれます。
フルオートや絞り優先で撮影すると、基本的にどんな時も明るめに露出を決めたがるカメラなので、雰囲気重視で撮りたい場合は露出補整をちょっと大げさにかけると、上のような写真が撮れます。
思い切って‐1段以上アンダーにするのがおすすめ。
そうやって撮影した写真を、以下に少し載せさせて頂きます。
撮影後の現像は行っておりません。全てJPEG撮って出し(無加工)です。
最初からエモい雰囲気で撮れていれば、スマホへ転送しSNSへアップロードする時も、いちいちスマホ上で編集しなくて良いのでお手軽です。
更にNFC機能が付いているので、Androidスマホならかざすだけで自動でアプリが起動し、サクッと転送できます。
面倒なパスワードや設定はいりません。
高感度の画質はどうでしょうか。
上の写真は薄暗い場所でISO4000で撮影したものです。(Photoshop等でのノイズリダクションはかけておりません)
ISO4000というのは2022年現在でもかなりの高感度だと思うのですが、画質にはまだまだ余裕があり、ニスを塗られた木の質感や金属と木の描き分けもしっかりしています。
同じくISO4000でほぼ明かりのない夜の公園を撮影したカットがこちら。
流石に質感描写が甘くなりますが、まだまだ実用感度と言えるでしょう。
非常時にはISO6400も十分選択肢に入れられます。
しかし実際はこんなに感度を上げる必要の無い事が多く、IS(手振れ補正)付のEFレンズと組み合わせドライブモードを「ソフト1枚撮影(ミラーショックをほぼ無視できる程軽減)」に設定するだけで驚くほどブレません。
「手ブレしそうなギリギリのシャッタースピード」で心配なら、同じ構図で何回かシャッターを切っておけば、体感で3枚中2枚はブレずに撮影できるのでより一層安心できます。
最後は風景写真をご紹介いたします。
高性能なEFレンズを装着しての風景撮影は、EOS 6D MarkⅡが得意とするところ。
ダイナミックレンジが狭いと言われがちなカメラですが、実写では発色の良さや暖かい雰囲気のおかげで気になりません。
もちろん人肌はCanonの得意とするところ。赤ちゃんや女性の肌も透明感のある良い色で再現できます。
また、進出色の表現が美しいため、黄色や赤の花は積極的に撮影したくなります。
風景写真で重要な海や青空をガツンと表現したい時は、ホワイトバランスを晴天にすると良いでしょう。
濃厚なグラデーションが楽しめます。
カメラを取り巻く環境が目まぐるしく変わる今、不変なものはないのかもしれません。
しかし唯一無二ならここにあります。
世界で一つだけの、「バリアングル・フルサイズ・一眼レフ」EOS 6D MarkⅡ。
どんなシーンも器用にこなす一眼レフのスタンダード機を新品で購入できるのは、今が最後のチャンスなのかもしれません。
30年以上の歴史を持つ「一眼レフのEOS」システム。
熟成されきったこの名機を、どうかその手に。
この時代に、一眼レフ。それは写真と向き合うという選択肢。
中古商品も魅力的です。