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【FUJIFILM】付けたらどうなる?GFX+???~Leica 新旧ズミルックス編~

【FUJIFILM】付けたらどうなる?GFX+???~Leica 新旧ズミルックス編~

以前にGFXボディに様々なライカMマウントレンズを装着したらどうなるのか?実際に撮影して検証を行っておりました。本当に久しぶりになりますが、前回までに検証できなかったオールドレンズ群に焦点を当ててみようと思います。

今回はライカレンズでも人気の高い銘玉、ズミルックス。現行タイプに関しては検証致しましたが旧世代については未検証のままです。諸般の都合でラインナップは限られるものの、ご参考頂けると幸いです。使用ボディはFUJIFILM GFX50SIIにSHOTENのマウントアダプターLM-FG IIIを使用して検証しています。まず1本目はズミルックス M50mm F1.4初期型です。開放での柔らかさと、絞った時の立体感が自然で常に人気の高い1本。早速見てみましょう。

無限遠での撮影です。ケラレの発生が見られます。この頃のズミルックスは球面レンズの為、なんとなくですが独特の歪みも見られます。

続いて最短撮影距離での結果です。無限遠時よりも多少ですがケラレは改善されています。多少トリミングで切り出しても良いと考えれば、近接域は実用できる可能性も感じられます。

最短撮影距離付近での撮影です。対象がガラス越しなのですが、ピント部分はGFXのセンサー性能もあり解像感は保たれています。球面レンズ特有の周辺部の歪みも見られますね。35mm換算39~40mm相当になります。

ピント部分を拡大してみました。ガラス越しという条件ながらも、ピント部分の芯と軟らかさがお分かり頂けると思います。実際にガラス越しでない部分でも撮影をしてみましたが、劇的に変わるという印象はあまり感じられませんでした。元々開放付近は甘い事に影響しているかもしれません。

続いて2本目はズミルックスM50mm F1.4後期型、ブラッククロームのタイプで後期の後期型。後期の前期型はシルバーの鏡胴になっています。初代ズミルックスから開放側の描写が改善され、安定感の強い1本。クラシックな描写ながらもしっかりした写りは妙味で言えば初期型、使いやすさで言えば後期型です。

無限遠側です。初期型と比べると本当に僅かではありますが、ケラレが改善されているように見えます。

続いて近接側です。こちらも初期型と比べるとケラレが改善されています。初期型は近接域のみでならトリミング等で対処できそうでしたが、後期型はどちらでも許容の程度次第では実用可能とも考えられます。

最短撮影距離付近での撮影です。レンズのコンディションにもよると思います。初期型と比べるとスッキリした写りです。ズミルックスならではの線の細さで描き出している表現も分かりやすい1枚。

ピント部分を切り出してみました。初期型に見られた1枚ヴェールが掛かったような描写から、クリアでスッキリした描写になっています。しかしアウトフォーカス部分の滲み具合が初期型の名残を感じさせる表現です。初期も後期も共に最短撮影距離が1mなのでクローズアップ撮影にはやや分が悪いものの、中判デジタル機であれば切り出して疑似クローズアップとして使用しても良いかもしれません。

続いて広角域となるズミルックス35mm F1.4 第2世代目です。こちらも開放からボケ味や滲み等が強く現れ、絞ると50mm同様に非常に繊細な表現をするレンズ。第1世代は希少価値が高く、最近ライカからも復刻モデルとして販売されています。今回は2世代目の無限遠ストッパー付タイプ。こちらも希少価値の高いモデルです。アダプターとの干渉を懸念していましたが、装着したところ干渉は見られませんでした。

無限遠側です。広角レンズという事や、後玉側にレンズガードが付けられている影響からケラレが目立ちます。35mm換算28mm相当となる為、広角レンズはやはりハードルが高い事を実感させられます。

続いて近接域です。無限遠と変わりなく、改善は見られませんでした。ここまで目立つと実用するには限られた用途になりそうです。

最短撮影距離付近での撮影です。球面レンズによる歪みもやや目立ちます。しかし描写は光源部分の滲みがあり、絶妙な描写。

ピント部分を切り出してみました。35mmなので分かりやすいようにかなり拡大して切り出しています。しっかり等倍で見てもピント部分はしっかりと写し撮っているのは正にGFXのセンサーサイズと画素数、そしてライカレンズの描写力の併せ技と言ってよいでしょう。ピント部の傾向は50mm F1.4初期型と少し似た傾向にあります。

最後にもう1本。歴史の流れを一気に跳躍し、最新の現行タイプであるズミルックスM35mm F1.4 ASPH. 11726タイプです。距離計非連動域での近接撮影と絞り羽根の枚数が増え、描写の美しさとシャープネスを持つ現代のライカレンズ。折角なのでGFXにも装着してみました。

無限遠側での撮影です。第2世代ほどではありませんが、ケラレはやはり目立ちます。広角レンズと考えてみればなかなか健闘している結果です。

続いて近接域。ケラレが大幅に改善されています。ライカの広角レンズはとにかくケラレが目立ちました。但し今回のズミルックス35mmはその中でもケラレが少ないと感じます。

距離計連動域、最短撮影距離0.7mでの撮影です。非球面レンズの採用により、周辺の歪みが最小限に抑えられています。現行モデルとあり、性能の高さを感じさせる結果です。

続いて距離計非連動域、最短距離0.4mでの撮影です。ケラレに関しては改善されませんでした。しかしMレンズでここまで寄れるというのも現状珍しく、新世代MレンズとGFXの組み合わせというのもあまり無い作例かと思います。恐らく後玉の干渉について懸念される方も多いはず。装着時に筆者も意識し、一旦最短までピントリングを回した状態で装着。無限遠まで確認したところ、センサーに接触するような感触はありませんでした。但しアダプター使用による不具合はメーカーとしては保証対象外です。ご留意ください。

ピント部分を切り出してみました。流石の現行レンズ。ピント部のシャープさとアウトフォーカスに連なるボケも非常に自然です。この部分に関してはGFレンズに比肩できる程の描写力と感じます。

今回はライカのズミルックスに焦点を当て、クラシックから現行モデルまでを検証しました。こうして見ると執筆しながらレンズの個性も見えやすく、GFXとの相性という部分以外にズミルックスをご検討の方にも参考頂ける内容となったと感じます。次回もクラシックレンズとの組み合わせです。ご期待下さい!

[ Category:etc. FUJIFILM Leica | 掲載日時:23年06月09日 20時00分 ]

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