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【FUJIFILM】春の中望遠マクロ撮り比べ

【FUJIFILM】春の中望遠マクロ撮り比べ

春といえばお花見。お花見といえばマクロレンズ。今回はFUJIFILMから出ている中望遠マクロレンズを使って、春の風景を撮り比べしてみました。

使用したレンズは「XF60mm F2.4 R Macro」と「XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro」、ボディは愛機の「X-Pro3」です。ご覧下さい。


最初は「XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro」です。この日はあいにくの空模様。今にも雨が降りそうな中、カバンからレンズを取り出し付け替えます。

「XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro」は長さ13cm、重さ750gとXF単焦点レンズの中でも重量級のレンズとなっています。そのサイズ感から手の出しにくいイメージがありますが、その撮影性能は特筆物でした。

まずは最大撮影倍率の高さから。被写体を等倍で写すことが可能であり、花の中心部にここまで寄ることが可能です。その分被写界深度は浅くなるため、この写真でもF8まで絞って撮影しています。

絞って撮影となるとシャッタースピードを下げるか、ISO感度を上げざるを得なくなりますが、このレンズにはレンズ内手ぶれ補正機能の「OIS」が搭載されています。これが一役買うことによって、手持ちの撮影でもブレを気にせず絞ることが可能となります。今回使用した「X-Pro3」にはボディ内手ぶれ補正がない機種でしたが、絞りながらMF撮影をしても問題ありませんでした。

またAF性能も優秀で、キビキビと動く印象です。リニアモーターを内蔵しているので、高速かつ静音な挙動でした。MFのトルク具合も良く、フォーカスリングの大きさからくるピントの合わせやすさも兼ね備えています。

予想はしていましたが、途中から雨が降って来てしまいました。雨足が弱まるまで雨宿りをし、タイミングを見計らって撮影再開です。河津桜に雨粒がついているものを狙って一枚。花びらについた雫の一粒一粒までしっかりと描写しつつ、河津桜の濃いめの桃色がしっかりと発色しています。筆者のイメージとしては、線は細めですが開放からしっかりと色が乗ってくるため、ポートレートなどにも使えそうだと感じました。

さて、このレンズのもう一つの魅力が防塵防滴仕様です。今回のような急な雨でも安心して撮影に挑むことが出来ますし、濡れている被写体に近づくことも容易です。余計な心配事が減るため、集中して撮影することが出来ます。

引きの画も撮ってみました。前や後ろのボケも綺麗で、ピントのあった部分をより引き立たせてくれます。マクロレンズというと、画作りの硬いイメージが筆者にはありましたが、いい意味で期待を裏切られました。

最後は雨の中の撮影となりましたが、返って「XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro」の魅力を存分に感じることが出来ました。解像感と柔らかな描写の同居という点では、他メーカーのマクロレンズに引けを取らない結果になったかと思います。加えて、正確で緻密なAFや防塵防滴、レンズ内手ぶれ補正など、マクロ撮影をするうえで必要な要素が全て詰まっています。Xマウントのマクロレンズの決定版と言っても過言ではないでしょう。

 


続いては「XF60mm F2.4 R Macro」です。このレンズの歴史は古く、2012年2月18日に発売された、実に13年前のレンズです。Xシリーズ発足と同時に3本のレンズが発表され、「XF35mm F1.4 R」「XF18mm F2 R」とは兄弟にあたります。

そのためAF速度の遅さや最大撮影倍率がハーフマクロ相当だったりと、選択肢の増えた現在のラインナップの中では目立たないレンズとなってしまいました。筆者自身も以前、中望遠レンズの選択肢の一つとして考えたことがあり、上記の理由から敬遠した覚えがあります。

今回は撮り比べということで、実際に撮影した使用感や、前述した「XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro」と比較したこのレンズの良さについてお伝えします。

この日は晴天に恵まれ、早咲きの桜が見ごろを迎えていました。ふと見るとミツバチでしょうか、花の蜜を吸いに忙しなく飛んでいます。咄嗟の撮影で少しピントが甘くなってしまいましたが、スナップ撮影と考えるとこれもアリかと思います。

前述した「XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro」は大柄なレンズのため、ボディにつけっぱなしにするのは難しい部分もありました。しかし「XF60mm F2.4 R Macro」は全長70.9mm、重さ215gと軽量コンパクトであり、撮影地に赴く前からボディに付けていても負荷は無い部類に入ります。こういった点はこちらのレンズに分があると思いました。

心配していたAF速度も、迷いやすい色味の被写体や最短の近接撮影を除けば目立ったストレスもなく、常用できると感じました。使用した「X-Pro3」がいわゆる第4世代センサーやエンジンを搭載している機種であったため、比較的新しいボディにつけて撮影する分には問題ないと思います。

こちらはヒスイカズラと言って、別名は青い宝石。3〜5月に見ごろを迎える、フィリピン原産の熱帯植物です。先端がくるっとした青い花弁が特徴的です。珍しい色味でしたが、どこか優しくもある印象をしっかりと描写してくれました。

絞り開放での撮影だと、柔らかな画作りになる印象を受けました。色乗りもしっかりとあるのですが、「XF35mm F1.4 R」と似た雰囲気と言いますか、オールドレンズチックな描写をしてくれます。

肝心の近接撮影性能ですが、ハーフマクロと言えど、ここまで寄ることが可能です。こちらはF16まで絞って撮影。ブレ防止のためシャッタースピードを担保する目的でISO感度を上げましたが、返って粒状性が増しフィルムライクな写りに。

「XF60mm F2.4 R Macro」には手ぶれ補正機能は搭載されていませんが、コンパクトなサイズ感が幸いしてカメラをホールドした時のボディバランスが良く、結果的にブレを抑制しています。総じて取り回ししやすい印象を受けました。

このサイズ感であれば、X-E4やX-M5などの小型軽量なボディとも相性が良さそうです。

今回の撮影で特に気に入った一枚です。花手水をマクロ撮影、定番かもしれませんが花と水の異なる質感が美しく描写されています。

「XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro」と比較して、たしかにAF周りやボケの柔らかさなどで劣る部分はあると思います。しかし、手軽に持ち出せるサイズ感、絞りによって表情の変わる描写性、どこかオールドレンズを感じさせる初期のXFレンズ特有の写りなど、唯一無二の魅力が「XF60mm F2.4 R Macro」にはありました。この写りはぜひ皆様にも手にとって感じていただければと思います。


いかがでしたか。筆者は普段マクロ撮影を行わないので、マクロレンズというものをひとくくりに考えてしまっていました。しかし、レンズによってここまで個性が出るのかと、今回の撮影で気づきを得ることができました。

これから春本番を迎え、色々な被写体が顔を出します。ぜひマクロレンズで撮影してみてはいかがでしょうか。

 


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[ Category:FUJIFILM | 掲載日時:25年04月06日 11時00分 ]

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