【FUJIFILM】X-T4 × フィルムシミュレーションvol.8 ~PRO Neg. Hi/ Std編~
FUJIFILMFUJIFILM XF lensX-T4スタッフおすすめ機材フィルムシミュレーションを楽しむ単焦点を楽しむ
X-T5の発売から時間が経過した今、再度注目したいのが「X-T4」。
アマチュアからプロフェッショナルまで幅広い層を満足させてくれるのが「X-T4」です。
そんな「X-T4」を使って本連載ブログではFUJIFILM担当スタッフが「X-T4」とFUJIFILMの代名詞でもある「フィルムシミュレーション」を組み合わせて撮影した写真や動画をご紹介させていただきます。
今回ご紹介させていただくフィルムシミュレーションは「PRO Neg. Hi/ Std」です。
FUJIFILMの公式にてそれぞれの「PRO Neg.」は下記のように説明されています。
PRO Neg.Std
“プロ用ネガフィルム「PRO160NS」がベース。
諧調と肌色の柔らかさが特徴で、作りこまれたライティングでのポートレート撮影に適しています。
また、ニュートラルな諧調により、撮影後に画像加工を行う際にも最適なフィルムシミュレーションです。”
PRO Neg.Hi
“プロ用ネガフィルム「PRO160NH」がベース。
PRO Neg.Stdよりも諧調がやや硬く、屋外など凝ったライティングが出来ないシチュエーションでのポートレート撮影に適しているフィルムシミュレーションです。
フラットなライティング下でも適度な陰影が得られます。”
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今回使用したレンズは、フジノン XF56mm F1.2 R WRです。
好評だった先代のXF56mm F1.2からリニューアルを経て切れ味の増した35mm判換算85mmの中望遠レンズ。
まずはフィルムシミュレーションの標準に位置されている「PROVIA」からご覧ください。
続いて「PRO Neg.Std」からご紹介いたします。
彩度を抑えたややフラット目な印象をうけるフィルムシミュレーション「PRO Neg.Std」。
それでいて元の色彩を大きく変えるわけではないので、どこか懐かしさを残しつつも今どきの写りを感じられます。
コントラストが弱まり軟調な印象になるため、明暗差の激しいところで撮影したデータであっても白飛び/黒潰れが少なくなるので撮影後の確認や画像編集がスムーズになります。
色が淡くなるので質感が硬いものであってもそれほど重くなりすぎず撮ることができます。
白飛びにも強いので夜や屋内では若干露出補正をプラスに振ってあげると自然な写りになるように感じます。
そして「PRO Neg.Hi」です。
「PRO Neg.Std」が彩度を抑えるのならば、「PRO Neg.Hi」は陰影をつけるフィルムシミュレーションです。
加えて、単純にコントランスを高めると色の鮮やかさも比例して上がる傾向にありますが「PRO Neg.Hi」の色味は控え気味になっています。
「PRO Neg.Std」に比べると硬めな印象はありますが、アンダー部分をぐっと引き締めてくれるのでリアルな陰影が付きやすいです。
屋外のライティングであってもメリハリがつくので写真自体が眠い印象にならずバチっとはまった写真にすることが可能です。
では実際に比較してみましょう。
黄色い花(ロウバイ)の部分をご覧下さい。
わずかな違いではございますが、PROVIAを基準とすると、「PRO Neg.Hi」はコントラストが高く、影がついているのが分かります。
一方で「PRO Neg.Std」は全体的に色が淡くなり陰影が薄くなっているのが分かります。
色が濃いものだと違いは如実に表れるようです。
フィルムシミュレーションブラケティングで撮影した2枚。
多くのカメラにブラケティング撮影機能が搭載されていますが、そのほとんどは露出が異なる写真を複数枚撮影するもののこと。
フジフィルムのカメラはブラケティング撮影の設定の中にフィルムシミュレーションがあり、撮影した1枚の画像からフィルムシミュレーションを変化させた3枚の画像を生成する機能があります。
上が「PRO Neg.Hi」。下が「PRO Neg.Std」です。
赤の色味やアンダーになりやすいグリル部分の出かたに違いが出ています。
続いては駅での一コマ。
通過駅のため速度を上げて走行する電車も1枚の写真から生成された写真のためピッタリと同じ位置にあります。
こちらは西日により逆光の条件下で撮影しています。
通常ですと明暗が激しく露出を合わせるのが難しいのですがレンズの性能の高さのおかげか全体が破綻せずに写真を撮ることができました。
ホーム上の屋根にご注目ください。
こちらもコントラストの違いで両者の雰囲気が異なっております。
色合いを大きく変えずニュートラルめの諧調に整えつつコントラストを調整しやすいフィルムシミュレーション「PRO Neg.」
色味を変えることなく好みのコントラストにしやすいので普段の撮影から使いやすいです。
「PRO Neg.Std」と「PRO Neg.Hi」。
皆様はどちらがお好みでしょう
その日の気分によって変えてみても面白いかもしれません。
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「PRO Neg.Std」
ニュートラルな仕上がりになるため淡い雰囲気やどこかノスタルジーな感じが出せる「PRO Neg.Std」。
しかしながら、色味を変えるわけではないので写り込んだ被写体をそのままの姿で撮影することが可能です。
データ自体は諧調を損なっていないので撮影後の画像確認や編集にも使いやすい印象です。
「PRO Neg.Hi」
フラットながら陰影をつけることでグッと引き締まる「PRO Neg.Hi」。
光が飽和していたり、陰影がつきにくかったりするシーンではそのフィルムシミュレーションの効果によりメリハリを簡単に得ることができるので屋外などで使い勝手が良いです。
投稿時期に関しましては不定期ではございますが、次回以降は以下のフィルムシミュレーションを随時ご紹介させていただきます。
・SEPIA
※ブログ掲載順は順不同でございます。
以下投稿済みのフィルムシミュレーションもご覧いただければ幸いです。
・ETERNA シネマ / ETERNA ブリーチバイパス編
本連載ブログにて各フィルムシミュレーションの特徴をお楽しみいただければと思いますので、また次回のブログをお待ちいただければと存じます。