
【HASSELBLAD】XCDレンズが解き放つ、1億画素カメラの真のポテンシャル⑨
デジタル時代に中判カメラの魅力を再定義したハッセルブラッド。
その独自の世界観を支えるのが、Xシステムのミラーレスカメラ用に設計されたXCDレンズです。
卓越した光学性能、レンズシャッターによる全速ストロボ同調、そしてコンパクトな設計。これらは、中判の豊かな階調や空気感を、より身近なものにしてくれます。
このレンズは、プロの現場からハイアマチュアのクリエイティブな挑戦まで、幅広い写真家を魅了し続けています。
この記事では、そんなXCDレンズの魅力と特徴を深掘りしていきましょう。
今回紹介するのは『HASSELBLAD XCD 80mm F1.9』。
35mm換算で63㎜で撮影することができ、ポートレート撮影にぴったりなレンズです。
ISO50 F2.4 1/125
撮影日はあいにくの雨模様。
筆者は雨の日ポートレートに慣れていないので、撮影前から上手く撮れるか心配していましたが、流石はX2DⅡの解像度とダイナミックレンジ。雨の日で空が曇っていても、メリハリがあり、深みのある色で表現してくれます。
ISO50 F4 1/45
35mm換算で63mmというと、筆者の体感ではスマートフォンで撮影するようにさっと撮影しようとすると、やや被写体との距離が近すぎるのではないかという印象を受けます。
そのため、カメラマンが思い描く構図で撮影するには、カメラマン自らの足を使って動く必要があります。
本レンズはレンズフードを含めると1044gもあり、これを持ちながら画角を変えようとすると少々不便に思われますが、
X2DⅡの5軸7段分の手振れ補正とさらに握りやすくなったグリップのおかげで、重さを気にすることがなく動いて画角を調整しながら撮影することができました。
ISO50 F1.9 1/45
ISO50 F1.9 1/45
雨が段々と激しくなってきたので、屋内へ避難してきました。
X2DⅡの暗所耐性が強いのに加え、本レンズの開放F値が1.9なので、問題なく撮影できます。
ISO800 F1.9 1/125
ISO320 F2.8 1/60
XCD 80mm F1.9は特にポートレートを撮影したい人におすすめしたいと思いました。
換算63mmの画角は、近すぎず被写体を際立たせやすいので、これまでポートレートを撮影してきた人だけではなく、これから始めてみたいという人にとっても最適な一本であると言えます。
またX2DⅡ 100Cと組み合わせることによって、落ち着きがあり深みのある色表現と細かい質感描写を実現することができ、現在フルサイズ一眼カメラを使っている方にも、ステップアップとして中判デジタル一眼カメラデビューに最適の1台です。
今回はXCD 80mm F1.9を紹介致しました。
単なる道具を超え、写真家の創造性を刺激するXCDレンズ。
その卓越した描写力は、中判カメラでしか味わえない唯一無二の表現をもたらしてくれます。
「写真を通して、何を伝えたいか?」
この問いへの答えを、XCDレンズはきっと見つける手助けをしてくれるはずです。ぜひ、あなたもこのレンズを手に、新たな物語を紡いでみてください。



